その声に美知佳、
「うんうん。」
匡子、美知佳の前に水の入ったグラスとおしぼり。
「仕事、しながら探りを入れてみたの。」
葉子と秀美、
「はい。」
「でも、大丈夫。」
今度は虎一郎、
「はっ…???」
「確かに。手は込んである。…恐らく…、まだ…完璧には…、膿が出てなかったようね~~。」
その声に葉子も秀美も虎一郎も、顔を傾げて…、
「…???」
けれども海江田は、
「ほぅ…。」
美知佳、
「うん。10数年前…、廿楽社長の下で百貨店が起死回生…。業績は右肩上がり。古い体質は改善された。…けれども…、残念ながら…、まだまだ…。昔の感覚にまだ染まったままの人が…、いるみたい。…必然的に…、その人の…。仕業…かも、知れない。」
葉子も、秀美も虎一郎も、頷きながら、
「へぇ~~~。」
海江田、
「…と、言う事は…。」
美知佳、そんな海江田に、顔を綻ばせて、
「ふふ~~ん。」
そして顔を傾げて、
「突き詰めて…。過去を掘り起こして…行けば…。ねぇ~~。」
美知佳、ニッコリと、
「自ずと応えは…浮かび上がる。…だって、確実に過去、5年ないしは、6年前からの出来事…、では…。ないですから~~。」
葉子と秀美、
「な~~るほどね~~。」
そして葉子、
「…と、言う事は…。」
佐武郎、出来立ての料理を美知佳の前に。
その料理を見て、その匂いに美知佳、目を真ん丸にして、
「嬉っしぃ~~。」
佐武郎を見て、
「ありがとう~~。この匂い、完璧。ふふ。サンキュ~~。」
そして美知佳、葉子に、
「そっ。ここ、数年前に入社した人には…、ちょっと、キツイかな~~。手口が、分かりづらい。」
海江田、
「じゃ、その前の…???」
美知佳、
「うん。…でも、まっ。もぅその話は陣屋部長には、話してるけど…。」
そして美知佳、両手を合わせて、
「いただきます。」
そして一口、顔を崩しながら、
「おいしぃ~~。うんうんうん。」
海江田、佐武郎に、
「サブちゃん、グッジョブ。」
右手親指を前に。
佐武郎、ニッコリと。
虎一郎も佐武郎に。
秀美も。すると佐武郎、増々赤くなり。
虎一郎、
「はは。サブちゃん。赤くなってやんの。」
葉子、
「ふん。後は~~。さて。輪湖。」
匡子、
「夏のインフルかぁ~~。」
海江田、
「あっ。それから…。秀美ちゃん、あれから…???」
その声に秀美、ニコニコと、
「はい。今、アパート探してます。」
その声に海江田、キョトンとさせて、
「アパート…。」
「はい。葉子先輩が、今がチャンスだって言ってくれて…。」
海江田、葉子を見て、
「ほぅほぅほぅ。これは、これは、また、ダイレクトに。」
葉子、
「おかあさんの考えと答えには、待っている必要はない。」
その声に海江田はまたキョトンとして、
「まっ。それは、確かに。選さん、あれだけスパッと、言ったんだから、相当応えているはず。」
美知佳、食べながら、
「どうか…したの…???」
海江田、美知佳に、
「あ、あ~~。えぇ~~。いろいろと、ありまして…。」
そして海江田、顔を左右に。そして目も左右に、
「秀美ちゃん…。話して…、いい…???…松樹部長に…。」
美知佳、瞬間、
「あら、嬉しい。」
秀美、
「あ、あ~~。はい。出来れば…。」
美知佳、
「ありがとう~~。」
海江田、話し始める。
…そして…、数分後…。
美知佳、
「わお~~。…で、アパートか。」
葉子、
「多分、もぅ~輪湖、不動産には話、しているはず。…そういう意味では、秀美ちゃんと一緒のアパートになるから、嬉しいって感じ。」
海江田、
「な~~るほどね~~。」
美知佳も、
「うんうんうん。ベストセレクトね~~。」
そして…。更に3日。
ゆっくり、ゆっくりではあるが、横領の手口が…。
輪湖もようやく、熱は37度以下に…。少しずつ動けるようにも。
そして食事も…。
「ふぅ~~。何とか…。…けど…。さすがにインフル…。」
声の調子は、まだ本調子ではないが…。
「結局…、1週間だよ~~。」
そして輪湖、
「さすがに…、免疫…、ないもんな~~。」
お湯を沸かして…。
「それにしても…。何で…???…未だにあの夢…見るけど…。あの蝶…、何…???アゲハでも…、ない…よな~~。」
そして頭の中で、
「…あれしか見る夢、ないんか~~ぃ。」
そして、
「結局は、コイチに手を引かれて…。金粉が溢れて、パァ。…何なの…???」
そして…。輪湖、現場復帰。
部署内では、
「あんまり、無理しないで。病み上がり~~。」
その声に輪湖、申し訳ないように、
「ありがとうございます。」
ただ、匡子の店には大事を取って。
匡子、葉子と秀美に、
「うんうん。良かった、良かった。」
ところが…。その翌日…。
朝の6時。葉子のスマホに、
「ヤベ。俺…、今日、仕事、無理だわ。休む。」
同じ内容のメールが輪湖のスマホにも…。
ふたり、共に、
「今度は、コイチっ!!!」
そして海江田のスマホにも虎一郎から、
「はぁ~~あ~っ!!!40度の熱~~???」
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,192. その声に葉子も秀美も虎一郎も、顔を傾げて…。
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