職場の近くに新しくカフェが出来た。
それは3年前にオープンするはずが、コロナや内装工事の著しい遅れで10月末になった。
オープンする3週間前にオーブンが入り、そのオーブンでちゃんとケーキやスコーンが焼けるか練習が始まり、連日私の勤める店にも「これ、どうぞ」と、マフィンやキャロットケーキがお裾分けされる日が続いた。

オープン全日、近隣のお店に招待状が配られ、「明日のオープンに向け、飲み物提供の研修を兼ねて飲み物を無料でお渡しします。どうかお越し下さい。」とあった。
早速、うちの職場のスタッフも空いてる時間にカフェに行った。

ショーケースにはマフィンやらブラウニーやらが並び、それを担当するスタッフが3人いた。
が、飲み物を受けとる場が長蛇の列をなしていた。
私の前にいた人がエスプレッソを頼んだらしく、明らかにカフェで飲み物を作りなれている女性スタッフが、明らかに新人さんだと思うスタッフに「マニュアルみよか?」と言い、黒いファイルを開き、エスプレッソのページを探し、それを見ながら「え~と…1杯、2杯…」と数えながらコーヒーを入れ、10分ほどでエスプレッソが出来た。

嘘やん…マジの研修やん…
私はモカを頼んだ。
ベテランが「さっき作ったん覚えてる?」と新人に聞いた。
新人はファイルを開きモカのMを探した。
「え~と…チョコレートは…」と指で追いながらマニュアル手順に沿って作られていくモカ。
12分ほど待ち、出来上がったモカを私に手渡しながら新人さんが「すいません、LサイズをオーダーされましたがS に出来上がりました」と言った。
分量を倍にするのを忘れたらしい。
しゃーない。
その為の研修である。

しかし、コーヒー類はまだ早い方である。
同僚が、このクソ寒い時期にミックスベリーフラペチーノを頼んだ。
これには新人さんが完全にパニくり、黒いファイルにフラペチーノがなく、夏用ドリンクが掲載されてある赤いファイルにあるから「しばらくお待ち下さい」と言い、ファイルと冷凍ミックスベリーを裏から持ってきて、それから作り始めたので、それに25分ほどかかった。

明日のオープンを控え、そのカフェには明らかにオーナーかまたは、その系列店経営者らしき偉いさんに見える、体にピッタリ張り付いたスーツと足先がどえらい尖った革靴を履いたスリムなオッサンがいた。
オッサンは訪れる私達に愛想が良く、スタッフの動きを見ている様子であった。

私は思った。
オッサンは何も見えてへんのか?と。
既に出来ているマフィンやスコーンは、客のオーダーが入ったら皿に乗せるだけである。
そんな暇なポジションに3人も配置し、コーヒーやら飲み物を作る人が厳密に一人である。
しかもオープン全日から研修開始という、恐ろしい準備期間の短さゆえに、この長蛇の列である。
せめてお持ち帰りコーヒーのオーダーが入ったならば、プラスチックカップを用意してやるなどのヘルプは無いのか、それがチームワークちゃうんかと畑違いの私がそう思い、ピチピチスーツはそう思ってはいない様子であった。
私の仕事はコーヒーやない、なんぼ客がげんなりして待ち呆けていても、手伝いませんよ、だって私はマフィンを皿に入れる人やからね‼️と、こういう事であろうか…

昨日、私の友人がその新しいカフェに行った。
私は、あのカフェのコーヒーの出来上がりが最低10-15分待たなアカンとわざわざメールもしなかったので、友人は知らずに行った。
友人から「今まだコーヒー待ってます。客は私一人です。12分経過」とメールが来た。
結局、17分かかった。
友人は、あそこでコーヒー買ったら休憩時間終わってまうわ!と怒っていた。
しかも手間取ったのか、ぬるかった。

私は思う。
来年の春頃には、多分あの新人さんも慣れてきて、コーヒーが早く作れるようになっているんやないかと。
であるから、来年の春頃にまた行こうと思う。
それもこれも、全ては段取りの悪さのせいである。
これで飲食店が成り立つ不思議がイギリスである。
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Source: イギリス毒舌日記