ドキドキ  「まだまだ…。遠くの方に、ちっちゃな…、光みたいなものが…、見え隠れ…、しているような感じ…。なんだけど…。ある意味の、感触ってやつがね~~。」
海江田。

その声に都沢、
「ほんとっすね~~。」

紫、シートに深く身体を…、
「ふ~~ん。ちっちゃな…光かぁ~~。」

ホテルに着いた4人。今度はロビーで阿刀田が出迎え。

4人がそれぞれ、
「阿刀田常務~~。」

尚登、4人の前に。
「お待ちしておりました。どうぞ。」

4人、口々に、
「ありがとうございます。」

尚登、そのままフロントの女性に手で合図して…。
女性、コクリと、そして受話器を持って。

尚登、エレベーターに4人を…。そして、
「そろそろ、いらっしゃるんじゃないかと…。」

エレベーターに乗り込む4人。ドアが閉まる。

「…でも…、驚きましたか、さすがに…。僕の生まれが中国だって。」

4人、いきなりのその言葉に、
「え…???えぇ…。」

「当然です。私が日本に来たのが、中学の時。こっちの中学に編入して…。こっちに来る前に、日本語、猛勉強して…。母親から教わって…。」

4人、
「おかあさん…。」

「えぇ…。母がバイリンガルで、中国語と日本語、両方出来るんです。父が日本人。両親、それぞれがホテルの仕事に従事してたんです。」

海江田、
「へぇ~~。」

「…で、結局は、そんな両親の背中を追い駆けて、僕もいつしか、ホテルの仕事に。…っていう訳で…。」

紫、
「常務の…お父さんは…???」

その声に尚登、
「東京に、春麗宮(しゅんれいぐう)ホテルってあるんですけど…。」

海江田と葉子、
「えぇ…。知ってます。」

…の瞬間、海江田と葉子、いきなり目を真ん丸に顔を見合わせて…。

都沢と紫、
「おっと~~。」
「葉子、知ってるんだ~~。」

尚登、
「おや…。」
そしてニッコリと、
「海江田さんと選さんは、ご存じでしたか…。」

海江田と葉子、
「え、え~~。」

尚登、思い出すように、
「両親、そこで働いていたんです。」

海江田、目をパチクリと、
「働いて…いた…???」

「えぇ。…でも、今は…。ふたりとも…、この世にはいませんが…。」

いきなり4人、阿刀田を…。

「父の自殺と、母の病死です。僕が大学生の頃に…。」

また4人、
「えっ…???」

「ホテル側のある…、闇の部分を追及して…。それが切っ掛けで父は、追い込まれた。…そして、どうする事もできなくなり、部屋で…。その影響で母も、その後、2年で…。心臓に負担を…。」

海江田、
「そぅ…だったんですか~~。…で…???…そのホテルの闇の部分って…???」

「ホテルオーナー側の、ある種の政治的、汚職みたいな…もんですかね。」

「…と、言う事は…、賄賂や…、献金…みたいな…???」
今度は葉子。

その声に尚登、
「えぇ…。」

そして、ドアが開く。

尚登4人に、手を差し伸べて…。
「どうぞ…。」

案内された部屋は、社長室である。

尚登、ドアをノックして…。ドアを開けて、
「失礼します。」
部屋の中に。
「お連れ…しました。」

中で待っていたのが、社長の美琴。そして専務の杏樹。

4人、ふたりに一礼をして。

美琴、4人に、手を差し伸べて、
「どうぞ、お座りになって。」

4人、それぞれがソファに。
「失礼します。」

美琴、立ったままで、
「今回の事で、みなさまには多大なご迷惑を…。誠に申し訳ございません。」
深々と頭を下げて…。

いきり海江田と紫、ソファから立ち上がり、
「いえいえ、そんな…。とんでも…。」

すると今度は杏樹も尚登も頭を下げて、
「申し訳ありません。」

今度は都沢と葉子、
「専務。それに常務。」

美琴、
「今回の事で、私共、ホテルとしても、いろいろと…手を打ちたいとは…。…でも…、天春社長の指示で…。」

海江田、
「ウチの…社長の…???」

美琴も杏樹も、
「えぇ…。」

杏樹、
「天春社長からは、私共には、全く落ち度も何もない。今の状態を更に、お客様の事だけを考えて…。動くのはこっちの方に任せてと…。」

その声に海江田、2度ほどゆっくりと頷く。

紫、そんな海江田に、
「課長…。」

「うん。まぁ…、社長の事だから…。自分の方に非がない限り、絶対に屈しない、そんな人だから…。」

美琴、その海江田の声に、コクリと頷き、
「えぇ…。お蔭様で…、この、横浜トランキルマンヘブンズホテルも、何とか、多くのお客様に愛されるように…。」

海江田、ニッコリと、
「えぇ。鶴来社長、その通りです。」

葉子、そして都沢、紫、頷く。

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,084.   「遠くの方に、ちっちゃな…、光みたいなもの…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋