ドキドキ そんな海江田の声に紫、
「えっ…???…葉子…、感情が…???」

輪湖も秀美も海江田も虎一郎も、頭をコクリ。

都沢だけが、
「いやいやいやいや。今まで、選さん、あんな笑った顔…。いやいやいやいや。信じられない。」

陣屋、そして通と蔵井氏、匡子と美知佳の話を聞いて…。こちらも目を真ん丸に、
「うっそ~~~~。え~~~???」

陣屋、通を見て、蔵井氏を見て、
「…信じ…られない…。あ、あの…、ヨウちゃんが…???…え~~~???」

通、
「おぃおぃおぃ。こりゃ…、とんでもねぇぞぉ~~。」
そして、笑いながら、
「かっかかかかか。愛生~~。」

愛生、そんな通を見てニッコリと、
「うんうんうん。」

陣屋、匡子に、そして美知佳に、
「いやいやいや。いや…。それって、どういう事~~???…私、全く訳、分かんないんだけど…。」

匡子、陣屋に、
「かな~~り、話しは、長くなりますけど…。よろしいでしょうか~~???」

その声に陣屋、そして蔵井氏も、数回頭をコクリと、
「うんうんうん。」

陣屋、
「当然、私の大事な部下~~。」

蔵井氏も、
「右に同じ。」

通、腕組みをして、
「へぇ~~ぇえ~~。」
そして通、愛生に、
「後で話、聞かせてあげるから、行っといで。」
そして、愛莉にも、
「愛莉ちゃん、頼むわ。他のお客さんも待ってる。」

愛莉、ニッコリと、
「はい。」

愛生と愛莉、またステージに向かって…。
それだけでもゲストたちから声援と拍手。

ステージの傍の財務企画の面々はそんなふたりに手を振り…。

愛生、マイクに向かって、
「ありがとうございます。では、これからは、少し、シットリとした雰囲気の曲を…。お届けします。聴いてください。」

曲が流れる。

静まり返った高村家の食卓。
既に、ミニライブが幕を閉じてから1時間。

愛生はようやく片付けを終わらせて…。
けれどもまた、思い出したように、目を真っ赤にさせて…。

そんな愛生を見て通、
「かかかか。また泣いてやがる。」

その声に愛生、
「もぅ~~。うるさいよ。仕方ないじゃんよ~~。こっちも感動したんだから~~。」

通、
「かかかかか。まぁな。確かに。…まぁ~~。もぅ、2度と観れねぇだろうな~~。あぁいう景色は~~。まさか…、あそこで…。かかかか。」

ふたりしかいない高村家の食卓、通の笑い声だけが響いている。

自宅に帰る電車の中、陣屋、思い出しても、また目が潤んで来る。

蔵井氏も同じく電車の中、
「…あのふたりが…。ですか~~。」

美知佳も、自分の部屋に向かいながら、
「やっちゃったね~~。ふたりとも~~。はははは。」

電車の中で輪湖に抱かれながらの葉子、
「輪湖~~~。」

そんな葉子に輪湖、ニッコリと、
「うんうんうん。大正解だよ。」
そして、
「大好きだよ、葉子~~。」

秀美も今や輪湖と一緒の帰り道。こちらも輪湖の左肩に頭を…。
「あぁ~~。感動した~~。」

右左から体を預けられて輪湖、
「うんうん。素敵だった。正に、感動的。」

虎一郎、駅の改札の直前。
「いやいやいや。課長と葉子がね~~。」

マンションの手前。都沢からライン。海江田、
「うん…???」
そしてメッセージを見て、
「ふん…。…って言うか、俺自身…、不思議なんだけど…。まさか…。あそこで…???」

既に自宅の前。紫、
「はっ。はははは。いやいやいや。思い出しただけで、また涙出てくるってよ。」

匡子は匡子で、自宅に戻って、
佐武郎から送ってもらった動画を何度も見ながら涙、涙に暮れていた。
口を真一文字にして、何度も何度も目の下を両手で…。頬を両手で涙を拭いながら…。
「ヨウちゃん…。うんうんうん。良い。良い。最高だよ。…獏~~~~。ははは。ようやっとだね~~。」

愛生が、「聴いてください。」と、それから奇麗なメロディが流れた。

…1曲が終わり、2曲目が流れた…。
歌が始まり、その歌にみな、酔いしれている中で…、ある出来事が起きた。

ステージからテーブル席の間…、ある程度の空間がある。
ゆっくりと椅子から立ち上がった獏。
そして、それと同様に、何かに促されるように、こちらも立ち上がった葉子。
そんなふたりを見て、周りは目を疑った。
獏も、自分の意志とはまるで違う感覚で、何かに促されるように。
ただ、ほんのりと暗い店内。
ステージの前で、流れるような愛生の歌声に、驚くなかれ、獏と葉子は自然に体を寄せ合い…。
ゆっくりと踊り始めたのである。

店内はいきなりどよめく。みな目をパチクリとさせながら…。

輪湖と秀美、目を真ん丸にしながら…、
「うそでしょ。」

財務企画の面々も口に手をやり、
「え…???…えぇぇぇぇぇ…???」

都沢も虎一郎も、
「うっそ。」

陣屋と匡子と、そして蔵井氏、
「やだ。あのふたり…。」
「えぇ~~~え…???」

歌い続ける愛生も目を疑ったが、けれども…、不思議に顔を頷かせて…。

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,221.   陣屋、通を見て、蔵井氏を見て、「…信じ…られない…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋