ドキドキ そして…。
葉子から離れたソフィアの次に、また葉子にまとわりつくようにふたりの子供たち。

アメリア、そんな子供たちに、
「こら。あなたたち、失礼ですよ。」

けれども葉子、
「いいえ。大丈夫です。子供の事も獏から聞いてます。多分、こんな感じになるって…。準備はしてましたから…。」

そんな声に老夫婦もアメリアも、
「英語…、上手ですね~~~。」

獏、
「ハハハ。もしかしたら…、僕より上手かも…。」

そんな獏に葉子、
「獏~~。」

半年前…。

高村家でのあの…、衝撃的な踊りがあった次の日には、いつものメンバーで匡子の店に。
その時に…。

葉子は…。実は…。前の晩は、眠れなかったのである。
目を閉じればシカゴの景色が…。そして獏と踊っている自分の姿。
…けれども、踊っているのは自分ではなく別の女性。ナンシーと言う女性である。
その景色が目を閉じては頭の中に現れて、すぐに目を開けてしまう。その繰り返し…。

多分…、眠りに入ったのは…、朝方…。

そして…。

いつの間にか葉子は、目尻から涙を流していた。
けれども、それを本人、知る事もなく…。

そして目を覚ました朝。
葉子、目をパチクリと…。ある気持ちを自分なりに、認めていた。

そして…。匡子の店で…。

仕事の話になっている時、いきなり葉子、
「あ、あの…。海江田課長。」

瞬間、カウンター全体が静まり返った。

海江田、葉子を見て、
「うん…???」

周りの面々は目をキョロキョロと…。

葉子、
「海江田課長…。実は…。私と…。」

けれどもその瞬間、海江田、いきなり両手を目の前に、
「ちょ…。ちょっと待った。」

瞬間、匡子、両眉の先端を吊り上げて、
「な~によ~~。獏~~。あんた。」

そんな匡子に獏、
「あっ。いや。いやいやいや。…だから、ちょっと待ってって。」
そして獏、今度は自分が葉子に真っすぐに、
「選さん。…葉子さん。」

海江田の右隣りで美知佳、
「おっと~~???」

海江田、
「…僕と、付き合ってくれませんか。…結婚を前提に。」

いきなり輪湖、
「わっほ―――――っ!!!」

匡子、思わず、
「くくくくく。」

秀美、口を手で押さえて、
「言っちゃった~~~。凄~~い。」
隣の虎一郎を見て、そしてカウンターの中の佐武郎を見て…。

そんな秀美を見て佐武郎、何度も顔を頷かせて。

すぐさま葉子、キッパリとした顔で、顔をコクリと、
「はい。お願いします。」

匡子と美知佳、同時に、
「おっしゃ。でかした。」

獏、いきなり、
「え…???えぇぇぇぇ…????…何…???…そのでかしたって…???…別に、事を成したって言う訳じゃ。」

その獏の声に匡子、困ったような顔で、
「いいじゃん、いいじゃん。うんうんうん。あんな事があった、その…今日だからさ~~。みんな…、店には来てくれないかな~~って。思ってたんだけど~~。こぅやって、しっかりと…。それに。肝心要のヨウちゃん。私、あの後、家で何度もビデオ見て、泣いたんだから~~。」

葉子、いきなり、
「うそ…。」

「ほんとだよ~~。」

輪湖、
「あ~~ん。私たち、何も撮ってなかったよ~~。見ているのが精いっぱい。誰…、ビデオ撮ってたの…???」

匡子、そんな輪湖にニッコリと。そして佐武郎に両手を添えて。

途端に輪湖も秀美も、
「すんご~~~。」

虎一郎、顔をグンニャリと…。
「さすが…。サブちゃん、抜け目ねぇなぁ~~。」

匡子、
「確か、お客様の中にも何人か、スマホで撮っていた人がいたような…。」

秀美、そんな佐武郎を見て、顔の前で両手をパチパチと…。

輪湖、
「ねね、匡子さん。後で私にも送って。」

匡子、ニッコリと、
「もちよ。何々、しっかりとみんなにも送っちゃうよ。朝にはヨウちゃんのおかあさんの由佳理さんにも送ったから。」

葉子、
「わお。」

匡子、ニッコリと。そして、
「ようやっとだね~~。それにしても…。」
匡子、獏を見て、
「獏~~。良くぞ言った。それも…、自分の方から…。」

その声に獏、ビールを一口。
「…って言うかさ~~。もぅ~~。完璧に…。夢にも出て来たもん、昨夜。」

匡子顔を歪めて、
「また~~~???」

「…って言うか、あの時のステージでの踊り…???…ダンス…???…何度も何度も、リピートして…。」

いきなり葉子、
「あっ。私も夢…。私の夢はシカゴで課長と…。また…???…ナンシーさん…???…なんか…、もぅ…。今じゃ、ナンシーさんが…私に、乗り移ったみたいに…。何だか…。今までの感覚とは…。ん~~。」
顔を傾げて葉子。

海江田、
「ようやく…。選…さん。ナンシーに…。」

匡子、
「そっか。ようやく…、見えてきたってね~~。…って言うか…。遅くない…???」
そして匡子、
「昨日なんか、写真見たみんなが、瓜二つ~~って言ってたんだよ~~。それなのに、あんただけが…。」

獏、いきなり、
「だから…。だから…。それに…。」

「それに…、何よ…???」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,232.   衝撃的な踊りがあった次の日…。

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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。

※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

アメーバ

Source: THMIS mama “お洒落の小部屋