車椅子が女子の集合体と合流する。
その光景に涼香、将輝と馨に、
「あんたたち。」
その声に将輝も馨も、首を左に、
「あっ。」
将輝と馨、鴻上の集まりからするすると。
杏美と麻理絵、
「あ、来た来た。」
一樹、
「お~~~。」
将輝、馨、照れながら、
「ども。」
その瞬間、理沙と麗亜を除いた名城女子たち一斉に、
将輝と馨目掛けて両手を下から上に、
「イェ~~~イ。」
そして拍手。
「ははは、勝った、勝った~~。」
麗亜、
「あはっ。」
流美も丈師も、
「はは。」
「うんうん。」
蒼介と一樹、同時に、
「…でも、大変だったな~~。ファール~~。」
瞬間、蒼介と一樹、顔を見合わせて、
「えっ…???」
「あっ…。はははは。」
「…でも、凄いよ。しっかりとあの後、立て直すんだもん。」
理沙。
和奏も、
「うんうん。」
馨、恥ずかしそうに、
「前に…。」
頭を撫でて…。
「ファールで散々やられて、痛い思いした試合、あったんです。」
和奏、
「うんうん。涼香さんから聞いた。」
理沙、
「あっ、そうだったんだ~~。監督はただ、面白いものが見れますよって。」
丈師、
「へぇ~~。さすが弓狩監督、言う事が違いますね~~。」
弓狩、ひとりの男性と硬く握手をして涼香にチョコンと顔を…。そして、理沙たちの方に…。
涼香も弓狩の後ろを…。
その時、数メートル離れた通路から、右手を振って、
「お~~い。」
そして、理沙たちの方に歩を進める2人の姿。
理沙、その姿を見つけた瞬間、
「あは。小野倉さ~~ん。かか、横峯さんもいる~~。」
和奏、ニッコリと会釈を…。
将輝もふたりに腰を低く前屈みに…。
弓狩も後ろを振り向いて、小さな声で、
「お~~~。はははは。」
そんな弓狩に涼香、不思議そうに、その男女を見て、
「監督、知ってらっしゃるんですか…???」
そんな涼香に弓狩、
「ん~~???ふふふふ。」
そんな弓狩を見つけて小野倉、まずは小野倉に近づき、握手。
「監督、ご無沙汰しております。」
「おぅ。元気そうだな。」
「お蔭様で…。」
弓狩、小野倉の右肩を左手で撫でながら。涼香に、
「こちら、障害者総合スポーツセンターの小野倉君。小野倉淳(おのくらじゅん)君。センター長だ。」
その声に涼香、
「えっ…???…あっ、じゃあ~~、理沙さんの…。」
弓狩、
「おぅ。」
涼香、いきなり目の前の男性にお辞儀をして、
「こんにちは、初めまして、鴻上高校男子バスケ部のマネージャーさせて頂いてます。由岐涼香(ゆうきすずか)と申します。」
小野倉、目の前の女性に、名刺を…、そこまで行って、
「あっ。」
いきなり頭を撫でて、
「かかかか、高校生に…名刺は…。」
申し訳なさそうに…。
弓狩、そんな小野倉を、
「かかかか。あぁ。意味ねぇな。」
理沙は既に邑とハイタッチをして、和奏と会話をしている。
弓狩、
「それより。」
小野倉、
「えぇ。」
弓狩、涼香、そして小野倉も理沙の集団に。
歩きながら小野倉、車椅子の理沙に目掛けて、
いきなり体をグンニャリとさせながらオチャラケに。
そんな小野倉を見て理沙、思わず笑い転げるように、手を叩きながら、
「かかかか、小野倉さ~~ん。」
そんな小野倉を見ての弓狩、ほくそ笑みながら、
「ふふ。」
杏美と麻理絵、
「ねね、理沙~~。」
右斜め後ろに顔を向けての理沙、
「えっ…???あ~~。」
その瞬間、杏美と麻理絵に、将輝、
「理沙さんが土曜日に通っている障害者総合スポーツセンターの小野倉(おのくら)さんと…。」
そして邑を見て、
「横峯邑(よこみねゆう)さん。」
女子たち、
「あ~~~。」
数回頷いて…。
一樹、
「へぇ~~~。あ、いや…。将輝君、良く知ってるねぇ~~。」
理沙、
「や~~だ、先生~~。障害者総合スポーツセンター、勧めてくれたの、監督~~。」
弓狩、女子たちに挨拶して、
「今日はどうも、ありがとう。」
杏美たち、ニッコリと、
「勝利、おめでとうございま~~す。」
涼香も、ニッコリと、
「ありがとう~。」
一樹、
「あっ。そっか、そっか、その流れで将輝君。そぅか、そぅか、前に瑞樹に聞いてたの忘れてた。かかかか。…あっ、いや…。でも、お会いするのは…。」
そんな男性を見て小野倉、
「こんにちは、北区十条台の障害者総合スポーツセンターの小野倉と申します。」
男性に名刺を渡して。そして初めて見る男女にも。
丈師、流美、
「ありがとうございます。」
信じて…良かった。 vol.157. 名城女子たち一斉に、将輝と馨目掛けて…。
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庄司紗千 「雫音〜shizukune〜」
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。