ドキドキ そんな陣屋に葉子、少し躊躇ったような表情で…。

陣屋、すかさず、
「ヨウちゃんじゃないって…。」

葉子、僅かに右眉を歪めて、頭の中で、
「…ヤバ。」

そして…目をパチクリ。

「ただ…。いろいろと…、ありまして…。」

そんな葉子を見て陣屋、腕組みしながら、
「いろいろと…ねぇ~~。」
そして陣屋、葉子に顔を傾げて、
「ふ~~ん~~。あっ。それより、輪湖…。」

葉子、
「あ~~、はい。昨日は…。輪湖にも…熱…、高いって事で…。電話は…。…でも、今日、仕事上がったらアパートの方に。」

「うん。なんとも…、40度の熱…。もしかしたら~~。」

そんな陣屋に葉子も、コクリとして、
「え~~。私も、気になってるんですけど…。」

「インフル…???」
「え~~。夏にインフルって…、余り聞かないんですけど…。いきなり40度の熱って…。」

陣屋、空を見て、
「なんだよね~~。」
そして、
「うん。分かった。輪湖の事、お願い。…と~~。それから…。何だか秀美ちゃん、今日、元気ないみたい…なんだけ…どぉ~~。」

その声には葉子、思わず口を窄めて、
「あっ。えっ…。あ~~。はい。まっ。でも…。多分、大丈夫かと…。」

陣屋、
「仕事もそうだけど…。秀美ちゃん、性格が…異常に、他とは違って…。その辺…、コミュニケーションは…???…ヨウちゃん。」

葉子、そんな陣屋に、
「え、え~~。なんとか…。コミュニケーションも、輪湖と一緒に、誘ったり…。」

陣屋ニッコリとさせて、
「そっ。」
けれども腕組みをして、
「…でも…。」
そして僅かに頭を傾げて…。
「秀美ちゃんを見てるとさ~~。何やら…、小田島専務の言ってること…。全く嚙み合わないのよね~~。何か…こぅ~~。思わず、猫を被ってるのか…???…な~~んて、思っちゃうんだけど…。」

「え、え~~。…でも、私たちにも、ちょっと…、分かりづらい…ところは…。ありますけど…。」

「うんうんうん。…でも、まぁ、とにかく、秀美ちゃんの事、頼んだわ。横領の方は…、まだ…。ただ…。当然、計上されていない数字になってる。…誰が…、どぅ…???」
そして陣屋、葉子に、頭をコクリと、
「うん。ありがと。」

葉子、
「失礼します。」

部長室を出る葉子。紫は席を外している。同様に蔵井氏も…。

昨日と同様に、社員食堂でふたりだけのお弁当。
話す事は…、輪湖の事。

葉子、秀美の事については、出来る限り、秀美から話してくる以外は、自分からは…。
ただ…。それを優しさだとかと言う事は考えずに、自然の方が良いと思ってもいた。

秀美、
「もしかして…。輪湖先輩…。インフル…???」

葉子、秀美のその声に、頭をコクリと、
「うん。もしかすると…。いきなりの高熱…。」

「…だとしたら…。多分…。一週間は…。」

いきなり空を見て葉子、
「あっ、そっか~~。そぅなっちゃうか~~。」

「…でも…。何故…???…どうして…???」

そんな秀美に葉子、口を捻じ曲げて、
「う~~ん。全く…。」

「私も、葉子先輩もコイチ先輩も…。それに…、海江田課長だって…。何ともないのに…。それこそ…、匡子さんや…、佐武郎さんだって…。」
「確かにね~~。…でも、結果的には、インフル、どこからどう…。分かったもんじゃない。」

葉子の声に秀美、口を窄ませて、
「…ですよね~~。」

夕方、葉子は秀美と共に自分たちのいつもの通勤電車。そして、国分寺駅で下車。
最寄りのドラッグストアでマスクを買い、そして輪湖のアパートの前に…。

葉子、
「行きましょ。」

秀美、コクリと、
「はい。」

チャイムを鳴らして、
「輪湖~~。私~~。葉子~~。秀美ちゃんもいる~~。」

そして、2分後にドアが…。

パジャマ姿の輪湖。マスクをして、葉子と秀美の顔を見てニッコリと。そして、
「ありがと。」

思わず涙目の秀美、
「輪湖先輩~~ぃ。」

ドアを開けて秀美、輪湖の身体に…。
一度は輪湖、秀美を軽くは抱くが…。そのまま離れて…。顔を左右に…。

葉子、輪湖に、ポツリと…。
「もしかして…。インフル…???」

その声に輪湖、言葉は出さずに、頭をコクリ。
「そっか~~~。」
そして葉子、
「お邪魔して…。」
コンビニのビニール袋を見せて。

輪湖、頭をコクリと…。

3人、ベッドの傍に…。

葉子、
「あっ、輪湖、寝ていていいよ。立っているのも、しんどいはず。私たちもいきなり来たんだし。ごめんね。…でも、心配だったから…。」

輪湖、その声に笑顔で顔を左右に。そして両手を合わせてベッドに中に…。
そして、体温計で…。電子音。その数値を葉子に見せて。

葉子、その数値を…。
「39度。…僅かには…、落ちたか…。…でも…。」

ベッドの中で輪湖、天井を向いて、マスクを外して、掠れた声で、
「しんど~~。…まさか…、私が…、インフル…。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,187.   陣屋、腕組みしながら、「いろいろと…ねぇ~~。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋