5月、娘のレジデンシャルと呼ばれる林間学校みたいなのがある。
去年同様1週間行くので、一番大きなスーツケースに寝袋、枕、バスタオル、衣類は10枚セットなどを詰めていく。
今年も通常用スニーカーと水の中で履く用の泥が染まっても大丈夫なスニーカー2足が要るとあった。
クロックスやビーサンは禁止。
泥が染まっても大丈夫なスニーカー‥ないわ、そんなん…

という事で、イギリスで安い衣類=プライマークである。
滅多に行く事が無いから、スニーカーなんか売ってんのか‥と半信半疑で娘を連れて行くと、めっちゃあった。
しかも破格に安い。
思わずマジマジ眺める。
しかし安いわ〜え?ほんまに?これ10ポンド?と娘に言いながら、ナイキのロゴがないだけで、見た目ナイキやん‥と思うスニーカーがズラリある。
ものは試しに履いてみると、足首のサポートが悪いだけで、後はメーカーものと履き心地は変わらん。
生地は勿論安モンであるが、半年ごとにサイズが変わる子供なら、ここの靴でもエエんちゃうかと思ってしまう。
娘の気に入ったスニーカーと短パンを買い帰宅。

私が今の会社に入って8年以上が経過したが、入社して3年頃に受ける研修が「人権」についてである。
この研修は世界のどの有名ブランドが人権侵害の元で作られ成り立っているか、奴隷同然で働く子供から大人達の現状、その利益、人権侵害なく物を作り売った場合の値段などを学ぶ研修である。

知られているのはウイグル地区だと思うが、研修で見せられた潜入捜査による実態の写真は見るに苦しい。
1日10円の給与での過酷労働、これがあるから先進国の我々には有り難すぎる激安量販店が成立つ。
見れば非売と叫びたくなるが、結局私だって泥が染まっても大丈夫なスニーカーを買いに行く一人である。

研修で受けた、最低限の人権を守ればこの値段で国を超え、高額な家賃の立地で市場に出回るはずの無い値段だと分かっているはずなのにである。
この激安量販店がオープンした当初は新聞で人権を騒がれたが、安いなら買う。
それが現実である。

軽く娘に実態を話した。
だから安いのか‥と言ったが、「非売運動したって無駄やな。あれだけ全てが安かったら、行く人がいなくなる事無いもん」と言った。
そう、その通りである。
複雑な気持ちで安いものを買う私は偽善者である、そんな気持ちになるから滅多に行かないのだと思うが…
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Source: イギリス毒舌日記