ドキドキ 輪湖、すかさず秀美の左肩を右手で摩ってニッコリと、
「うん。」

匡子、腑に落ちない顔で、
「はぁ~~???…だから、輪湖~~。どういう事~~???」

虎一郎も虎一郎で、
「そうだよ、説明しろよ~~。」

葉子、唇を搾って、真一文字に。そして柔らかな目で、
「つまりは…、私たちはこのままで…、いい友達になれると…。」

葉子の隣で海江田、
「…で、つまりは…、これにて、一件落着と…。」

間髪入れずに虎一郎、
「えっ…???…課長~~。どういう事か、分かっちゃってるんですか~~???」

その虎一郎の声に匡子も、両眉の先端を僅かに吊り上げて、
「うんうんうん。そうそう。獏~~。」

そんなふたりに海江田、キョトンとして、
「ふん…???…」
顔を傾げて、
「いや…。全然。」

瞬間、虎一郎、体をガクッと。
「あ、いや~~。」

匡子は力を落として、
「いや…。獏。あのねぇ~~。」

葉子、
「うん。課長の言う通り、これにて一件落着。」

秀美は秀美で、葉子と輪湖を見て、
「えっ…???」

匡子、
「いや…。だから~~。」

海江田、
「つまりは~~。僕が思うのは~~。…女性が女性だけで知り得ている事って言うのは、それだけでいいんじゃないですかって事。…そんな…、男がわざわざ理由を聞いても…。野暮ってもんじゃ、ないですか~~。」

虎一郎、海江田に、
「あ~~~、課長~~。それ、言っちゃう~~???」
残念そうな顔をして、
「…でも、俺…、聞きたいっすけどね~~。」

そんな虎一郎を見て匡子、優しそうに微笑む。

海江田、
「まぁ~~。それが…、男としては、本音だろうけどね~~。」

その声に虎一郎、
「…って。…どっちなんすか~~。課長~~???」

輪湖、いきなり虎一郎に、
「あんたは図々しい~~。」
虎一郎のオデコに左人差し指をツンと。

瞬間、虎一郎、
「つ~~。だってよ~~。」

今度は匡子、
「ふんふんふん。…って言うかぁ~~。私も、理由、聞きたいんだけど…。」

その声に輪湖、
「あれ…???…匡子さんに、この事って、話してなかったっけ…???」
と、そこまで言って輪湖、
「あ~~。」
虎一郎に向かって、
「…って言うか、私ら、あんたにもこの事、話したよね~~。」

瞬間、虎一郎、仰天した顔をして、
「いやっ???…いやいやいや。」

輪湖、
「陣屋部長から秀美ちゃんの事、あんたにも言ったでしょう~~。さっき、秀美ちゃんの言った事~~。ここで~~。」

いきなり虎一郎、気難しい顔をして、
「えっ…???…だっけ…???」

「そぅ~~。だから~~。私と葉子が、秀美ちゃんの教育係になるって~~。」

虎一郎、両目をキョロキョと。
「あ、あ~~~。そう…でしたっけ~~???…って言うか…。」
輪湖に笑うように謝りながら、
「き…、記憶が~~。何処へやら…。」

輪湖、ムスッとした顔をして、
「どうせ、忘れちまったんでしょ。」

いきなり匡子、両手をパン。
「あ~~~ぁあ~~。うんうんうん。思い出した~~。…そういえば~~。」
そして、僅かに目を空に、キョロキョロと、
「うんうんうん。確かに~~。…そっか、そっか。それでか~~。」

そんな匡子を見て獏、
「おや。匡姉ぇも、お分かりに。」

そんな獏に匡子も、ニッコリと、
「うんうん。そっか~~。うんうんうん。それは良かった。はは。」

まだ話の辻褄が会わない秀美、輪湖と葉子に、
「あ…、あのぉ~~。私…、話しが…。」

そんな秀美に輪湖が、笑顔で、
「ふふ。実はね。私と葉子が、部長直々にお願いされたのよ~~。」

「部長…直々に…???」
「うん。」

「今度、財務に入って来る新人さんの、教育係、お願いって…。」
葉子。

その声に海江田、
「ほぅ。」

「…でも…。そんな…、教育係だったら、私たちより財務の…、私たちよりもっと長い経験者の方が…って、部長に言ったんだけど~~。そうしたら、部長が~~。今度入って来る新人さん。…どうやら、かなり気難しくって、気性が荒い。しかも派手好きで、頑固な性格。」

いきなり秀美、目をパチクリと、
「へっ…???」

「…で、部長は、そんな人を彼女たち。つまりは、荒俣さんや美神さんたちには…。すぐに気分を害して辞めて行くかも知れない。何と言っても。小田島専務筋の人。…しかも、その新人さんは、私と同じ大学出身。」

その話に秀美、
「わっ。」

葉子、秀美の顔は見ずに続ける。
「つまりは…。今、秀美ちゃんの言った事…。それは、要するに~~。」

海江田、
「なるほど。陣屋部長の言っている事は、おかあさんの性格…、だったと言う。」

葉子、コクリと。
「そういう事。」
そして葉子、頷いて、
「確かに。…秀美ちゃんと一緒にいても、全然。部長の言っている事とは的外れで、全然訳分かんなかったけど…。つまりは…。今、秀美ちゃんから話を聞いて納得。腑に落ちた。…っと、言う訳。どっからどう、話しが食い違ったのかは、分かんないけど…。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,174.   匡子、腑に落ちない顔で…。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋