虎一郎、輪湖に、
「輪湖…、おま…。」
輪湖、口を尖らせて、真っ赤な目から涙が…。鼻も真っ赤にさせて、
「仕方ないじゃんよ。グスッ。…だって…。…いつもテンションマックスなのに…。そんなあんたが、情けなく…。…それに、そんなアンタをぶったたいても、全然、つまんないし。コイチは…。コイチじゃないと、やなの~~。私~~。」
輪湖、涙を零しながら…。そして、泣きながら…。
そして仕舞には虎一郎の両肩を両手で繰り返し、叩きながら、
「バカ。ふざけんな。あんたはあんたじゃなきゃ、私は嫌なの。もぅ~~。バカ野郎~~。ふざけないで~~。」
虎一郎、輪湖に叩かれながらも、
「輪湖…。輪湖…。…あ~~。うんうん。分かった。分かった。」
そしてそんな輪湖を見ながらの秀美も、何かしら…、もらい泣き、
「輪湖…先輩…。」
そんな虎一郎と輪湖を見ながらの匡子も、僅かに目を赤く…、
「うんうん。はは。」
葉子、
「はは。コイチ。良かったね。」
葉子もハンカチを鼻に。
秀美、そんな葉子を見て、
「わっ。葉子先輩も、目ぇ、真っ赤~~。」
虎一郎、そんな輪湖と秀美、そして、葉子に、口をガッシリと噤んで、
「…あり、がとう。」
匡子、
「…で…???…どうすんの~~コイっちゃん。輪湖の爆弾宣言。あんた、獏の宣言より、女性からの宣言になっちゃったけど…。」
美知佳、
「おっと~~~。…確かに。」
その声に虎一郎、
「あっ。え…???…いや~~~。…あの…。」
そんな虎一郎を見て、いきなり輪湖、涙でぐしゃぐしゃになった顔で、舌を出して、
「べぇ~~~~。」
虎一郎、そんな輪湖に…、
「…って言うか…。…俺なんかで…、いいの…???」
瞬間、匡子、秀美、葉子、いきなり、
「コイチ~~~~。」
秀美、
「わっ。私も言っちゃった。」
輪湖、
「一発、殴ろうか…???」
右手を振りかざして…。
虎一郎、思わず、
「わわわ。いい。いい。はい。はい。」
輪湖、虎一郎の両頬を思いっきり引っ張って、
「こんにゃろ~~~。私から好きだって言われて、感謝しなさい。」
虎一郎、思いっきり目を細く、
「い、痛い。痛いって…。だから…。ごめんなさいって…。」
匡子、
「まさかね~~~。」
そう言って、今度は顔を傾げて、
「まっ。確かに…、コイっちゃん、頭、叩くの、ここじゃ、輪湖しか…いないか…。うん。確かに。輪湖しかコイっちゃんに、ちょっかい出す人、いないもんね~~。」
秀美、
「でも、び~~っくり~~。輪湖さんが…、まさか…。」
「…って言うか、そのび~~っくりは私も同じ~~。」
匡子。
「それに~~。」
いきなり葉子を見て、
「凄~~い。ヨウちゃん、初めて怒った~~。さっきのあれ~~。バカッ!!!何言ってんのよ。あんたが辞めたら私たち、どうすんのよっ!!!…物凄い怖い顔。それも、輪湖と一緒。」
秀美、
「わっ!!!…そういえば。」
葉子、口をおちょぼ口にして…。
海江田、
「おっと。確かに。」
匡子、獏に、
「旦那様~~。如何でしょうか~~、奥様の怒った顔…。」
その声に獏、目をキョロキョロとさせて…。
「あ…。いや…。う…、うん。…はい。…気を付けましょう。」
瞬間、美知佳、海江田の腰の辺りを左手でペン。
「かかかかか。何が気を付けましょうよ~~。かかかか。」
葉子も獏の左二の腕を右人差し指と親指で抓って、
「バカ。」
獏、
「痛って~~~~。」
そして両隣を見て、
「何よ~~~。」
輪湖、虎一郎に、まだ目を赤く、
「いい…???…分かった…???…ちゃんとその人に言うのよ。」
「ワコイチペア、誕生~~。」
いきなり葉子。
「輪湖~~~。コイチ、お願いね~~。」
そんな葉子に輪湖、
「おぅ。」
そして、鼻を啜って。
秀美、
「あは。」
それから…2週間が経った。
何故かしらこの2日間、営業推進部、新人の姿が見えない。
確かに…、あれだけ虎一郎に愛想を振り撒いていた新人も…、
あれから虎一郎の事を見る事はなくなっていた。
そして…。何かしら…、周りの女性社員との交流にも、多少也とも、影が…。
虎一郎、都沢に、
「あの新人…。何かあったんすかね。」
すると都沢、
「あ、荒木(あらき)さんなら昨日で退職。辞めたよ。」
その声に虎一郎、
「はっ…???」
都沢、
「かかかかか。部長、胸を撫で下ろしてたみたい。」
「な…、なんで…???」
「まぁ~~。こう言っちゃあ、セクハラになっちゃうけどさ。男を食い物にして…。それこそ、逆セクハラ…???…で、相手の男が、それに我慢の限界って…、会社を辞めていく。なんでかね~~。それが、ある意味…、彼女の達成感…。なんだ…そうだ。…しかも…、優秀な社員ばかりを狙って。」
そこまで言っての都沢、
「もしかして…。君、佐賀美君…???…狙われてたりして…。」
瞬間、虎一郎、
「え゛ぇ~~~ぇえ…???…なにそれ…???」
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,240. 「コイチは…。コイチじゃないと、やなの~~。私~~。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋