ドキドキ 駅構内を通って3人。葉子と海江田、秀美を先頭に…。

葉子、頭の中で、
「…お茶の水…???」

そして…。15分程度…。駅を出て…。

葉子、
「さて…。」

海江田、秀美に、
「ここから近いの…???」

秀美、コクリと。
「歩いて10分くらいです。」

その声に2度、3度、頷く海江田。
葉子、始終口を窄ませて。

そんな葉子を海江田、
「選さん…???」

そんな海江田に葉子、目をパチクリと、
「あっ、はい。」

「なんだか…。いつもとは…。」
「えっ…???あっ。いや…。」

「まっ。…とは言え、気になるよね。館城さん、輪湖ちゃん。」

葉子、まっすぐ前を向いて、
「え、え~~。」

その頃、輪湖は…。ベッドで眠っていた。
その日のお昼に家を出て、何とか怠い体で最寄りの病院に…。

そして…。医師からは、
「無理しないで…。救急車呼びなさい。」
苦笑いをされて…。
「良くこんな体で、病院まで…。」

輪湖、マスクをしたままで頭をコクリ。
「すみません。…で、先生…。症状は…???」

医師、口を窄めて、
「インフルエンザ。」

いきなり輪湖、顔を顰めて、
「インフル…???…インフルって…冬…???」

そんな女性に医師、コクリと頷いて、
「…が、一般的。けれども、夏にも発症します。」

かなり残念そうな輪湖、
「え~~~???」

実際、輪湖、生まれてこの方、インフルエンザになど、罹った経験は…、ない。

ベッド上の輪湖、眠りながら…。時にはうなされ…。
けれども…、妙に不思議な夢を見ていた。そして、時折、寝言のように、
「葉子…。コイチ…。」

3人は秀美の自宅に。

海江田、
「なるほど…。ふん。」

葉子、
「行きましょう。」

秀美、
「はい。」

そして秀美、玄関を開けて、
「ただいま~~。」

宮城での研修を終えての虎一郎、駅校内の中華そば屋でラーメンを…。

左腕を…。
「今頃…、秀美ちゃん家か…。」
そして、
「ふ~~ん。」

そして匡子、
「今日は、獏…、遅くなるかな~~。」

その時、思わずグラスがガチャ~~ン。

匡子、
「わっと~~。」

佐武郎が手を誤ってグラスを床に…。
途端に佐武郎、匡子に申し訳なさそうに…。
丁寧に頭を下げて、すぐさま床に腰を…。

そんな佐武郎に匡子、
「あっ、サブちゃん、大丈夫…???…手、気を付けて…。」

その声に佐武郎、腰を下ろしながら顔を上げて、
困ったような笑顔で、顔を左右に2度。そして頭をコクリと。

そんな佐武郎を見ての匡子、小さな声で、
「サブちゃんも…、試練だね~~。」

そして…。こちらでは…。

ビールを飲みながら…。
「あ~~~。ムカムカする~~~。」
陣屋。

その隣で蔵井氏。こちらもビールを飲みながら、
「全く。ふ~~ん。」

通、そんなふたりを見て、
「どうしたって~~の…。それにしても、いつもより遅いよね~~。」

その声に陣屋、
「仕方ないよ。前代未聞。…たく~~。」

「おや。これまた尋常じゃないね~~。」

蔵井氏も、
「参りました~~。ふん。」

通、
「おや。学ちゃんまで…。」

「…とは言え…。まだ、確定した訳じゃ、ないんだけどね~~。」
陣屋。

「姉御。その言い方じゃ、かなり…。」

陣屋、左手で小さく通を招くように。そして小さな声で。
「世に言う、横領。」

途端に通、目を真ん丸にして、
「え゛ぇ~~~えっ!!!」

陣屋、いきなり、
「シッ。」

通、真ん丸の目に、パチクリと。
「びっくりぽん。」

蔵井氏、
「なんともね~~。しかも…、巧妙と来てる。…けれども…。確かに…、使途不明金。…何処にどう消えたのか…。全く…。」

真っ暗な部屋の中。ベッド上では輪湖、汗を掻いて…。まだ…、夢を…。

そして…。1時間が…過ぎた。
鮎川家の玄関で…。

葉子と海江田、秀美と母親の眞規子(まきこ)に、丁寧にお辞儀をして、
「お邪魔しました。」
「それでは私たちはこれで…。よろしくお願いします。」

眞規子、表情はまだ険しいが、何とか心を落ち着かせようとして、一礼をして、
「わざわざ、ありがとうございました。」

海江田、玄関のドアを閉める。

数秒、眞規子、沈黙。
そして腕組みをして、
「ふん。塩でも撒いてやろうか。」

その声に秀美、
「おかあさん。」

「なんだよ。いきなり連れてきて、散々な事。ふん。何様だぃ。」

歩きながら海江田、葉子に、
「終わりましたか。」

その声に葉子、
「…の、ようで…。」
そして、
「ふ~~~。」

「近くで、何か…、食べてく…???…これから、匡姉ぇのトコ、行っても、結構…時間…。」

葉子、前を向きながら、
「え~~。…でも…、今日は、このまま、帰ります。なんだか…。そんな気分じゃなくって…。」

そんな葉子を見て海江田、
「ふん。」
けれども、
「…ってかさ。選さん。どうしたの…???…確かに。秀美ちゃんのおかあさんの前では気丈に振舞ってたけど…。」

そんな海江田に葉子、顔を左右に、
「いいえ…。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,185.   医師からは、「無理しないで…。救急車呼びなさい。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋