翌朝、財務企画部、部長室、
以前のようにまたミィーティングの時間になっても、
陣屋、そして蔵井氏、紫が部長室から出て来ない。
内情を知っている輪湖と秀美だけがお互いを見ながら口を尖らせて…。
陣屋も紫も、葉子の話に、
「しっかし、ヨウちゃん、凄いね~~。それだけで光浦総務部長~~???」
「さっすが~~。あのエレベーターの絵かぁ~~。まっ、確かにおっきぃけど…。まさか…、そこまでは~~。」
その声に葉子、陣屋と紫を見て、
「でも、でも、凄いです。部長たちも…、通さんから…。」
陣屋、ニッコリとさせて、
「うん。今回のヒットはおっきぃね~~。」
そして陣屋、
「はい。内容は分かった。」
そして両手をパン。
「始めるよ。」
その頃、車で移動中の天春廿楽のスマホに一通のメールが…。
天春、そのメールを開いて、
「ほぅ~~。いよいよ…、来ましたか。…と、なると~~。半年か…1年…かな~~。」
鳩崎、海江田から話を聞いて、
「何…???光浦総務部長~~~。」
都沢、そんな海江田の顔を見て、
「凄ぇ~~~。課長~~。どっからそんな情報~~???」
そんな都沢に海江田、両手を、
「まぁまぁ。」
鳩崎、
「いやはや、参ったね~~。実は、俺のところにも秘書課の東風から電話で、光浦総務部長を徹底追求、行いますっと。」
海江田、腕組みをして、
「東風さん…からか…。…と言う事は…、日比谷部長…。」
鳩崎、机に左手を着いて、
「まっ、そんなとこだろうな~~。」
そして鳩崎、
「そういう訳で、今回はちょっと早いが、対策室、頼むわ。」
海江田も都沢も、
「はい。分かりました。」
そして、鳩崎はその日の朝、妻にある事を頼んでいた。
「さて。」
対策室は午前中、早い時間帯から始まった。
但し、すぐにでも横浜トランキルマンヘブンズホテルにメンバーたちが乗り込みたかったが、
残念ながらホテル側の予定調整が取れずに…。
業務を外してまでの聴取はホテル側の収益にも絡み、
メンバー自身の勤務にも影響を課すとの事で、1週間後と言う事になった。
但し、対策室での日比谷からの報告にメンバーは驚愕。
それぞれが、
「まさか…。」
「…と言う事で、残念ながら、向う1週間は、大人しく、してなきゃ、ダメって。」
獏、カフェ匡子のカウンター、ビールを一口。
葉子たちは食事を摂りながら、
「ですよね~~。」
そして葉子、
「…けど…、まさか…、光浦総務部長のお姉さんが…。」
獏、
「まっ。中国人。しかも、北京出身…と、までは、分かったけど…。実際、関連性は…。」
そして獏、葉子に、
「あっ。…で、選さん、それこそ、宮越弁護士とのアポの件。」
その声に葉子、
「あ~~。はい。父と、明日に、会う約束で…。」
輪湖と秀美、それぞれ宮越耀司を検索して画像を見て、
「な~~んか、凄い、ワイルド感、あるよね~~。」
「うんうんうん。」
獏、
「そっか~~。明日か~~。ん~~。どんな人なんだろうね~~。」
「父からの話だと、人となりはいいって、聞いてますけど…。」
「ふ~~ん。なるほど…。」
堀蔵法律事務所、宮越の部屋の隣の秘書の前に稜平と葉子。
秘書の鴨居千鶴(かもいちづる)、ドキドキしながら、椅子から立ち上がり、
「先生、お待ちしておりました。どうぞ、中に。」
稜平、そんな女性に笑顔で、
「ありがとう。」
千鶴、緊張しながらも、引き出しから一冊の本を出して、
「す、すみません、先生…。」
目の前の選稜平に申し訳なさそうに、本を出して、
「サイン、お願い出来ますでしょうか。」
サインを頼まれて稜平、
「あ~~。はいはい。えぇ~~、いいですよ~~。」
そして稜平、
「お名前…は…???」
千鶴、
「あっ。はい。鴨居…千鶴…と、申します。」
「鴨居…千鶴さん。…千の鶴で…、いいのかな~~。」
増々緊張しながら千鶴、
「あっ。はい。」
稜平、持っているバッグを葉子に。葉子、父のバッグを胸に。
稜平、本を見て、
「嬉しいですね~~。新刊です。これ。表紙の裏で…、いいかな…???」
千鶴、
「はい。ありがとうございます。」
ふぅ~~と、一息吐いて。
稜平、サイン、書き終えて、
「はい。できた~~。」
女性の前に。
千鶴、丁寧に頭を下げて、
「ありがとうございます。一生の宝物です。」
始終、ポーカーフェイスの葉子。
千鶴。本を抱き締めながら、
「こちらになります。」
ガラス張りのドアをノックして、
「失礼します。先生、選先生、いらっしゃいました。」
パソコンの画面を見ていた宮越耀司、
「おほ~~。いやいやいや。お待ちしておりました~~。かっかかかか。」
椅子から立ち上がり笑顔で、
「いやいやいや。いらっしゃ~~い。」
そして千鶴が持っている本を見て、
「おっと~~。しっかりと、ゲットしたか~~サイン~~。ん~~~???」
千鶴、感無量の顔で、
「はい。しっかりと…。」
そして宮越に向かって、Vサイン。
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,123. 天春廿楽のスマホに一通のメールが…。
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。