2日後の月曜日。
廊下を歩きながら紫、葉子に、
「まずは対策室でのミーティング。急ぎましょう。」
葉子、紫に、
「はい。」
こちらは海江田と都沢。
都沢、
「なんだか、俺にとっちゃあ、チンプンカンプンなんだけど…。」
海江田、
「まぁね。まっ。こういう事もあるって…。そんな感じかな…。とにかく急ごう。」
「あっ、はい。」
対策チームで日比谷からの今までの経緯が報告される。
その報告にメンバー一同驚愕。
海江田、椅子の背もたれにどっぷりと…、
「…なんとまぁ。」
都沢、
「…ちょっと、頭が…着いて…、行かない…。…って映画やドラマじゃあるまいし…。」
紫も何かしら、ピンとが会わない感じで…、
「わ、私も…。ちょっと…。」
葉子を見て…。
けれども葉子は、口を噤んだままで、
「…でも…。これが…、事実…なんですね。」
美海、
「これから海江田課長、都沢主任、並びに鈴村主任、選さん、横浜に…お願いします。」
その声にそれぞれが、
「はい。」
そして席を立つ。
そして美海、日比谷に向かって、
「部長、よろしくお願いします。」
日比谷、美海にコクリと、
「えぇ。」
そして美海、日比谷と握手。
その頃、宮越耀司は、都内を車で…。運転しながら、
「まさか…、彼女がね~~。…それにしても、こういう事実があるとは…。」
そして、
「かかかかか。世の中、どんなシュールな事があるのか、想像も付かないね~~。」
鴨居千鶴は自分の席で仕事をしながら、
「先生…。」
実は、宮越が選親子と会った次の日に、警視庁の刑事が宮越の元を訪れていた。
そのひとりは、宮越とは既に馴染の刑事でもあった。
横浜に専用車で向かった海江田以下4人、車に乗って、
海江田が他の3人に目配せをして、
「さぁ。行こうか。」
その声に3人、それぞれ、
「はい。」
「えぇ。」
と声に出すが、その後…、凡そ30分は…、会話もなく…。
信号の赤にも、それぞれは窓の外を…。
紫も葉子に話し掛ける事もなく…。
…そして…、その沈黙を破ったのが…、都沢。
「あっ。そういえば…。さっき、気になるとこ、見たんすけど…、俺。」
その声に海江田、都沢を見て、
「気になるとこ…???」
紫、深くシートに背中を沈めながら、
「ふん…???」
葉子はタブレットの画面を…。
都沢、運転しながら、
「…ん。まぁ…、俺の…気にし過ぎ…かな…???…とも、思ったんすけどね~~。」
海江田、
「ほぅ~~。」
紫は運転席を見て、
「何よ、それ…???」
葉子、ようやく顔を起して…。
「さっき…。」
都沢、
「秘書の東風さんと…、何やら…握手を…。」
海江田、都沢のその声に、
「握手…???」
紫も、両眉の先端を吊り上げて、
「握手…。」
都沢、バッグミラーを見ながら、
「えぇ。…しかも、さりげなく…。」
そして顔を傾げて、
「…でも、なくって、結構、ガッチリと…。」
海江田、腕組みをしながら、深く息を吸い込んで、
「へぇ~~~。」
紫はポツリと、
「握手。」
「握手ね~~。」
海江田。
「ふん。…ま、確かに。」
目だけキョロキョロと…。
「別に、今度の件が、現時点で、解決…した、訳ではない…。けど…。」
「…って、言うか、解決したんなら、それこそみんなで握手するくらい…、あっても、いいんじゃ…。」
紫。
海江田、すぐさま、後ろに応えるように、
「…だよな~~。」
「もしかして…。日比谷部長…。何かしら…、今回の事で、訳アリ…???」
ポツリと葉子。
紫、間髪入れずに、葉子を見て、
「訳アリ…???」
海江田、フロントガラスから遠くを見るような目で、
「ほぉ~~。」
都沢は、両眉を歪めて、
「ふん…???」
紫、葉子に体を僅かに寄せるように、
「…どういう事…???…葉子…???」
葉子、
「もしかして…。日比谷部長の周辺で…、今、何か…起きてる…???…的な…???…まっ。分かんないですけど…、そんな…気が…。」
海江田、そんな葉子の声に、
「ふ~~ん。日比谷部長の周辺で…か…。」
そんな海江田の声に都沢、
「課長…、何か…あるんすか…???」
急に海江田、都沢の声に、反応的に、
「えへ…???」
「日比谷部長…。」
「あっ、いや…。僕は、何も…、聞いてないけど…。」
右手指だけを小刻みに揺らしながら…。
紫、
「ふ~~ん。何なんだろ…???」
紫も腕組みをして、
「…でも…、実和子からも、何も聞いてないんだ…けど…なぁ…。」
都沢、左後ろに僅かに顔を向けて、
「えっ…???…実和子さんって、あの…、システム企画の…???…藍川美和子さん…???」
紫、コクリと、
「うん。…同期だから…。」
その声に都沢、
「えっ…???…そうなんすか…???」
海江田、都沢に、
「ほらほらほら。危ない、危ない。集中、集中。…ってか…、今更…???」
そんな海江田に都沢、
「…いや…。だって、百貨店内の女性社員の事って、俺…、あんまり…。」
その声に海江田、顔を傾げて、
「あ、あ…。まま…。…うん。…だよね。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,141. 日比谷からの今までの経緯が報告される。
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庄司紗千「おふろ月夜」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋