匡子、
「いきなり後輩君、うそ――――――――っ!!!!」
瞬間、虎一郎も輪湖も秀美も、
「へっ!!!どうした…???」
葉子、
「ふん。」
獏は、思わずため息、
「はぁ…。」
匡子、輪湖と秀美に、
「何とだよ。驚くなかれ。先輩のスマホの女性の画像を見た瞬間、せ…せんぱい…。これって…。その先輩が、その後輩君に、だから…、なんだよって…。」
輪湖と秀美、思わず口の中の物をゴクリと飲み込んで…。
匡子、続ける、
「後輩君の言っている彼女と、先輩君の元奥様の顔。」
葉子、ポツリと、
「瓜二つ。」
「そぅ~~。瓜二つ。」
輪湖と秀美、目を丸くして、
「え゛―――――――っ!!!」
虎一郎、右目を歪めて、
「本当に有り得るんかい、そういうの~~。」
「…ってか…。」
匡子、グシャリとした顔で、
「ヨウちゃ~~ん。そこ、私、言いたかったのにぃ~~。」
口を捻じ曲げて。
その瞬間、葉子、目を真ん丸に、
「わっ。ごめんなさ~~い。…私…、空気読んでなかった。」
輪湖、
「いやいやいや。…でも、凄いや。とにかく。そんな風に、自分と同じ…、と言うか~、瓜二つの顔の人って、いるんだね~~。」
秀美も匡子も、輪湖に、
「だよね~~~。」
輪湖、顔を傾げて、
「…ってか、私、その…、横浜トランキルマンヘブンズホテルの光浦総務部長と、ベンチャー企業の…なんだっけ…???」
秀美、
「あん。上沼美和子。」
「そぅそぅ。」
「顔って見た事ないから、分かんないけどさ。」
虎一郎、
「俺だって知らねぇ~~。テレビのニュースでも、チラッとしか出てなかったから…。それに、その、横浜トランキルマンヘブンズホテルの光浦総務部長の顔も知らないしね~~。」
その声に葉子、
「見せようか…???」
虎一郎、いきなり、
「うそっ!!!…うそうそうそ。」
輪湖も、
「うそ。葉子、あるの…???」
秀美、
「葉子先輩。」
匡子、
「わ~~お。さっすが~~、ヨウちゃ~~ん。」
葉子、
「うん。元々は、対策室のメンバーにだけしか持たされていないタブレットがあって、それに全部の情報、入ってるのよね。もちろん顔写真も…。…なんだけど~~。いつなんどき、何か、思い付き…???…なんていうのも、ありかな~~って、思って、内緒だけど、自分のスマホにも入れといたの。」
輪湖、
「さっすが~~、葉子~~。」
秀美もニコニコと…。
そして葉子、隣の獏を見て、
「…いい…ですよね、課長…???」
いきなり振られて獏、口を尖らせて、目をパチクリと。
そして、葉子に、肘を追って左手の平を上に、
「へっ…???…あっ。うん。どうぞ、どうぞ。…もはや…。解禁。」
「…と言うか、課長…。」
獏の顔を見て葉子、
「何か…、ありました…???…なんだか…、さっきから…感じ…、変…なんですけど…。…落ち着かないって言うか~~。…なんだか、つまらそうな感じで…。」
その声に匡子、ツンとしながら…。
その声に輪湖も秀美も、
「うん~~~???」
そんな葉子に、思わず表情を変えての獏、
笑顔で下を見ながら、左手をヒラヒラとさせながら、
「いやいやいや。ううん。全然大丈夫。うん。いいよ、写真、是非どうぞ~~。とにかく、事件は解決、しましたから~~。」
葉子、その声に、頭をコクリと、
「はい。」
輪湖、そんな葉子と獏を見て、思わず、
「ぷっ。」
秀美、そんな輪湖に、
「へっ…???…輪湖先輩、どうしたんですか…???」
そんな秀美に輪湖、思わず可笑しがりながら右手をヒラヒラと、
「ううん。はは、何でもない。」
秀美、
「へっ…???」
匡子、すかさず、
「こら~~。輪湖~~。私の店で隠し事は、なしよ~~。」
虎一郎も輪湖の様子に、
「なんだよ~~。隣で、気持ち悪いだろうよ~~。」
そんな虎一郎に輪湖、ブスリとした顔で、
「失礼ね~~。」
「何…???…どうしたの…、輪湖~~???」
葉子、そして自分のスマホで画像を…。
輪湖、思わず口を両手で塞いで、空を見て、
「あはははは。ごめ~~ん。…って言うかさぁ~~。」
両手で今度は無造作に自分のスマホを弄りながら、
「何かさ~~。」
スマホの画面を見ながら、
「葉子と課長見てると…。」
そこまで言って輪湖、また、目を閉じて、
「ぷぷ。」
匡子、輪湖の顔を見て、
「輪湖ちゃ~~~ん…???」
虎一郎、
「輪湖、おまえ。おかしくなった…???」
そんな虎一郎に、
「べぇ~~~。」
そしてまた輪湖、スマホを見ながら、
「何だか…、葉子と課長…、夫婦みたい。」
そこまで言って、右を見て、顔の前で両手を合わせて、
「ごめん。本当~~に、ごめん。」
そんな輪湖の声に葉子、思わず目を真ん丸にパチクリと。
虎一郎、
「わ~~お。そういう事~~。」
思わず獏は、
「はぁ~~~ぁあ…???…いやいやいや。館城さ~~ん。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,157. 匡子、「いきなり後輩君、うそ――――――――っ!!!!」
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。