ドキドキ その日の夜、匡子の店で…。いつもの面々。

海江田、隣に座っている葉子に、
「お疲れさまでした。」

葉子、
「お疲れさまでした。」

「どぅ…???…疲れたでしょ、いつもとは違う業務で…。」

そんな海江田に葉子、口を真一文字に…、そして目を丸く、
「ふ~~ん。それなりに…、かも…。」

輪湖、そんな葉子に、
「しっかし、タフだよね~~。葉子~~。帰って早々、どこまで行ってる~~だもんね~~。…でも、残念ながら、収穫はないってね~~。」

その声に海江田、
「おやおや。はは、頼もしい…。まさか…、それで自宅に帰って、バタンキュー…なんて…。」
そして、海江田、
「ん~~。確かに。収穫は…、なし。」

葉子はサワ―を一口飲んで、
「帰ったら、バタンキュ~~???…さぁ~~。どぅかな~~。」
けれども葉子、
「課長。」
海江田の顔は見ずに…。

海江田、葉子に、
「ん~~~???」

葉子、まっすぐ前を見て…。そして、匡子を見る。

匡子、そんな葉子に、
「うん…???」

葉子、匡子を見ながら…、
「私…、仕事に戻って…。」
そして隣の秀美を見て、
「秀美ちゃんを見て思ったんです。」

海江田、
「ふん。」

秀美は、
「えっ…???…私…???」

葉子、秀美を見ながら、
「うん。」
そして今度はグラスを見て、
「新入社員…。まっ、誰でもそうなんだけど~~。入社の前に…、面接ってあるよね。って…。」

輪湖、
「うん。当然。」
こちらもサワ―を飲んで…。

海江田、
「うん。もちろん、そう…、なるけど…。それが…、何か…???」

葉子、ポツリと、
「履歴書。」

海江田も、そして輪湖、虎一郎も、
「履歴書…???」

3人が葉子を…。僅かに数秒…、葉子を見て…。

すると秀美、
「あっ、そっか。社員たちの過去のデータ。」

虎一郎、
「社員たちの過去のデータ…って…???…それを、何をどぅ…???」

「うん。」
葉子。
「万に一でも…、それでヒットしたら…。…なんだ…、けど~~。」

輪湖、
「なんだ、けど~~って、何が、どぅ…???」

瞬間、秀美、
「ぷっ。」

輪湖を見て笑いながら、
「輪湖先輩、虎一郎さんと同じ事…。」

その声に輪湖、
「へっ…???」
チラリと虎一郎を見て、
「えっ…???…あ~~ん、もぅ~~。」
そして、虎一郎に顔をグシャリとさせて…。

虎一郎、そんな輪湖に、こちらも顔をぷ~たれたように…。
「何だよ…???」

匡子、
「履歴書…。…でも、ヨウちゃん…???」

海江田、腕組みして、
「履歴書…。ふん、確かに。社員の過去の…。」

「なんだけど~~。通常…、会社同士でもないから~~。他の会社の履歴書。つまりは…、それこそ、個人の情報、他の企業に、勝手に教えるなんて…、現代社会では犯罪になっちゃうよね~~。」

そこでまた秀美。
そして今度は海江田も、
「あっ。な~~るほど~~。」

海江田、
「それを、ホテルにお願いしよう…。」

葉子、頭をコクリと。
「私たちじゃ、それこそ、ホテル側の社員たちの個人情報なんて…。逆に言えば、情報漏洩。それよりも何も、ホテル側から拒絶されるのが目に見えてる。」

海江田、
「ん~~~。何かしら、ヒットしてくれるキーワード、もしくは、M&Aに近しいコンテンツ…。」

葉子、海江田に、
「課長…。久留巳専務に…。」

すると海江田、ビールを一口。
「ん~~。お願い出来ない…、事もない…けど…。もし、それをお願いしたとして…。向こうさんの…、反応が…。…逆に…、そこまで、こちらを信用出来ない…???…と。…そんな風に…。」

瞬間、輪湖、
「あ~~ん、そ~~っか~~。そういう場合も…。」

けれども、葉子、キッパリと。
「あらゆる情報を…、模索。そして、常に共有して行かないと…。現在は完璧に手探り状態。どんな小さな情報と言えど。それに…、可能性が低かろうと…。」
葉子、真っすぐ前を見て。まるで、目の前の匡子に言っているように。

瞬間、匡子、目をパチクリさせて、
「ヨウ…ちゃん…。」

そんな葉子を見て輪湖、
「葉子…。」

匡子、獏を見て、
「獏~~~。」

「ふ~~~ん。」
獏、頭を傾げて、
「今は。そんな甘い事、言ってられる状況じゃ~、ありませんよ。ってね~~。乗っ取られるかも…知れない。」
そしてまた頭を傾げて…、
「はいはい。申し、伝えましょう~~。久留巳専務に。…そして…、秘書の…、東風さんにも…。」
そう言いながらも獏、頭の中で、
「…まただ。なんだか…、ナンシーと話をしているような…。ナンシーも、今はそんな状況じゃない。そんな女性、だったなぁ~~。ふ~~~ん。」

輪湖、海江田に向かって、
「ありがとうございます。」

葉子、隣の海江田に、唇を搾って、目を丸く…。

海江田、笑顔で、
「はいはい。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,078.   「秀美ちゃんを見て思ったんです。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋