そして、名城高校2学期の中間試験、その結果。
パソコンの画面で一樹、
「瑞樹には、郵送で結果を送っておいたから、届いたら見るように。」
理沙、
「はい。」
和奏、玄関の郵便受けから…。
「ふんふん。」
そして理沙の部屋に向かって、
「理沙〜〜。学校から〜〜。」
その声に理沙、
「わっ。」
すかさず部屋から出てきてリビングに。
そしてテーブルの上の郵便物を見て、自分の名前の…。
和奏、
「何…???」
その声に理沙、
「あ〜〜、うん。うん。なんでもない。」
「な〜んでもないは、ないでしょう〜〜。学校からなんだから〜〜。」
理沙、そんな母に後ろを向いて舌をチロリ、そのまま部屋に…。
そして机に…。封筒の封を…。中の…、そして開いて、目を…。
すると理沙、思わず、力を失い、頭をガックリと。
「ふぅ〜〜〜。」
和奏、エプロンのままで理沙の部屋に、
「理沙〜〜。なに、どうしたの〜〜。学校から〜〜。何〜〜???」
すると顔を机の上に伏せたままで…。
和奏、
「何…???…どうしたの、机に項垂れたようになんて〜〜。」
理沙そのままの状態で右手に持っていた紙を後ろ向きに差し出す。
和奏、顔を傾げて、
「ふん。」
その紙を手で、そして、
「これって…、2学期の中間試験の…。」
左から数字を…。
「えっ…???…へぇ〜〜。ほぅ〜〜。かかかかか。は〜〜っはっはっは〜〜。さすがは我が娘。なんとか乗り切ったね〜〜。何々、平均点より、いいじゃな〜〜い。かかかか。2か月遅れてヤバイかな〜〜って思って、おとうさんと心配してたけど、うんうんうん。まずまず。バスケに夢中になり過ぎて…。けど、バスケも今のあなたには原動力だもんね〜〜。」
そして和奏、理沙の頭を撫でて、
「良くやった。」
理沙、母親に顔を上げて、
「あははははは〜〜。なんとか…ねぇ〜〜。ふぅ〜〜。」
その3日後、こちらでは…。
「え〜〜〜〜。」
ガックリとして頭を項垂れての将輝。
馨は馨で、
「や〜べぇ〜〜。なんとか、スレスレ〜〜。」
和奏と理沙、いつも通りに病院に。そして整形外科のナースステーション。
看護師の須美と理沙、ハイタッチ、
「イェ〜〜イ、元気〜〜。」
理沙、
「あの、須美さん、今日、倉前師長と高崎主任は〜???」
そんな理沙に和奏、ニッコリと。
須美、
「あ〜〜。」
カルテを見ていた公美、
「うん。主任も師長も今、巡視で回ってる〜〜。」
理沙、
「ふ〜〜ん。」
そして理沙、須美に、
「倉前師長って、横峯邑さんって知らないかな〜〜???」
公美、
「横峯邑…???」
その時、廊下に見えた夏希と凪。ナースステーションにいるふたりを見て、
歩きながらお辞儀を。
和奏もふたりを見てお辞儀を。
凪、
「理沙さん、来たね〜〜。うん。こんにちは。」
理沙、元気に、
「こんにちは〜〜。ねね、高崎主任〜〜。」
凪、
「ん〜〜???」
「横峯邑さんって、知ってますか〜〜???」
その声に凪、いきなり夏希を見て…。
夏希、目をパチクリさせて、
「えっ…???…理沙さん、どうしてその名前…???」
理沙、
「うん。実は、障害者スポーツセンターの事務に、元看護婦の横峯邑さんって人がいて〜〜。その人が〜〜、元、ここの看護婦って…。」
瞬間、夏希も凪も、
「え―――――――っ!!!」
公美、
「師長も主任も、知ってるんですか〜〜???」
夏希、
「かかかか。知っているも何も、ず〜〜っと前の、ここの師長だよ〜〜。」
凪も、
「うんうんうん。師長も私も、そりゃ鍛えられましたから〜〜。…総師長になれる。まで行ったんだけど…、その前に妊娠しちゃって〜〜。」
理沙、
「薬師丸ひろ子似〜〜。」
凪、
「うんうんうん。似てる似てる。だから患者さんにも人気で〜〜。」
夏希、
「へぇ〜〜。横峯さん、今、障害者スポーツセンター。」
理沙、
「はい。事務の仕事をしながら…何ていったかな…。救護…の仕事…???」
夏希頷きながら、
「あ〜〜。うんうんうん。あるある、そういう仕事。」
そして夏希、
「そっか〜〜。じゃ、子供たち、大きくなったから、仕事復帰したんだ〜〜。」
「うんうんうん。センター長も、そういう話、してた。」
凪、
「理沙さん、横峯さんによろしく言ってくれる〜〜。」
理沙、その声にニッコリと、
「はい。分かりました。」
そして和奏、
「あ、で、倉前さん。」
夏希、
「あ、はい。」
「駒田先生から言われて。」
「あ〜〜、はい。」
駒田、MRI画像を見ながら、
「そっか〜〜、そっか〜〜。横峯さん、障害者スポーツセンターかぁ。へぇ〜〜え〜〜。かかかか。」
信じて…良かった。 vol.121. 名城高校2学期の中間試験、その結果。
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