ドキドキ 「いやいやいや。アメリカ支部でシカゴ支店。そして、営業コンサルティング事業部マネージャーで、35歳って…。」
輪湖、
「何それ…???…どういうキャリアよ。」

葉子はただ目を真ん丸く、そして口を尖らせて、
「ふ~~ん~~。凄いんだ。まっ。でも…、私たちには関係ないけどね~~。」
と、のほほん顔。

そんな葉子を見て虎一郎、
「いやいや。あのさ、葉子~~、そんな…のほほんと…。俺の身にもなってみろよ。」

「へっ…???何よそれ…???…だ~~って、別に財務企画部の私たちには…。ねぇ、輪湖~~。」

いきなり振られて輪湖、
「かかかかか。まっ、その通り。いや。だって、財務企画部にも、今度、新人、入ってくるし~~。」

虎一郎、いきなり般若のような顔で、
「うそ…。何も聞いてないけど…。」

「聞いてる訳ないじゃん。そもそも、上の人の肝いりな話なんだもん…。」
葉子。
「ただ、ある筋からの情報だと水面下で…。ねっ、輪湖~~。」

そんな輪湖も、数回頷いて、
「ふんふん。そんな感じ~~。何やら、来月からって…。あ~~。コイチ~~。これ、シークレットだからね~~。バラしたら、同期、断絶~~。あんたの事、徹底的に、無視するからね~~。」

「え゛~~~。そりゃねぇだろ~~。」
顔をグンニャリとさせながらの虎一郎、
「…ったくよ~~。」

葉子、
「ふふん。」

確かに、佐賀美虎一郎、仕事は出来る。
勤続8年のベテラン社員でもある…が…。現在の営業推進部、その…社員と言えば、
20数名の内、男性社員10数名、女性社員が5名。その他は派遣社員で成り立っている。
しかも、その5名の女性社員と言えば、既に既婚者が3名。
そして20代前半の2名。常にコンビのおふたり。
そして、まず男子を取り込もうと言う素振りは一切見せない。

また、男子社員と言えば、その殆どが40代、50代が占め、20代がわずかに5名程、
しかも、その20代も前半。大学卒業2年目と言う風に、
30歳の虎一郎とは、言わずもがな、距離感がある。

その為に、何か理由を付けては財務企画部の葉子と輪湖の所に顔を出している。

部署内ではその3人に何かと視線を向けるのでは…、あるが、
営業成績もトップクラスの虎一郎、
そして財務企画の仕事も葉子の力量がないと大ダメージが発生すると言う意味もあり、
常日頃から暗黙の了解となっていたのだった。

財務企画部に戻りながら輪湖と葉子、
「海江田漠、どんな人物…???」
「ふ~~ん、さ~~てね~~。」

そして、その2日後…。

営業推進部、部長の鳩崎重光(はとざきしげみつ)に伴われてのひとりの男性。
部署内の社員たち、全員注目。

そして、その男性を見た途端に、女性社員たちがいきなり湧き上がる。
「え~~~~っ!!!」
「きゃ~~~っ!!!」
「凄~~~~っ!!!」

しかも、男子社員たちも、
「う、うそだろ…。」
「マジかよ。」
「いやいやいやいや。」

鳩崎の隣りで社員全員に軽く会釈をする男性。

鳩崎、
「あ~~~。みんなも知っているとは思うが、前課長の入山守(いりやままもる)の異動に伴い、新しく我が営業推進部の課長として就任となった…、え~~~。」
鳩崎、僅かに男性側に体を傾けて、男性に右手を差し伸べて、
「名前は…、ご自身で…かな…???」
そして鳩崎、ニッコリと…。

その声に男性、笑顔で、
「はい。分かりました。」
鳩崎に軽く会釈を。そして、背筋を伸ばして、両腕を前に、両手だけ僅かに組んで、ペコリと頭を。
「え~~。初めまして、シカゴ支店、営業コンサルティング事業部から、こちらの営業促進部に移りました、海江田獏(かいえだばく)と申します。お見知りおきの程を。」
また一礼をして…。

鳩崎、
「え~~。海江田君はこれまで、シカゴ支店、営業コンサルティング事業部で仕事をしてきている中で大きな実績を上げている。その評価もあって、この度、我が百貨店扶桑日本本社に招かれた…と、言う事だ。みんな、増々持ち上げてくれ~~。」

虎一郎、
「な~~んか、やっべぇ~~。」

そして、周りの男子社員の小さな声、
「…全く、俺たちとじゃ釣り合わない。」
「カミさん見たら、一目惚れするぜ、こいつは~~。」
「いやいやいや。これで平均年齢、一気に下がったわな~~。」

女子社員は両手を胸に、
「かっこ良過ぎ~~。」
「なんか、涙、出てくる~~。」
「凄いよ、凄いよ、35歳~~。」

口を尖らせて、虎一郎、
「まっ、こういう事に…、なる訳か。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,012.   「シカゴ支店、営業コンサルティング事業部」

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

《PR》
庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」

※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。

アメーバ

Source: THMIS mama “お洒落の小部屋