ドキドキ 和奏、続ける。
「仮に。仮にだよ。」

理沙、母親の顔を見て、
「……。」

将輝も、
「……。」

和奏、
「将輝君が、その子の事、好きになってしまった。そんな将輝君から、これからも車椅子バスケ、続けて行ける…???…将輝君の気持ち。そして心…、ある意味、その子に行っちゃってるんだよ。それに。」

まだ理沙、母親の声に、
「……。」

「それにだよ。理沙、この事って、多分、女の子なんだから、理沙、アズちゃんたちに話しちゃう…、かも知れない。」

理沙、ここで初めて、
「あっ。」

和奏、
「アズちゃんたち、どう思うんだろ。おかあさん、その事、凄く心配。」
和奏、理沙に言い聞かせるように。
「あん~~なに、将輝君と理沙の事、思ってくれてるのに~~。」

理沙、母の顔を見て、
「お…、かぁ…さん。」

和奏、すると、爪楊枝でリンゴを。そして口に。
一個食べて、
「あ~~。腹立ってきた。」
立て続けにまたリンゴを口に。

理沙、また、
「お…、かぁ…さん。」

ツンとしている和奏を見て、将輝、
「あ、あのぉ~。僕…、この辺で…。」

その声に和奏、将輝にニッコリと、
「あっ。うん。ありがと。うんうん。気を付けてね~~。」

理沙、右眉を歪めながら、将輝に、口をグニャリと。

将輝、真っすぐに壁を向いて口をモゴモゴしている和奏に、
自分に振り向かれないように、理沙を睨みつけて、右拳で空を殴るように、頭の中で、
「…おまえだろ、おばさん怒らせたの。」

そんな将輝に理沙、思いっきりのしかめっ面で…、
こちらも、小さく右拳を招き猫のように…。

将輝、玄関でスニーカーを履いて、そして引き戸を。瞬間、
「うぉ~~~。」
いきなり自動で開く引き戸。

「わ~~~~。びっくりした~~~。かかかか、将輝君~~。かかか、お疲れ~~。」

栞奈である。

「練習終わったか…。うん。今の時間。」
栞奈、腕時計を見て。

そんな栞奈に将輝、歌舞伎の見得のような顔に、口元に右人差し指を立てて…。

栞奈、そんな将輝を見て、
「はっ…???」
そして、
「どうしたの…???…なんで、そんな顔…???」

将輝、栞奈にペコリと頭を…。
そして玄関の自転車に手を。
栞奈に、
「お邪魔しました~~。」

栞奈、
「あ~~、うん。気を付けてね~~。」
栞奈、けれども、顔を傾げて、
「はっ…???…何か…あった…???」

将輝、ヘルメットを被って、自転車を跨いで、小さな声で、
「うそだろ。なんでこんなことになんの…???」

栞奈、玄関の中に、
「ただいま~~。」

リビングの方から理沙と母親の声がする。

栞奈、リビングに、
「はい、ただいま~~。今、玄関でいきなり将輝君と会った~~。ふん。練習、終りね~~。」

理沙、
「お姉ぇ。」
口を尖らせて理沙。

和奏、
「はい、お姉ぇ、おかえり~~。」

栞奈、理沙の顔を見て、
「かかかか。あんた、なに、ぷ~~たれた顔してんのよ…???…って言うか、将輝君、どしたのあれ…???」
そして栞奈、顔を歌舞伎の見得のような顔にして、口に人差し指をして。

その顔を見て理沙、思わず、口を両手で塞いで、
「ぷっ。」

和奏、
「あ~~ぁあ。」

栞奈、
「はっ…???」

「つまりは、こういう事~~。」
和奏、腕を組んで、
「将輝君、今ね。将輝君に付き合って欲しい女の子、出来たんだって。」

瞬間、栞奈、目を真ん丸く、
「へっ…!!!」

「つまり、将輝君を好きだって女の子出来た。」

「わ~~お~。」
口を大きく栞奈。そして、
「ねねねねね。」
いきなりバッグをテーブルに、そしてソファに座っている母親の隣に座る栞奈、
「…で…???…誰…???誰、誰、誰、誰…???」

理沙、途端に、頭を傾げて、
「…いや…。誰って言われると…。」
母親の顔を見て、
「…その子の事は…、知っている…。…と、言うか…、遠くから…見た、だけで…。まっ、おかあさんだって…。」

その声に栞奈、
「へっ…???かあさんも…、知ってるの…???」

和奏、いきなり般若のような顔で、
「えっ…???うそ…???そうなの…???」

理沙、母に、
「ほら。前に、体育館の2階に。」

和奏、目だけ上に、キョロキョロと。
「あ~~。」

「あの時の…、3人の内のひとり~~。」

思わず和奏、
「へぇ~~~。そう…なんだ~~。」
2度頷いて…。けれどもすぐさま和奏、理沙を見て、
「おっと。それは、そうだけど~~。」
和奏、自然に右手を上げて、右膝にペン。

栞奈、
「いやいやいや。だから~~。何がどうなってる~~???」

信じて…良かった。   vol.205.   和奏、続ける。「仮に。仮にだよ。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋