その声にいきなり輪湖と秀美、
「え゛―――――――っ!!!」
美知佳は美知佳で、
「おっと~~~。」
海江田、いきなり両眉の先端を吊り上げるようにして、
しかも、椅子から腰を僅かに上げて、
「お、おぃ、匡姉ぇ、何勝手に。」
瞬間、匡子、口を真一文字に、そしてニコリと…。
「な~~んてね。」
獏にスマホを渡して、そして、
「かか、言い過ぎちゃった~~。」
そして今度は匡子、葉子に済まなそうに、
「ごめんねヨウちゃん。」
両手を合わせて頭をコクリ。
そんな匡子を見て葉子、目をパチクリとさせて…、
「あ、いや…。」
少しバツが悪そうな感じで、
「いえ…。そんな…。」
そして葉子、何とも不思議な感じで匡子に、
「…でも、ありがたいです。」
その声に匡子、
「えっ…???」
「だって…。」
葉子、
「何だか…、全く推し付けなく…。それも…、優しい感じで言われたから…。」
その声に輪湖と秀美、
「あっ。」
そしてふたり、共に顔を見合わせてニッコリと、
「うんうんうん。」
そんなふたりを見て匡子、
「はっ…???…何…???」
海江田も美知佳も、
「うん…???」
「どうしたの~~???」
輪湖、
「実は、葉子、前に、見合い写真…。ねぇ、葉子。」
葉子、口を尖らせて…。
匡子、
「あらまっ。」
海江田も、
「おっと~~。」
美知佳は、
「あははは。なるほど…。」
葉子、
「まっ。仕方がないんだけど…。30でね…。弟には彼女。…で、姉の私には…。…で、おばちゃんが…。藪から棒に~~。まっ。心配してくれるのは…、ありがたいんだけど~~。そんな…、いきなり…。ド~~ンと現れて、ド~~ンと、あんた、この人と結婚しなさい。…みたいな~~。」
海江田、隣で、腕組みしながら、
「かかかかか。確かに…。」
可笑しがりながら。
そんな海江田に葉子、海江田を見て口をむっくりと尖らせてながら、
「課長、笑わないでください。」
瞬間、海江田、ビクンと…。
その葉子の表情が正に怒った時のナンシーそのままに。
いきなり海江田、顔真っ赤になって…。
「…あ、いや…。…失敬…。」
そして、
「はは…。いやいやいや。」
その獏を見て匡子、
「何、赤くなってんのよ。」
輪湖、
「そっか~~。葉子に海江田課長かぁ~~。」
その声に匡子、
「えっ…???…あっ。いや…、輪湖~~~。や~~だ、あんた~~。」
秀美は輪湖と葉子の間で、口を搾って…。そして、グラスを口に。
ふと葉子、
「あっと…。秀美ちゃん。」
匡子、そんな葉子を見て、
「ふん…???…どしたの…???」
葉子、
「あ。あ~~。」
秀美を見て、
「…こういう話の流れで、申し訳…、ないんだけど…。」
そして葉子、秀美に、
「話していい…???」
秀美、コクリと頭を…。
葉子、
「実は…、秀美ちゃん、海江田課長の事…、好きなんです。」
その声に美知佳、
「へっ…???」
匡子はニッコリと…。
「…なんだよね~~。獏~~~???」
海江田、
「まっ。何とも…、雰囲気…だけは…感じて…。」
匡子、そんな獏に、
「な~~に、言ってんだか~~。歳が一回りも離れ過ぎ~~なんて言ってた癖に…。」
秀美、シュンとした顔で、
「…で、でも…。…もぅ…。はは。いいかな…って…。」
何かしら、泣き笑いの顔で…。
「余りにも…、圧倒されるような話の流れで…。」
匡子、
「えっ…???」
秀美、
「えっ…???…あっ。はははは。何か…、葉子先輩と…、海江田課長…。…全然…、私の入り込める隙間…、ないなって…。…しかも…、海江田課長のシカゴでの…。葉子先輩にそっくり。」
そして秀美、クシャリとさせた顔で、
「私…。」
そのままクシャリとさせた顔で…。そんな秀美に全員注目して…。
僅か3秒ほど…。クシャリとさせた秀美の顔が…、いきなり、
「私。決めたっ。」
その一言に全員口を窄めて…。目をパチクリ。
秀美、
「私。輪湖先輩のアパートに引っ越す。」
その声にいの一番に笑顔満面の表情でガッツポーズの佐武郎。
瞬間、全員、佐武郎に注目。そしてそのまま沈黙。僅かに5秒ほど。
輪湖も秀美も、葉子も、美知佳も、
「えっ…???」
いきなり匡子、秀美に、
「秀美ちゃん、偉いっ!!!」
瞬間、秀美、
「えっ…???…はっ…???…あっ…???」
そして頭を傾げて、何が何だか分からないような顔で、
「あっ。はい。ははは。ありがとうございます。」
輪湖、思わず両眉の先端を吊り上げて、頭を傾げて、頭の中で、
「…い、いや…。今のは一体…。」
葉子もゆっくりと顔を左右に…。そして、頭の中で、
「…何…???今の…???」
そして海江田を見て…。
海江田、そんな葉子を見て…。思わず顔を傾げる。
美知佳だけが、
「へぇ~~え~~。そうなんだ~~。」
匡子、そんな美知佳に、ニッコリと、
「はは。そういう事で~~。ねぇ~~~。」
海江田、その声に、
「はっ…???」
そして海江田、思い出したように、
「あっ!!!」
いきなりフィンガースナップ。
「はいはいはいはい。」
輪湖と秀美と葉子、いきなり海江田に、
「えっ!!!」
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,212. 匡子、葉子に済まなそうに、「ごめんねヨウちゃん。」
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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋