ドキドキ その声に和奏、そして栞奈、蒼介も、ニッコリと、
「うん。」

そして蒼介、
「とうさんもやだ。」

「私も…、やだ。」
和奏、

「私だって、やだよ。」
ニッコリと理沙を見て栞奈。
「今の状態が止まってしまうのって、物凄い悲しいし、寂しい。なんのために今まで…。」

その声に理沙、自然に頭をコクリ。

和奏、
「それ以上に、あなたの将来を見てみたい。」

理沙、
「えっ…???」

「蒲原教授の言葉。…かあさん、この言葉にはさすがに、心から泣けた。感謝で仕方がなかった。今までやってきて良かった~~って、こころからそう感じた。ありがたかった~~。」
そして和奏、理沙を見て、
「理沙の将来を見てみたいって人が…、見てみたいって人が大学にいるなんて…。もぅ~~。感謝でしかないも~~ん。」
そして和奏、テーブルを回って、理沙の両手を掴んで、
「このままで、このままの状態で、まだまだ続けるの。続いて行くの。とうさんもかあさんも、お姉ぇも、理沙の将来、見てみたい。お願い、見させて。理沙は、もっともっと、上に行く。行ける子なの。そして、それには今が絶対条件。何も変わって欲しくない。」

理沙、そんな母に、
「おかあさん。」
そして前を見れば、父の微笑んでいる顔。
「おとうさん。」

そして父は頷く。

そして姉の顔、
「お姉ぇ。」

栞奈、
「うん。…だって、家族だもん。私の大事な妹だもん。私は…、信じてる。」

理沙、
「信じてる。…あっ。そういえば、将輝もそう言ってた。もっと、もっと、強くなれるって…。俺、信じてるからって…。弓狩監督を見ていて…、そう思うって…。」

そして…、月曜日の朝、杏美のスマホにライン。

杏美、
「おっと、理沙。ん~~???」
そして…、
「あはっ。」
ニッコリと、
「うんうん。」
杏美、すぐさま理沙に電話。

理沙、スマホ画面をスワイプして、
「は~~い。」

杏美、開口一番、
「友よ、頑張れ~~。かかかか。」

理沙、その声に、
「うん。分かった。」

この夏休みの間、去年と同様に…。ただ、今回は菅田家と馨、
そして久しぶりに名城の元バレー部の面々も加わっての瑞樹家でのバーベキュー。
去年とは倍以上の人数で盛り上がった。

そして、瞬く間に夏は過ぎた。学校が始まり2学期突入。
けれども理沙は、部活に将輝と馨が出ていないにしろ、部活の見学。
弓狩との関係は今まで通り。そして、鴻上バスケのスピードは今も変わらず。
鴻上の1年の部員からは理沙、思いがけずに、憧れる存在にも…。

そんな光景を見て弓狩、笑顔で、
「よろしいのでは…、ないですか~~。うん。」

そして理沙、変わらないのはリハビリと通院。
夏休み前に駒田や夏希、そして凪ら看護師たちにも、
大学からのオファでそちらに進む事を報告されて絶賛されていた。
みな、涙ながらに喜んでくれた。

「良かった~~~。うんうんうん。」

そして、看護師ひとりひとりとハグ。

そして…、こちらと言えば男子。
将輝と馨は、理沙と杏美、そして栞奈にまで叱られながらの受験勉強。
日曜日は特に、バスケの練習が終わっても、瑞樹家のリビングで受験勉強、
その見張り役が麗亜。

疲れて眠っている将輝に麗亜、
「お兄ちゃん。もぅ~~。」

そんな麗亜と将輝を見て、和奏、
「ふふふ。」

時には、分からない問題があると、
「理沙~~~。」

すると廊下から、
「何々…???」
栞奈。

将輝、
「おっと、ナイス。」
そして、
「ここ…なんですけど…。」

栞奈、
「ふん…???あ~~。」

そして時には…。ソファで麗亜もうとうとと…。
しかも、テーブルでも馨と将輝もうとうとと…。

喉の渇きを潤しに来た理沙、馨と将輝の後ろから、
ふたりの頭を、右手で、パシン。パシン。しかも、強く。

ふたり同時に、
「痛っ。」
「痛ってぇ~~。」

麗亜、いきなり、
「わっ。寝てた。かかかか。」

9月の終わり頃になると、今度は一樹。放課後のオンラインで、
「たまには、学校、来てみないか~~。ははは、校長先生も教頭先生も瑞樹に会いたがっている。」

そして、蒼介の仕事の予定を見て、3人で名城高校に。

坂崎や室越からは、
「順応天大学、良かった~~。」
「なんとも、喜ばしい事で…。ありがたい限り。」

蒼介も和奏もそんなふたりに丁寧にお辞儀をして…。

そして…、10月。この頃から変わった光景がまたひとつ。
日曜日の夕方、将輝と麗亜が帰ったその後に、瑞樹家に高級バンが1台。

玄関のチャイム。

和奏、
「あ、は~~い。」

画面には、
「こんちわ~~。」

和奏、
「えっ…???丈師さん…???あ、開いてますからどうぞ~~。」

蒼介も理沙も、
「へっ…???珍しい~~。」

玄関に出る和奏。

すると玄関で丈師、
「いつもどうも~~~。」

そして和奏の顔を見て、ニッコリと、
「へへ。」

信じて…良かった。   vol.236.   「とうさんもかあさんも、お姉ぇも、理沙の将来、見てみたい。」

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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。アメーバ
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋