ドキドキ そして3時間後、飛行機は羽田の滑走路を…、
一路、アメリカはシカゴに向かって…。

「あは。や~~っぱり来た~~~。おかえり~~~。」
カウンターの中から匡子、店に入ってきた輪湖と秀美を見て。

輪湖、口を真一文字に…。
「そりゃ、来るでしょうね~~。誰かさんたちがいないってもさ~~。ある意味、ルーティンになってますから~~。」

秀美は秀美でニッコリと、
「こんにちは~~。」

匡子、
「まっ。確かにね~~。」

「ねぇ~~。どんな感じ…???」
輪湖に匡子。

そんな匡子に輪湖、両手指を真っすぐに立てて両手を組んで、
「はは。やっぱ…空気は違うね~~。いつも、いる人がいないって感、物凄い。」

秀美もにこやかに、
「…ですよね~~。はは。…な~~んか…。みんな…、何かしら…、落ち着かない…ような…。かかかか。」

輪湖、秀美に、
「そりゃそうでしょ。勤務以来8年。先ずもって、仕事、休んだ事のない女性ですから…。」

「うんうんうん。私もそれ聞いてびっくりしたも~~ん。」
秀美。

いきなりドアがガラリと。
「へぇ~~、やっと着いた~~。飯飯~~~。」
虎一郎。
「ゆっくりと飯もロクに食えねえよ~~。」
カウンターのいつもの席に就いて、輪湖と秀美に、
「お疲れ~~。サブちゃん、ビール~~。」

輪湖、
「あんた、お昼に社食、来なかったよね~~。」

「行ける訳ないじゃん、午前中からあちらこちら、掛け釣り回ってたんだから…。…予想はしてたけど…。さすがは課長、半端ねぇ仕事量、熟してるんだから…。主任と掛け持ちで回ってるよ~~。」

匡子、輪湖を見て、
「おやおや。」

輪湖も、
「ふんふんふん。大変ねぇ~~。」

佐武郎、虎一郎の前に生ビールを。

虎一郎、その生ビールに両手をパン。
「おし。いっただっきま~~す。」
輪湖のサワーと秀美のサワーにも、カチン。
半分ほど一気に飲んで、
「かぁ~~~。んめぇ~~~。」
そして、輪湖を見て、泣きそうな顔で、
「なっ。」

輪湖、キョトンとして、
「ど…。どうしたのよ~~急に~~。泣きそうな顔で~~。」

そんな輪湖に虎一郎、
「いやいやいや。そんな顔…、してねぇだろ…。」
そして虎一郎、
「…ってかさ~~。今頃、あいつ…、空…、飛んでんだろうな~~。」
天井を見て。

その声に匡子も佐武郎も、輪湖も秀美も天井を見て、
「…だよね~~~。」

凡そ9時間前…。

通路側の席、目をキョトンとして、微動だにしない葉子。

窓際の席で獏、葉子を見て、
「はは。大丈夫だから…。何かあったら言って。」

その声に葉子、
「あ。うん。分かった。」

「…って、言うか、葉子~~。もっとリラックスして~~。体、ガッチガチって…。」

そんな獏に、
「いや…。いやいやいやいや。だって…。」

そんな葉子に獏、
「はいはい。分かってる。生まれて初めての旅行が今。そして…、いきなり飛行機。…緊張感はねぇ~~。並大抵じゃ~~。」

その時、いきなり葉子、立ち上がろうと…。

獏、
「何…???…トイレ…???」

「あ。うん。」
「大丈夫…???…立てる…???」

葉子、ゆっくりと立ち上がろうと…。
「大丈夫…、だと…。思う。」
白のシューズを履いての葉子。出で立ちは、茶系のジャケット。
そして白のTシャツに、茶系のパンツを穿いている。そして、髪は後ろで団子。

実は、爽太の彼女から手伝ってもらっていた。
実は葉子、生まれてこの方、髪をロングにはした事がない。
そして、髪を後ろで束ねたという事なく、そのやり方を知らなかった。
…けれども、爽太の彼女の梨津子(りつこ)からいろいろと教えてもらって…。
部屋でミラーで髪を後ろで団子にしてみると、これがなんとも、いい感じ。
まっ、そのままでもいいのだが…。そして、茶系のジャケットに同色のパンツ。
多少、体にはゆったりサイズで…。

梨津子、葉子に、
「いいかも~~。葉子さ~~ん。はは。」

葉子、口を何とかニッコリと、
「そぅ…。ありがと。」

葉子、席から立ち上がろうと、その瞬間に、いきなり膝がカクンと…。
「わっ。」

いきなり獏、席から離れて葉子に。葉子、獏に抱えられて…。

ようやく立ち上がり。
「ふぅ~~~。」
目をパチクリと…。そして口を尖らせて。獏を見て。

獏、
「葉子。」

葉子、
「うん。大丈夫みたい。何とか…立てた。」

「おぅ。…じゃ、行っといで。」

「うん。」
ドアを…。

客室乗務員が、
「奥様…。大丈夫ですか…???」

その声に獏、
「あっ。はい。えぇ~~。はは。ありがとうございます。よろしくお願いします。」

搭乗して、席に就くなり、飛行機、初めてなので、何かありましたらお願いします。
…と、その旨、伝えておいたのだった。

葉子、ドアを開けて。
「あっ。待っててくれた。」

獏、ニコリと、
「当たり前だろ。」

葉子、チロリと舌を…。
「ありがと。」

客室乗務員も女性を見て、笑顔でコクリと。

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,229.   そして3時間後、飛行機は羽田の滑走路を…。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋