去年、私が住む地域からある一定の範囲で、住民による署名活動が行われた。
それは近くの廃業になり買い手を探していた古いホテルを市が買い取り、そこをシリア難民やウクライナからの避難民の為の生活施設として使うという決定を反対するものである。
ホテル向かい側の住宅から周囲は高級住宅地で、昔から暮らしてきた裕福層は治安の乱れと避難民がホテル前の玄関で喫煙の為に集まったり、階段などに座ったりするであろう見た目の乱れ、それと強姦犯罪が必ず増える事を理由に反対した。
結局、決定事項であるから話し合いの場等は持たれず、去年から決行された。
特にシリア難民はゴムボートで海を渡り欧州に入る。
船が漂着する箇所にある避難民受け入れ施設だけが受けいれすることは無理であり不公平であるから、イギリス全土の受け入れ可能施設があり、受け入れ可能規模のある地域で分散して受け入れなければならない。
永遠に住むのではなく、次の受け入れ先や送還先が決まるまでの住居である。
簡単に書けばこれが市の説明であったが、私達は署名しなかった。
一時的にも助ける場として提供することには賛成だからである。
私はホテルの前を通る事が年1度あるか無いかであるから、実際に実感はない。
が、昨夜たまたま車で通る事があり、娘から「ここやで」と教えられた。
娘は「◯◯ちゃんのお母さんが、ここに避難民が来たら絶対にホテル裏の公園は行ったらアカンて言うたけど、通学する時に皆その公園は通るけど、皆が歩いてるから私も友達も大丈夫」だと言った。
確かに、ホテル玄関では喫煙するのに立って談笑する人の姿が10人ほどいた。
皆、片手に携帯で話ながら、寒そうに話したりしていた。
食事はホテル内で出され、タバコや娯楽に使えるお金は至急されるのだという。
このお金で靴や衣類、散髪に使える程度の金額だという。
昨日見た感じでは、スエット上下の人が多く見られた。
未だ反対はある。
ホテルでの受け入れであるため、どうしても人数が一ヶ所に集まって見える。
アジア人でさえ少ないカーライルにおいて、肌の黒い人がそこから出入りするのを、白人とお金持ちの僅かなインド人しか住んでいない高級住宅地での共存は、永遠に融合することはないであろう。
だいぶ前になるが、東京都の青山に児童施設を作ろうとしたら住民からの反対があったニュースが話題になった。
一等地の価値が下がる、近隣住民の裕福層の子供との差が出るのは目に見えており施設の子供が可哀想だと発言した主婦もいた。
まさにカーライルの一等地に避難民受け入れ施設である。
高級住宅地と受け入れ施設の戦いは、市が強制して続行中である。
Source: イギリス毒舌日記