ドキドキ 「な~~んてね。」
輪湖、ニッコリと、
「そんな事したら、私と葉子、匡子(くにこ)さんから、ここ、出入り禁止にされちゃう。」

その声にカウンターの中の女性、
「オ~~ッホッホッ。その通り~~。」
そして、
「な~~んてね。ハイ、どうぞ~~。」

虎一郎の隣に輪湖、そしてその隣に葉子。

輪湖、
「どうせ、お昼の話の続き、聞かせろって魂胆で、待ち伏せしてたんでしょ。」

いきなり虎一郎、
「いや。待ち伏せって言うのはひでぇよな~~。」
グラスの中のビールを一口。
「元々は葉子から言い掛けて…。そしたら、昼休み、終わりだって…。」

そんな虎一郎の声に女性、
「あら、ヨウちゃん、どんな話…???」

女性に葉子、輪湖を見て、
「ふん。輪湖がスカウトされたって話~~。」

輪湖はその声に顔を傾げて。

女性、
「わ~~お、輪湖~~。凄いじゃん、スカウトなんて~~。」

輪湖、すぐさま、
「へっへっへ~~。」

「な~~んだけど~~。何かしら…、迷っているようで~~。」
葉子。

女性、
「あら。」

後ろ向きで料理をしていた男性店員、振り向いて虎一郎のグラスを…。

虎一郎、
「おっと、サンキュ、サブちゃん。」

サブと言われた男性、笑顔で…。

女性、
「何々…???輪湖~~。スカウトされたって~~。何処の人~~???…当然、芸能プロ。」

その声に輪湖、
「うん。まっ、ひょっとしたら、匡子さんなら、知ってるかも…知れない。匡子さん、顔…広いから~~。」

この、匡子と呼ばれた女性、カフェ匡子(くにこ)の店長。
名前を平塚匡子(ひらつかくにこ)年齢45歳。
そしてサブちゃんと呼ばれた男性は掛井佐武郎(かけいさぶろう)、
このカフェ匡子の店員。そして凡そのメニューにプラス、独自性のメニューを作れる。
しかも、客の顔と雰囲気で客の食べたいものが分かるという青年でもある。年齢は25歳。
子供の頃から料理好きで大学時代もレストランのバイト。
そのバイトが切っ掛けで匡子に見初められ、大学卒業後に匡子の店に。
何処かしらワイルドさがあるが性格は温厚。…と言うより、それ以上に口数が少ない、
寡黙な男性である。
ただ、匡子もそうだが、かなりの情報通。

輪湖、バッグからスカウトされた人物の名刺を出して、
「こういう…事務所の人。」

匡子、輪湖から名刺を受け取って、
「芸能総合プロダクション・サファイア。プロモーション広報部、沙月乃旭(さつきのあきら)」
名刺の名前を口にしながら…。
「ん~~???…あんまり…聞かない芸能プロダクション。」
そして、虎一郎にビールを差し出した佐武郎に、
「サブちゃん、分かる~~???」

佐武郎、黒いユニホーム、そして両脇に手を…。
首を傾げて匡子の持っている名刺を…。そして、口を尖らせて…。
すると…、目をキョロキョロとさせて、すぐさまカウンターから出てマガジンラックに。
そしてある雑誌を取り出してページをペラペラと…。
そして、またカウンターの中に入って匡子にそのページを…。

すると匡子、表情を明らめて、
「へぇ~~~。そっか~~。これ~~。だったら私、分かるはずないわ~~。」

その声に虎一郎も輪湖も葉子も、
「えっ…???」

匡子、
「新しく出来た芸能プロダクション。だから、今、盛んに、新人発掘って言う奴かな~~。ほら、これ。」
そのままのページをふたりの前に差し出して。

そのページを見て輪湖と葉子、
「あ、ホントだ。」
「へぇ~~。…って言うか、社長が…女性なんだ~~。」

「しかも、美人で若っ。」
輪湖の隣りで虎一郎スマホで検索した芸能総合プロダクション・サファイアのホームページを見て。

いきなり輪湖と葉子、虎一郎を呆然と…。

そんな虎一郎、ふたりに顔を向けて思わず困ったような顔で、
「あ…、ははははは…。」

輪湖、どうしようもない声で、
「あんたねぇ~~。」

そんな輪湖と虎一郎を見て匡子、
「ふふふ。」

「奇麗な女性を見ると、すぐそれなんだから~~。」

匡子、にっこりと、
「いいじゃな~~い、コイチっちゃん、素直だよ~~。奇麗な女性は奇麗だって~~。ねぇ。」

「だめだめ。そんな風に褒めると余計図に乗るから。」
雑誌の写真を見て葉子。
「浮気性はいつまで経っても浮気性。治らないんだわ。」

「あらあら。これは手厳しい…。」

「でも、なんだか、見た限りでは、凄いよね。…って、へぇ~~。この人…、大学時代から映画監督目指して、そのまま渡米してハリウッドでも映画関係、そして日本に来て芸能プロダクションを立ち上げた…。」
葉子、淡々と…。

輪湖、いきなり、
「うそ…。」

こんな私です。~選葉子(すぐりようこ)~   vol,006.   「ここ、出入り禁止にされちゃう。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋