私はイングランドに来て最初の一年、マンチェスター郊外の保育園で働いていた。
会社だけが集まる区域に設立された保育園の為、預けに来る人はそこで働く保護者の子供である。
今から16年前になるが、当時子供を毎日預けて一月840ポンドが基本料金だと事務の人が言っていた。
そこに朝ごはんを希望する場合は加算されるので更に割り増しとなる。

保育園で働くと、ギャーギャーうるさい親、営業終了時間の夕方6:30になっても絶対に7時前にしか来ない親、子供の夜泣きが園のせいだと一年言い続ける母親…保育園て、こんなに親への対応にストレスがあるのだと知った。
休憩室では常に親への愚痴、私の当時の同僚は「1割まともな親、9割が変」だと言っていた。
私はスタッフから変な親だと言われぬよう気を付けねばと肝に命じた。

保育園を辞め、今に至るまではずっと接客業である。
接客業している人は多分、日本だからとかイギリスだからとか、カーライルだからなど関係無く、絶対に一度以上は後ろから蹴ったろかと思う客に出くわしているはずである。
デパートの化粧品売場で販売員をやっていた友人からの驚きの話、外資系航空会社のキャビンクルーをやっていた人からの驚きの客話、学校の受付事務をやっている友人からの話…きっと私が接客業ではなく、ただの主婦で買い物でしか店を利用しなければ、何年住んでも厄介な客など知り得なかったと思う。
実際、買い物していて腹立つ客など、せいぜいレジの順番を抜かした人に一度か二度出くわした程度だったと思う。
私が接客業ではなかったら、子連れイライラ激怒母親に接する事はなかったであろう。

見なくて済んだものがあったはずである。
それは良かったのか、悪かったのか…
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Source: イギリス毒舌日記