「ホテルの件で~。」
紫。
陣屋、そんな紫に、
「うん。」
「ホテル内で…、ある事に気付いた…。」
そこまで言って、顔を傾げて、
「…あ、いや…。気付いた…んじゃなくって…、感じた…んだわ…。」
蔵井氏、
「おや…。」
陣屋、含み笑いを紫に、
「何を…???」
紫、歩きながら腕組みを…。そして顔を傾げながらも、
「もしか…して~~。…ひょっとして…、では、あるんですけど~~。」
そんな紫に蔵井氏、
「えへへへへへ~~。何やら…、意味…ありげですけど…???」
瞬間、紫、蔵井氏に、右手人差し指を立てて、
「そぅ~~なんですよ~~。課長~~。な~~んとも、意味ありげで、それにして、微妙に…。」
また顔を傾げて、
「こういうのって…、あるんだ~~???…的な…。」
そんな紫に、今度は陣屋が可笑しがりながら、
「な~~に~~、それ~~。」
そして紫、
「実は~~。」
すると、今度は陣屋に寄り添うように、そして耳打ちするかのように。
それを見ての蔵井氏、
「お~~い。それはないんじゃないですか~~。そこまで話しておいて~~。」
そんな蔵井氏を見て紫、思わず右手を口に…。
「かかかか。…ですよね~~。課長~~。」
蔵井氏、思わず、両目をぐりぐりと、
「怒りますよ。」
いきなり輪湖、秀美を見て、
「うそ。…わっ。」
佐武郎も驚いたように、目をパチクリと。
匡子は匡子で、目を真ん丸に、
「わ~~お。なんと。」
葉子だけは、口を噤んだままで、
「……。」
輪湖、頭の中で、
「…言っちゃった~~。…って、言うか、予感…的中~~。」
目の前の匡子、今度は表情が明るく、そして秀美に、
「へぇ~~~。秀美ちゃん、そっか~~。獏、好きなんだ~~。」
いきなりの展開に匡子、ニコニコしながら、そしてゆっくりと瞬きしながらも、
「うんうんうん。ありがとうねぇ~~。はは。匡子さん、嬉しいわ~~。なんてったって、自分の甥っ子を好きだ。なんていう人に、こうして…、目の前で会ってるんだもん。感激の何物でもないよね~~。」
ここで言う展開は、数分前の事。
葉子が、
「…でも…。もしかして…、課長の事、好意を持ってくれてる人…、他にもいると思うけど…。」
…の声が発端になっている。その後、都沢の話になったが…。
その話が終わった後に、珍しく、虎一郎が輪湖に突っ込みを入れたのである。
虎一郎、輪湖の左肘を右手拳でノックするように、そして小さく、
「なぁ~~。」
輪湖、そんな虎一郎に、体を僅かに左に倒して、
「何よ。」
「秀美ちゃんって、誰か、好きな人って、いる訳…???」
するといきなり秀美が、
「あ、あの…。」
葉子を見ながら、
「葉子先輩。…私、海江田課長の事…、好きです。」
その声に輪湖、いきなり自分の右に顔を、
「うそ。…わっ。」
虎一郎はいきなり、
「はっ…???」
匡子、
「ははは。秀美ちゃ~~ん。何ともダイレクト。良くぞ言ってくれた~~。匡子さん、嬉しい~~。」
瞬間、虎一郎、困ったような顔をして、匡子に、
「えっ…???えぇぇぇぇぇ…、匡子さん…???」
最後は名前のイントネーションがとんでもなく逆に…。
輪湖、いきなり、
「ぶっ。イントネーション、バラバラ。」
けれども虎一郎、構わず、
「あ、あの…。…確かさっき、葉子が課長の事で…、課長に…。」
両眉を上下に、
「どうする~~???…な~~んて、言ってましたけど…。あれって~~。…どうなっちゃうの…???」
その話にいきなりまた輪湖の左手が虎一郎の頭を、パコ~~ン。
「あんたは、黙ってな。」
佐武郎が何とも秀美を見ながら、僅かにガッカリとしたような顔で…。
輪湖、虎一郎の声に、
「そういうのって、あんまり、気にしない方がいいよ。」
「いやいやいや。なんで~~~???」
すかさず匡子、
「ふふ~~ん。それはね~コイッちゃん。つまりは…。私~~。獏を好きになってくれる人って~~。何人でもOKな訳よ~~。ありがたいのよ~~。」
そこまで言って、
「まっ、確かに、何十人って言うのは…どうかな…???…とも、思うんだけど~~。…それで…、敢えて、獏が自分にとって、本当に大切な、大事な人は誰か…???…そして、そういう人が本当に、その中にいる。…ので、あれば、何も言う事はない。」
そして、
「但し。もしかしたら…。そういう人が、複数、いるかも…、知れない。」
匡子、自分で言うのが可笑しくなり、
「まっ。そこまで行ったら、ある種の強欲だけど…。…でもね~~。ある意味、自分の好きな異性…。私は、強奪しても、いいかも、知んない。…な~~んても、思っちゃう訳。なんだな~~。」
話を聞きながら輪湖、匡子に、
「すっご~~。」
葉子、僅かに、顔を傾げて、
「ふん。だよね~~。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,161. 蔵井氏、「何やら…、意味…ありげですけど…???」
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