小野倉、通話を切って、
「いやいやいや。監督、とんでもない事、考えてんな~~。」
そして小野倉、椅子の上で腕組みをして、
「…けど、彼女なら、もしかしたら…。…かかかか。くくくく。…なんともな~~。人の縁。凄ぇなこりゃ。」
けれども、ふと頭を傾げて、
「…なんで、西條先輩から俺に…、連絡来たんだ…???よぉ~~。久しぶりって…。はて…???」
そして…。
卒業式を終えての数日後、
理沙から麗亜の名城高校合格の知らせに瑞樹家に集まる杏美たち。
麗亜と流美、将輝、そして馨も呼んでの瑞樹家での麗亜の合格祝い。
馨、照れながらも、
「まさか、俺まで呼ばれるなんて…。」
杏美、
「かかかか。いいじゃないの~~。ねぇ~~。」
麻理絵たちに。
麻理絵、
「うんうんうん。まっ、家庭教師以来だね~~。」
芙美、
「それはいいんだけど、ふたりとも、あれから勉強の方は~~???」
その瞬間、将輝と馨に全員視線が集中。
途端に将輝と馨、目を真ん丸く…。
馨、
「あ、あ~は~。は、はい。」
そして将輝と顔を合わせて。
「あ~~~~。」
麻理絵、そんなふたりを見てすぐさま睨みつける。そして腕組みして、
「4月から、高3なのよ~~。これから進路~~っ!!!」
そして女子はまたふたりを睨む。
その睨みに小さくなる将輝と馨。
凡そ、2秒。
そして女子は睨みから一気に笑顔に変わって。
「な~~んてね。」
麻理絵。
雅美、
「かかかかか。そぅそぅ。」
芙美、
「そんな簡単には、行かないよ~~。」
杏美、
「でも、まっ、とにかく、これから、頑張るっきゃないけどね~~。かかかか、今日は麗亜ちゃんの合格祝いなんだから~~。」
麗亜、深く頭を下げて、
「ありがとうございます。」
そしてキッチンから和奏と流美、
「はいはい。」
「出来ましたよ~~。」
杏美、
「あっ、私、手伝います~~。」
すると麻理絵も芙美も雅美も、
「あっ、私も~~。」
そして、それぞれ飲み物を持って、麗亜に再び、
「合格おめでとう~~。」
合格パーティが賑やかに始まった。
その後、蒼介と栞奈も帰宅して加わり増々賑やかになる。
そんな折り、馨が、
「さて…と。」
何やらバッグから黒っぽいボードのような物を。
杏美、瞬間、
「わっ。馨君、それ~~。」
それぞれが馨の持ち出したものに、
「凄~~い。」
女子一同。
蒼介も和奏も流美も、
「へぇ~~~。アイパッド。」
麻理絵と芙美、
「うんうんうん。」
将輝、
「おま、凄ぇもの、持ってんな~~。」
馨、
「俺は、今、これで動画を見てる。」
理沙、
「わ~~お。恵ちゃんの持っているのと同じ感じ~~。」
その声に杏美たち、
「恵ちゃん…???」
「あ~~。鴻上のバスケのマネージャー。涼香さんの後輩~~。」
その声にまた女子、、
「へぇ~~。」
すると女子たちは、馨のそのアイパッドに夢中。見る動画はやはりバスケ。
そして、やがては、その動画は将輝と馨、理沙だけになり、
杏美や麻理絵たちは麗亜を取り囲むように名城高校の話に…。
大人たちは大人たちでテーブルに移動。杏美たちは麗亜にあれこれと…。
そんな時に、麗亜が、
「あのね。」
と…。その声に杏美たちが注目。
理沙と将輝、馨は、動画に夢中。
時々理沙、
「わお。凄~~い。」
麗亜、杏美たちにこそこそと。そして口に人差し指を立てて…。
麗亜の話を聞きながら、杏美、そして麻理絵と芙美、雅美が目を真ん丸く、
けれども声には出さずに、口をすぼめながら…。そして4人、共に、2回程の頷き。
その5人たちを大人たちも話に夢中で見てはいない。
杏美、顔を繕いながらも、
「へぇ~~。そうなんだ~~。」
麻理絵と芙美も、
「な~~るほどね~~。」
雅美は、
「かかかか。そっか、そっか~~。」
その声に理沙、将輝、馨、いきなり麗亜達5人に視線を…。
「ふん…???」
杏美、理沙を見て、
「あっ、うんうんうん。ほら、麗亜ちゃん、櫻美園、受けたでしょ。その話~~。」
理沙、
「あ~~、うん。難関校だよね~~。」
その声に雅美、思わず、
「ぷっ。」
その時、芙美、
「あっ、そうだ。」
いきなり立ち上がり、バッグからスマホを。
「ねね、麗亜ちゃん、ライン。」
その声に杏美も麻理絵も雅美も、
「あ。私も~~。」
それぞれが立ち上がる。
その景色に蒼介、
「おぅ~。かかかかか。うんうん。いいねぇ~~。」
理沙もその光景に、
「あは。うん。」
そしてまたそれぞれがスマホを持ちながら麗亜の傍に…。
信じて…良かった。 vol.210. 卒業式を終えての数日後…。
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