ドキドキ 店内に響き渡るギターとキーボードの音色。
それに合わせての女性の歌声。愛生のヴォーカルである。
店内の奥をステージにアレンジしての、
愛生と音楽仲間の辻元愛莉(つじもとあいり)とのミニライブである。

歌を聴きながら通、腕組みしてニンマリとしながら、
「へぇ~~。や~~るじゃん。」
そして陣屋に、
「どぅでぇ~~。中々のもんだろ…???」

カウンターでビールを飲んでいる陣屋、
「いやいやいや。中々なんてもんじゃないわよ。かかかか。私、愛生ちゃんの歌なんて初めて聴いた~~。上手なんだね~~。」

高村家の食卓での愛生と音楽仲間のミニライブ。
通と愛生特製のチケットが思いも掛けずに好評、
テーブル席どころか立ち席までも埋め尽くしていた。

ゲストは百貨店扶桑の財務企画の面々。
そして営業推進部からは海江田と都沢、そして虎一郎。
紫から声を掛けられたのであった。
そしてゲストのために応援に駆け付けたのがカフェ匡子の匡子と佐武郎。

通、
「サブちゃん、あんがとね~~。助かるよ~~。」

そんな通に佐武郎、ニッコリと。そして何度も頭をコクリと。
そして、ステージに一番近いテーブル席で愛生の歌声と愛莉のハモリに聞き入っているのが、
葉子や輪湖、秀美の財務企画部社員と、海江田、都沢、そして虎一郎。

都沢、
「いやいやいや。凄いっすね~~。これで…、アマなんすか…???」

海江田、頭を傾げて、
「あ、いや…。通さん…。ここのオーナーね。話によると、セミプロ…的な…。」

都沢、
「セミプロって…???」

「本業ではないんだけど、それに相応しい技量を持っているという…。」
ボソリと葉子。

秀美も、
「うんうんうん。凄いわ~~。こういうの…、食べ放題、飲み放題で、しかも、ライブ感なんて、しあわせ~~。」

海江田、葉子と秀美に、
「さすがは、何でも知っております。」

輪湖がその声に、
「かかかかか。私だって、それくらいは~~。」

海江田、そんな輪湖にも、
「恐れ入りました。」

輪湖、
「それにしても、愛生ちゃんが、これほどまでに上手って、知ってた~~???」
周りの励子や佐智、そして節たちに…。

励子も、それぞれの社員たちも首を振る。
「ううん~~。いいよね~~。」

佐智、
「それにさ、メロディがすんごい、素敵。愛生ちゃんに聞いたら、ふたり、共に、作詞と作曲が出来るんだけど~~。今回は愛生ちゃんのお店だからって、愛生ちゃんの曲を選んだって。」

節、
「へぇ~~。凄~~い。」

「海江田課長はこの店…???」
珍しく参加している尚子。

海江田、
「あぁ。僕は…。」

「課長の両親が元々通ちゃんのお知り合い。課長が小さいときから…。…で、通ちゃんも課長の事を小さい頃から知っている~~。」

葉子。

その声にそれぞれの社員たち、
「へぇ~~~。」

「…って、なんで、そんなに詳しいの葉子~~???」
励子。

その声に輪湖と秀美が、
「ぷっ。」

虎一郎だけは、

「まぁね~~。」

励子、そんな虎一郎を見て、
「なんで佐賀美君もそれ、知ってんのよ~~。それに、秀美ちゃんも~~。」

励子に秀美、申し訳なさそうに、頭をコクリと、
「すみませ~~ん。」

海江田、困ったような顔をして、
「これは、これは…。」

都沢、
「あ。いや…。それ…、僕も知りたいんですけど…、課長…???」

輪湖、両手を上げて、
「はいはい。…とにかく、この曲、終わってからに、しましょ。いい歌だよ~~。」

その声に誰もが、
「あっ。」
そして、シ~~ン。

5曲目が終わった。拍手喝采。

愛生たちはカウンターの方に戻ってインターバル。
ゲスト全員に拍手を贈られ続けている。

陣屋、
「愛生ちゃん、凄~~い。」

蔵井氏も紫も美知佳も、
「素敵です。」
「いいわ~~。」
「まさか、東京に来てライブ聴けるとは、儲けた~~。うんうんうん。」

通は始終ニンマリと。そして、愛莉にも、
「愛莉ちゃん、うんうんうん。上出来~~。」

愛莉、
「ありがとうございます。」

いきなりステージの前の席で、
「え―――――――っ!!!」

励子達である。

通、
「おっと~~。さては、獏のヤツ、バレたか…???」

匡子も通の隣で、
「そのようで…。かかかか。」

陣屋、通に、
「ねね、海江田課長って…???」

その声に通、
「あっ。そっか。姉御にはまだ獏の事、話してねぇや。かかかか。」

匡子、
「うそ。」

佐智、
「何…???…じゃあぁあ~~。その…、叔母と言うのが…。」
後ろを振り向いて、
「カウンターの中にいるあの人…な、訳…???」

輪湖、
「ふん。」

いきなり節、
「奇麗な人~~~~。モデル…???…いやいやいや。元、宝塚かなんかの…???」

その声に虎一郎、
「ぶっ。」

途端に輪湖、虎一郎を見て、
「なんだってっ!!!」

葉子はムスッとした顔をして。

虎一郎、思わず、
「しぃましぇ~~ん。」

輪湖、
「モデルでも、元宝塚でもなくって、カフェのオーナー。ママさんよ~~。」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,219.   店内に響き渡るギターとキーボードの音色。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋