ドキドキ 漠、
「匡姉ぇ、今、俺の言ったような事と同じような経験、2度あるんだ。」

その話しに左武郎、目を真ん丸に。そして匡子を…。

そんな左武郎を見て匡子、チョコンと顔を傾げて…。
「まっ、昔の事だけどねぇ〜〜。」
そして匡子、
「結婚を約束して、しかも…、その、結婚式の日取りも決めての、数ヶ月前に、相手の男性が事故で死亡。そんな事が、2度も…。」
佐武郎を見て、
「そんな事、続いたら、2度ある事は3度ある。」

「…てんで…、それ以来、結婚恐怖症…。」
漠。

匡子、
「あの頃は、マジで、落ち込んだねぇ〜〜。なんで私ばっか…。」

「家にひとりにさせられない。何しでかすか分かんねぇから、暫くは俺の家でって、親父。」
「さすがに、あの頃は荒んでた。毎日朝から酒。兄貴に隠れてまでも飲んでたからねぇ〜〜。」

「…で、その頃、付き合い始めた親父とお袋。そのお袋に激怒されて、一喝。目が覚めたと…。」

匡子、笑いながら、
「かっかかか。取っ組み合いの喧嘩だったからねぇ〜〜。鏡花さんと。何々、初めて会った人と、いきなり喧嘩するぅ、普通〜〜???…しかも鏡花さん…、滅茶苦茶強いから、堪ったもんじゃない。悔しかったら掛かってきな〜〜〜。…だもんねぇ〜〜。いやはや。」
匡子、腕組みして、
「いや…。でも…、あれがなかったら…、私…、ダメだったね~~。」

獏、
「まっ。俺の生まれる前の出来事。何度か親父やお袋に聞かされた。おまえの叔母ちゃんは、今でこそ、自分の店を持って経営してるけど、昔は酷かったって…。」

匡子、
「酷かったって…。まぁ…、否定は…しないけどね~~。…でも、まぁ…、あれ以来、結婚なんて、懲り懲り。」
そして匡子、
「そんな訳で…。気が付いてみれば…。まっ、もぅおばさんです。」
下唇をビロンと…。

そして、僅かの沈黙。

匡子、
「そっか~~。獏に…、そんな事があったんだ~~。」

獏、
「あ~~。さすがに俺も、あの頃は、落ち込んだね~~。まっ、同僚からの励ましで、なんとか…。」

匡子、
「うんうん。…で、今は…、ひとり…。」

「そんな訳でね~~。」
「…で…???…もしかしたら…、また…シカゴに…???」

その声に獏、がっしりと顔を傾げて、
「ん~~???…どう…だろ…???…なんとか、向こうの方は、条件を満たして、こっちに帰ってきたような…。…まぁ…。こっちで、営業の役職、任せられちゃったから…。」

匡子、
「あっ。そっか~~。うんうんうん。新課長だもんね~~。じゃあ、こっちで、骨をうずめるって…。ことに…。」

「なる…の…、かな~~???…分かんないけどね~~。」
「ひょっとして、またどっかに…???…でも、その時には、誰か、いい人と…一緒に…???…かな~~~???」

「まっ。その時は…、その時…なんじゃない…???」

思わず匡子、
「おや…。じゃ、満更でもなさそうな…。」

そんな匡子の表情に、
「いや…。まぁ…、でも、どうなるかは…、全然分かんないし…。」

「ん~~。まぁ…ね~。」
「とにかく…、向こうの女性はかなりオープンだったから…。」

その声に匡子、
「かかかかか。仕事は出来る。しかも…マスクもいい。獏ちゃん、条件…、整ってるもんね~~。」

「オープンな上に、フレンドリー。ただ、仕事も出来るから、凄い。そして、プライベートもね~~。」

「凄いよね~~。さすがはアメリカ~~。」
その時、一瞬ではあったが、匡子の脳裏に浮かんだ女性の顔…。

「それはそうと…。」
獏。

匡子、
「うん。」

「さっきの3人。」

「うん。選葉子と館城輪湖。そして佐賀美虎一郎。その中の選葉子。あの人のおかあさん、選由香里って言うんだけど、ここの店の看板。どんな風にしようかな~~って、思って、雑誌を見てたら、ひょっこりグラフィックデザイナーが載ってたの。…でも、お店の看板にグラフィックデザイナーって…。…と、思ったんだけど~。連絡してみたら一発OK。」
そして匡子、笑いながら、
「お蔭様で…。」
玄関の看板の方に顎をクィッと。
「素敵な看板で、お客様もお気に入り。それからだよね~~。由香里さんとは付き合い、長い。…んだけど~~。今じゃ、彼女、在宅で…。…で、その代わりと…、言っちゃあ変なんだけど~~。その娘の葉子、ヨウちゃんが、なんと、偶然にも近くの百貨店に社員になっちゃった。…で、ここの常連になっちゃったと、言う訳~~。しかも、輪湖と虎一郎もセットで。」

「あの3人…、同期って…。」
「うんうんうん。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,028.   「今、俺の言ったような事と同じような経験、2度あるんだ。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋