尚登、日比谷を見て、
「いやいやいや。それにしても日比谷部長、凄いっすね~~。元警視庁捜査第二課の刑事さん。びっくりですよ~~。」
そんな尚登に日比谷頭をチョコンと、
「いえいえいえ。私の、今、出来る事をやっているだけで…。ただ、先ほども申したように…。正式には、認められない。」
「…ですけどね~~。…でも、僕たちの力じゃ、あそこまで踏み込んだ…って、どうしても…。」
「けど…。」
葉子。
「また…、振り出しに…。」
一同、
ん~~~。」
尚登、日比谷に、
「…でも、日比谷部長、日比谷部長は自身は、僕らより先に…、川峯取締役も、北取締役も…。」
日比谷、その声に、
「えぇ…。今回の件とは何も…。」
「でも、凄い捜査力ですよね~~。いつの間に…。」
「それは、それは…。」
日比谷、阿刀田にニッコリと、
「俗に言う、企業秘密と…、言う事で…。」
その声に尚登、顔をグシャリとさせて、
「すみません。つまんない事を、聞いちゃいましたね。」
杏樹、手の打ちどころもないと言う顔で、
「…でも、これで…。ホテルの社員としては…。今のところ…。」
「えぇ…。今のところ…です。」
葉子。
日比谷、そんな葉子を見て、
「うん…???」
海江田、
「ふん。まっ、確かに。今のところ…。部長。」
「その通り。粘るしか、ないでしょう~~。必ず、どこかに…。」
日比谷、
「それに…、中には、きっと、痛い腹を探られたくない…。むしろ、ひょっとしたら、今の状況に、何かしら、仕掛けた本人が、怯えている…なんて、事も、あったり、なかったり、してるんじゃないかしら…。」
都沢、コクリと、
「そうっすね~~。」
そして日比谷、
「では、私は、この辺で、仕事に戻ります。美海さんには私の方からも報告しておくから。」
紫と海江田、
「ありがとうございます。」
海江田、
「それじゃあ、僕らも…。」
そして一同、ロビーに。
ロビーに着くなり日比谷、
「ふふ。」
紫、日比谷の笑みに、
「部長…???」
日比谷、紫に、
「ふん…???あ~~。うん。さすがに…。メディアのメの字もないわね~~。正に、ホテルのロビー。長谷部、さすがだわ。」
その声に紫、笑顔で、
「えぇ~~。はい。」
「あら、鈴村さん、長谷部の事。」
「えぇ、存じております。」
「そっ。」
そして日比谷、
「じゃ、私は、このまま。また、あなたたちとは別行動になっちゃうから…。待たせている車、あるから…。」
紫、顔を傾げて、
「待たせている車…。」
尚登、フロントから出てきて、
「事故処理は済んで、渋滞も解消されたようです。」
そこにひとりの女性、そしてひとりの男性。客らしいひとりの男性と共に。
尚登、その女性に、
「お疲れ様です。」
女性も、
「お疲れ様です。」
男性、
「お疲れ様です。」
ホテルで開催されるイベントの打ち合わせで総務部長の光浦と添川である。
尚登、添川の腰をバンと。
「添川部長、が~~んばってるじゃないっすか~~。」
添川、いきなり腰を叩かれ、
「痛~~た~。」
耐えるのが辛そうに添川、
「常務~~。」
尚登に右手で腰を、左手の平を前に、
「勘弁してくださいよ~~。痛い~~。」
一同、クスクスと笑いながら…。
杏樹も、光浦に、
「光浦部長、お疲れ様です。イベント、盛り上がると良いですね。」
そんな杏樹に光浦、ニコニコと両手をブンブンと前後に振りながら、
「当然です。今や、エガミフーズさん、とにかく人気上昇中ですから、このイベントで更に更に。頑張っちゃいます。はい。」
光浦と添川と一緒にいる男性が、一同に挨拶をして、
「エガミコーポレーションの広報担当の藤波(ふじなみ)と申します。みなさんも是非イベントに参加なさってくださいませ。ようやくチラシが完成しまして…。」
それぞれにチラシを配りながら…。そして、それぞれもお辞儀をして…。
日比谷、
「じゃあ、私はこれで…。」
日比谷はエントランスに。
フロントの女性がトレイにコーヒーを。
尚登、遠く見える日比谷の背中に、
「日比谷部長、コーヒー。」
そんな尚登に後ろ向きに右手を高く。
尚登、
「行っちまったか。」
杏樹、4人にソファに落ち着くように。
光浦と添川が客を見送ってまたロビーに。
葉子、
「すみません、ちょっとお手洗い。」
すると都沢も、
「あっと、俺も…。ごめん。」
海江田と紫、
「あっ、うん。」
「うん。」
光浦と添川、杏樹と尚登に、伺いを…。
そして、杏樹も尚登も、顔を左右に振り…。
光浦と添川、同時に、頷いて、
「そうですか~~。」
そして、その場を離れる。
一度、フロントに寄り何かしら話し合い…。
数分後、トイレから葉子。
エレベーター待ちの光浦と添川。
壁に掛けられた大きな絵。
後ろから、
「デカッ。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,115. 「私の、今、出来る事をやっているだけで…。」
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庄司紗千 花笠音頭
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。