ドキドキ 秀美、
「輪湖先輩が…、コイチさんの事…。」

輪湖、そんな秀美を見て、目をキョロキョロとさせて、
「あ…。あ、うん。コイチの事…。」

虎一郎、下唇をビロンとさせて…、
「ふん。」

「あの時の輪湖先輩見てて、物凄いカッコよく見えて…。」

瞬間、輪湖、
「あ、あ~~。…はは。うん。」

その時、ドアが開いて獏が…。
匡子と佐武郎だけは獏に視線を。

けれども葉子と輪湖、そして虎一郎は秀美に視線を。

秀美、
「あの時…。…なんだか、私、自分でも良く分かんないんですけど…。凄い感動しちゃって…。」
なんとも嬉しそうな顔の秀美。

そんな秀美を見て輪湖、ニッコリとさせながら、
「あ~~、うん。」

秀美、今度は葉子を見て、
「…で、葉子先輩も、海江田課長と…。」

葉子、
「あ、うん。」

その時、ようやく虎一も輪湖も葉子の後ろの姿に頭をペコリと、
「お疲れ様です。」

秀美も、
「お疲れ様です。」

その声で葉子、いきなり後ろに。そして体をビクンと。
「びっくりした~~。」

獏、葉子に、
「かかかかか。ごめん。」

葉子、口を尖らせて、
「お疲れ。」

獏、4人を見て、
「…ん…???…何話してんの…???」

匡子、
「あん。秀美ちゃんの事。」

その声に獏、頷かせて、
「あ~~ん、今日のお昼の。」

輪湖、
「えっ!!!課長、知ってたんですか~~???」

瞬間、葉子も、獏の左膝をペンと叩いて、
「ちょっと。」

獏、いきなり、
「痛て。」

葉子、
「知ってるならラインのひとつも…。」

その声に獏、
「いやいやいや。知ってるも何も、俺は、秀美ちゃんがサブちゃんに誕生日プレゼントをあげた。…で、秀美ちゃんが、サブちゃんに、付き合ってください。…と、までしか知らないの。」

瞬間、虎一郎も輪湖も、
「え―――――――っ!!!」

葉子は目を真ん丸に、そして秀美と佐武郎を交互に見て、
「うそ。マジ…???」

「…しかも。…しかもだよ。…もし、この事、葉子にラインしてみぃ。秀美ちゃんと、少し、空気…、変わってくるだろう~~。」

その声に葉子も、口を尖らせて、
「ま、まぁ~~。確かに…???…なる…かも…。」

「それにしても、秀美ちゃん、凄ぇ~~。ここに来て…。いや~~~。」
虎一郎。そして佐武郎にも、
「サブちゃ~~ん。」
左手親指を立てて、
「イェ~~~イ。」

佐武郎、真っ赤な顔でニコリと。

輪湖、ニッコリと、
「そっか~~~。はは。私の予感。的中かな~~。」

その瞬間、虎一郎、佐武郎、秀美と海江田が、
「えっ…???」

佐武郎は顔を傾げて、匡子は、
「えへ…???…おや。」

葉子、
「ん~~~。…でも、輪湖の場合は~~。サブちゃんが秀美ちゃん…って、勘…だったけどね~~。」

獏と匡子、
「えっ…???」

匡子、輪湖と葉子を見て、
「え~~~???…なんだ、ふたりとも。気付いてたんだ~~。」

「…と、言う、匡子さんも…???」

葉子の声に匡子、
「あん。まっ、前からね~~。サブちゃんの秀美ちゃん見る目、違ってたからね~~。…ただ、肝心の秀美ちゃんは、あの時、既に好きな男性が、獏~~~。」

獏、頭を下げて、
「失礼、致しました。」

匡子、
「あれ…???…美知佳さんは…今日…???…獏~~???」

その声に獏、
「あっ。」
玄関の方を見て、
「いや…。俺も知らないけど…。…もしかして…、自宅に帰ったか…???」

匡子と葉子、同時に、
「神戸…???」

獏、
「あん。週末だから…。子供たち。」

匡子と葉子、同時に頷いて、
「あ~~ん。そっちね。うん。納得。」

「…だと…、思う…けど…。」

輪湖、
「あっ。いや…。でも。…でもでもでも。秀美ちゃん。どうやってサブちゃんの誕生日…???」

虎一郎も、
「あっと~~~。うんうんうん。そこそこ。」

葉子、
「あっ。」

獏、口を尖らせて、
「ふん。」
そして僅かに顔を傾げて。

秀美、口を真一文字に、
「実は~~~。」

3人、共に、
「うん。」

「高村家の…。」

虎一郎、
「通ちゃんかぃ。」

輪湖も葉子も、
「通ちゃん…???」

高村家にて、通、いきなり、
「エ~~ックシュン。」
そして、
「おぃおぃ。なんだなんだ~~。」
そして、また、
「エ~~ックショイ~~~。あ~~~。」
棚からティシュペーパーを1枚。そして鼻に、
「誰だ~~。この俺様を~~。」

輪湖、
「いやいやいや。…でも、なんで…???…こういう時って…、普通は…、匡子さん…。」

「ん~~。」
秀美、何かしら考えた風に、空を見て、
「ん~~~。…確かに。…ん~~。…でも…。あの時は…、なんか…。こぅ~~。自然に…。…何て言うか~~。もしかして…。いつも…、近くにいる…人より…、遠くにいる人…。…なんか、そんな風にふと、思えて…。…そしたら…、足が…、自然に、そっちに向いてた…。しかも…。アパートに帰ってから…。一旦、部屋に入って。それから数分後に…。」

輪湖、
「へっ…???…アパート帰ってから、また…出掛けた…。」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,246.   秀美、「輪湖先輩が…、コイチさんの事…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋