「ふ~~ん。…まっ、とにかく、今は、その…、川峯取締役と宮越弁護士。そして、北取締役。一度も会ってないから…、資料だけでは何とも…。」
こちらはカフェ匡子のカウンターでビールを飲みながらの獏。
「そうですよね~~。」
頷く葉子。
「それにしても、その…、宮越弁護士…。まさか扶桑の顧問弁護士もやっていたとは、驚いたね~~。」
腕組みしながら獏。
「おっきな法律事務所なんでしょ、その…、何だっけ…???堀蔵法律事務所…???」
匡子。
「うん。」
獏と葉子、ふたり同時に。
その声に思わず右側を見る秀美と輪湖。
そんなふたりを見て匡子、思わず、
「ぷっ。」
獏、キョトンとして、
「ふん…???」
匡子の視線を追い駆けて左隣を…。そして、
「えっ…???」
すると今度は葉子が、右左を見て、
「へっ…???」
そして、秀美と輪湖に、少し両眉を歪ませて、
「何…???」
咄嗟に秀美と輪湖、顔を小刻みに左右に揺らして、
「いえいえ。」
「全然。」
思わず可笑しがる匡子、クスクスと口に左手の甲を。
その顔を見て葉子、
「えっ…???匡子さんまで…、一体…何…???」
そして葉子、今度は右隣りの海江田を見て、
「課長…???」
その声に獏、いきなり、
「はい…???」
思わず身体を右に引くように、
「いやいやいや。俺…。いや…、僕…、何も言ってませんけど…。」
匡子の隣でキョトンとしている佐武郎。
佐武郎にも葉子、
「…何…???サブちゃん。」
驚いたように佐武郎、目をパチクリとさせて、両手の平を前に、そして振る。
「堀蔵法律事務所…。都内では、大手ですよね~~。」
秀美、自分のスマホで検索した画像を見て。
「その中で、その…、宮越弁護士…。シニアパートナーかぁ。凄いんですね。」
葉子、その声にも、
「うん。」
そして、
「共同経営者。」
輪湖はその声に、
「えっ…???…そうなの…???」
そして輪湖、顔を前に、
「ねね、課長~~。」
匡子も獏を見て…。
獏、
「うん…???あぁ。弁護士の…シニアパートナー。…まっ、確かに。大手だったらね~~。しかも、首都圏で…、弁護士が数十人もいて…。ましてや…仮に、数百人規模の法律事務所なら、当然。上がシニアパートナーで、下がパラリーガル。そして…、真ん中は、アソシエイト。ただ、事務所の所長はいるけど…。その下で、同じように事務所を共に運営している人が、シニアパートナー。」
輪湖、その話を聞いて、
「へぇ~~。そうなんだ~~。全く分かんないや私には…。さすがだね~~。聖帝大学~~。しかも…、ふたりも…。」
その声に獏、
「えっ…???…って事は…、鮎川さんも…、聖帝…???…わお。」
「わぁ~~。」
いきなり匡子、
「凄~~い。んじゃ、ヨウちゃんと同じじゃな~~い。」
「…って言うか、課長~~。葉子が聖帝大って…、知ってたんですか…???」
思わず輪湖。
葉子、その声に海江田を見て、目をキョトンと…。
咄嗟に獏、顔を傾げて、
「あ、あ~~。う…うん。まぁ…。こっち来て、鳩崎部長から、その事は…。」
すぐさま輪湖、
「はは~~~ん。な~~るほど。さっすが。財務の要、選葉子、ここにあり。…ってね~~。入社の時から凄かったから、人気が…。」
秀美もその声に、
「わ~~お。えっ…???…ところで…、海江田課長って…、大学は~~???」
その声に輪湖、秀美を見て
「ニッシッシッシッ。聞いて驚くな~~。課長、なんと、帰国子女だよ。帰国子女。」
途端に秀美、輪湖を見て、
「うっそ。凄~~い。」
「子供の頃からロンドンで生活してて、日本に帰ってきて、すぐに大学受験。しかも、あの、鳳星大学入学だよ、鳳星大学~~。」
「凄~~い、一流大学~~。」
そこまで言って秀美、目をキョロキョロとさせて、
「え゛~~~???…日本に帰ってきて、すぐに大学受験。いやいやいや。有り得ないんですけど…。」
輪湖、
「その、有り得ない事を…、やってのけちゃったって訳。海江田課長は~~。…だから、入社一年目で、いきなりシカゴ~~。」
秀美、いきなり目を真ん丸にして顔をほんのり紅くして、
「す~~ご~~。」
そんな秀美を見て何かしら微笑む佐武郎。
「とにかく…。誰…???…そして、何の目的があって…???」
葉子。そして、
「ホテルキャッスル・チャイナ。代表取締役社長。CEOの天佑(チンヨウ)。そして秘書の林杏(リンシン)。会長の…、天浩(チンハオ)。」
その声に海江田、葉子に、
「へぇ~~。凄いや。ホテルキャッスル・チャイナ…。会長の名前まで…。」
葉子、咄嗟に海江田を見て、
「あ、あ~~。えぇ~~。いえ…。これは私の…父から…。」
こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~ vol,093. 「まさか扶桑の顧問弁護士もやっていたとは…。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千「おふろ月夜」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋