義母が亡くなった時はロックダウンだった為、豪州に住む夫の兄が葬儀にも来れなかったが、今回の訪問で形見分けも終わり、後は義母が残してきた兄の思い出の写真や品々を兄がどうするかだけである。
義父母と血の繋がりのある女の子がうちの娘だけなので、義母は自らどれを継承したいのかを、うちの夫にだけは早い段階から告げていた。
また私にはどれとどれを受け継いで欲しいのかも、数年前に夫に告げていた。
それ以外は孫と嫁が何をどう選ぼうとも良いと言っていた。
今回、その貴金属箱から好きなものを好きなだけ取って行けと兄に伝えたが、兄は「嫁はべつに欲しくない」と言ったという。
ただ、結婚前に嫁が一度だけ義母にプレゼントを送ってきた事がある。
誕生日でも母の日でもない時に、まだ彼女だった嫁が「似合うとピンと来たから買った」と送ってきた。
私は忘れもしないが、10数年前に義父母の家に行った歳、義母が絶対に好まないとすぐに分かる、ミナミの帝王の萬田はんがしていそうな金のブレスレットを手首にしていた事があり、「どないしたん?」と聞いたら、「例の彼女が送ってきた」と言い、「行為に感謝はせなあかんから、今日だけ着けたら2度とせん」と言ったのであった。
以来、二度と見ていない。
それから兄は結婚して彼女から嫁となり、初めてイギリスに来た時も義母は手首には着けなかった。
義母はジュエリーボックスにいれたのだと思っていたが見つからない。
今回嫁がそれを返して欲しいと言った。
嫁は「お母さんは死ぬまで着けていたはず」だと言ったが、私が見たのは一度きり、後にも先にも見ていない。
嫁は「病院で亡くなった時にナースが盗ったのではないか?病院に聞いてくれ」とオーストラリアから指示を出してきた。
しかし、それはない。
そもそも手に着けてはいなかったし、義母がしていたオメガの時計も返却されている。
アホかと思う発言である。
私は義兄に「見たことがない」と言った。
義兄も「着けてなかったんやろな」と納得したように言った。
昨日も今日も嫁は「探せ探せ」と言ってくるのを、義兄がなだめている。
義母の人柄からして、ゴミ箱に捨てるとは考えにくいが、さてどこへ行ったのか。
Source: イギリス毒舌日記