ドキドキ 匡子、コーヒーを淹れながら獏に、
「いや~~。分かんないもんだよね~~世の中。そんな…人、いるんだ~~???」

獏、
「うん。…今回ばかりは…鳩崎部長も…。かかかか。かなり参ったようで…。辞めてくれて…良かった~~って…。いやいや。だって…。まっ。その人にはその人の…、スタイルは…あるとは…、思うけど…。まさか…。」

匡子、口を噤んで、
「ん~~。」

「…まぁ…、表現は悪いけど…。」
獏、続ける。
「男性が、好んで好きになる…タイプの…。でもさ…。他の会社でも…、入社して、僅か数か月…、優秀な社員を…。ある意味…、ストーカーみたいな…。…けど…、敢えて、距離は保つ。誰にも知られないように…。…心理…なのか…???」

その時、ドアが…。

匡子、
「あら…。」

獏、後ろを向いて、
「ん~~~???」
そして、
「はっ…???」

社員食堂で…。葉子と輪湖がいつもの窓際の席で…。

そこに虎一郎も、あちこち見渡しながらも頭を傾げて、トレイには天婦羅うどん…。
そして葉子と輪湖に、
「あの…さ。…秀美ちゃん…は…???」

その声に葉子、
「うん。昼休みになった途端に、ごめんなさい。私…、ちょっと、出てきます。…って…。」

輪湖も、
「うんうん。何処に行ったのかは…???」
こちらも頭を傾げて…。

虎一郎、2度頷きながら…、
「へぇ~~。」

葉子、おかずを食べながら…、
「なんか…、この1週間…、秀美ちゃん。」
そして、輪湖に、
「輪湖~~。アパートで何か…???」

そんな葉子に輪湖も、右手を振って、
「いやいやいや。特には…。まっ。引っ越してから、よく、私の部屋で秀美ちゃん、自分の布団、部屋から持ってきて、一緒に寝てたり…は、してたんだけど…、この1週間は…。」
頭を傾げて…。

匡子、目の前に現れたひとりの女性を見て、
「珍しい~~。どうしたの~~???」

獏は、いつもの自分の席で…、
「いやいやいや。…って言うか…。いつも、昼は、葉子と、輪湖ちゃんと…一緒の…はず…。社食で…。」

その声に、
「そ…う…。なんです…けど…。…でも、今日は…。ちょっと…。」

匡子、目の前の秀美に、
「…今日は…、ちょっと…???」
獏を見て…。

獏、顔を傾げて…。

秀美、ユニホーム姿のままで…。左隣の椅子にバッグと紙袋を…。
何故か、鼓動は高鳴っている。

そんな秀美の前に佐武郎、ニッコリと…。そして秀美にお辞儀をして…。
すると佐武郎、口パクのように…。何かしら気合いを入れた感じに…。

匡子のコーヒーを淹れた良い匂いがする。

匡子、獏に、
「ねね、で…???…マンションの方…、どんな感じ…???」

その声に獏、
「あん。まっ、少しずつ…、だけどね~~。何とか…、家庭的には…、なってきた…かな…。」

匡子、ニッコリとしながら…、
「ふふん。獏とヨウちゃんの…愛の巣か…。その内、こっそりと…。」

「な~~に言ってんだか、匡姉ぇ、堂々と来るんじゃないの~~。早く開けなさ~~いって。」

そんな声に匡子、
「かかかか。まっね~~。」

佐武郎が秀美の前に、笑顔で、出来立ての料理の皿を…。

瞬間、秀美、満面の笑顔で、
「おいしそう~~~。」

匡子、
「どぞ。召し上がれ~~。」

秀美、海江田に顔を、
「課長は、もぅ…お昼…。」

海江田、
「あん。もぅ、頂きました~。」

「獏は、このまま仕事に行っちゃうから。…多分、会社の中にいる人達よりは、午後は…早いかな~~。…こっからだと…、駅にも近いし。」

秀美、
「ふんふんふん。なるほど~~。」
そして秀美、目の前の料理にまた、
「美味しそう~~。」
そして、
「いただきます。」

匡子、
「ふふ。」

秀美、特にお喋りもなしで、とにかく美味しそうに食べる。
食べながらも、その度にニッコリと満足げに。

海江田、そんな秀美を見て、
「はは。しっかし、美味しそうに食べるね~~、秀美ちゃん。」

そんな海江田に、ニッコリと秀美、
「はい。美味しいですから。」
そして、料理を食べて…、残りが僅かに…スプーンで2口程度になった時。
いきなり…。秀美が鼻をシュンと…。

瞬間、匡子と獏が、
「え…???」

また秀美、鼻をシュンと…。

海江田、
「ひ…、秀美ちゃん…???」

匡子も…。獏を見て…、
「秀…美…。」

佐武郎、心配になって…、目をパチクリと…。

秀美、最後の1口を食べて…、また鼻をシュンと…。
「おいしい…。」
今度は喉をゴクリと…。
そして僅かに頬に涙を薄っすらと流しながら、今度は、
「はは。美味しかった~~。」
顔を上げて。

獏と匡子、そんな秀美を見て、
「はっ…???」

秀美、何故か目を真っ赤にして、佐武郎に、
「佐武郎さん、ありがとうございました。そして、ご馳走様でした。」
ニッコリと。

匡子、
「はは。」

佐武郎、空になったお皿を秀美から受け取り、こちらもニッコリと…。

そして秀美、顔を真っ赤にさせて…。隣の椅子から紙のバッグを…。

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,241.   匡子、目の前に現れたひとりの女性を見て…。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋