獏、口はニコリとさせながらも僅かに右眉を歪ませて、
「陣屋部長〜〜。」
その声にいきなり葉子以外が、
「あっ。」
そしてそれぞれが目をキョロキョロと…。
するといきなり、またまたそれぞれ、
「キャッハハハ。確かに。」
葉子だけが…、キョトンとした目で、
「な…、何が…???…部長が…???」
そして僅かに顔を傾げて…、口を尖らす。
匡子が、
「ふふ〜〜ん。実はね〜〜。」
そして美知佳を見て、
「ねぇ〜〜美知佳さ〜〜ん。」
いきなり美知佳、
「わっ。匡子ママ、言ってくれた。」
すると匡子、口を尖らせて、
「ふん。だって、昨日、散々言われたから。その松樹部長はやめてって。」
その声に美知佳、ニッコリと、
「ありがとうございます。…って、私自身、その…、同じくらいの年齢の人や、それ以上の歳が上の人から部長って言われるだけで、なんとも…、こそばゆいというか…。馴染めないって言うか…。でも。」
美知佳、いきなり海江田の両肩を両手でパン。
「陣屋先輩にも、あぁ言われたんだから…。ねっ。」
葉子、松樹に向かって、
「部長…。」
そんな葉子に美知佳、
「あん。海江田課長、昨日、陣屋先輩から、選さんの事、しっかりと責任取って下さいって、何度か念を押されたのよ。ねぇ〜〜〜。」
その言葉に葉子、目を真ん丸にして、
「うそ——————っ!!!」
「…って言うかぁ〜。ヨウちゃん以外が、ここにいる全員、証人だから…。」
微笑みながら匡子。
葉子、左隣りの秀美、そして輪湖、虎一郎、そして佐武郎を見て…。
そして、それぞれが葉子を見て、
「うん。」
「はい。」
「その通り〜〜。」
葉子、いきなり口をおちょぼ口に。
その頃…、高村家では…。陣屋、目の前の通に、
「はて…。海江田課長の顔は本日、見れなかったけど…。どうすんのかね〜〜。」
その声に、
「いやいやいや。あれだけ姉御が言ったじゃんよ。…当然、男としては〜〜。」
蔵井氏、
「まぁね〜〜。」
紫、
「あっ。そうだ。鶴来大翔。」
陣屋、
「うんうんうん。御曹司。」
蔵井氏、
「はいはい。」
「結婚、決まったみたい。」
その声に陣屋、蔵井氏、
「へぇ〜〜え〜〜。」
「来年の春には、ホテルで挙式ってメール。」
陣屋、
「おほほほほほ〜〜。」
蔵井氏、
「これは、これは。何ともめでたい。」
「な〜〜によ〜〜。両親には完璧にシークレット。な〜〜んて言っておきながら〜〜。」
紫。
陣屋、
「うんうんうん。」
「完璧に、バレてたって。」
その声に陣屋と蔵井氏、
「かっかかかかかか。」
陣屋、
「さすがは、鶴来社長。その辺は、侮れないよね〜〜。あれだけのホテル。」
通、
「ふ〜〜ん。じゃ、そちらも何とか、一件落着。と〜〜。姉御。」
そんな通に陣屋、ニコリと、
「だよね〜〜。」
その時紫、
「ねね。…でも、どうして、通ちゃんも課長も、部長の事、姉御って…、言うの…???」
その声に通も蔵井氏も…。いきなり目を真ん丸に。
そして通は俄かにおちょぼ口。
蔵井氏は口をガッシリと搾って…。
陣屋だけが、
「ん〜〜〜ん〜〜???」
そして、通を見て、
「通ちゃん。」
そんな陣屋を見て通、左頬を左人差し指でポリポリと…。
「まっ、ま〜〜〜。あの…、だな…。ん〜〜〜。」
紫、そんな通を見て、
「…ん…???」
通、紫に、
「知りたい…???」
紫、
「ふん。」
「…訳だ…。」
「ふん。」
「じゃ、ゆうけどさ。」
「ふん。」
通、口を尖らせて、
「心の準備…。」
「は・あ…???」
「紫さ…。」
「ふん。」
「極道の妻って…、映画…。観た事ある…???」
瞬間、
「…ん…???…そんな映画…、あったっけ…???」
「うんうんうん。あのね…。」
いきなり陣屋、
「お〜〜〜い。」
蔵井氏も、
「くくくくくく。」
通、そんな陣屋に、
「何さ。だってさ。紫、なんで姉御って…。」
いきなり陣屋、
「回りくどいじゃんかさ〜〜。」
蔵井氏も、
「かかかかか。」
「いや。だってさ…。順を追って…。」
蔵井氏、右手を振って、
「いやいやいや。実はね。…これはもぅ〜〜。紫が財務に入ってくる…、そのまた以前の話。」
紫、蔵井氏の話に頷いて。
「高村家で、僕と姉御が一緒に食事してたのね。…あの時は〜〜。とんでもない仕事…、ようやく軌道に乗って…。気持ち良く、食事をして、飲んでた。まっ、まだ、愛生ちゃんもいない時代。」
紫、口を尖らせて、
「ふん。」
「そんな折、いきなり店に入ってきた男性が…、確か、4人程…。」
通と陣屋を見て。
通と陣屋、蔵井氏の話に、
「うんうんうん。」
蔵井氏、
「…でね。ものの10分も経たない内に、その4人の中のふたりが、とんでもない声であぁだのこぅだの言うのよ。」
紫、またコクリと。
「それがまぁ、なんとも…、正に、どこぞのチンピラかやくざのような話し方。…他の客が怖がってさ。…まっ、いろんな客がいるもんさ。…けど…。さすがにぞろぞろと客が…。その時、通ちゃん。カウンターから…。…でも、それを制して陣屋部長。」
通、僅かに顔を下に、そして、ニタリと…。
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,233. 獏、口はニコリとさせながらも僅かに右眉を歪ませて…。
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庄司紗千 きっと大丈夫
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋