杏美、
「かかかか。馨君、や~~っぱり、目立つよね~~。」
その声に馨、
「えっ…???…そっかな…???」
「いやいやいや。だ~~って、ウチの学校には180…なんて生徒、いないも~~ん。ねぇ…。」
麻理絵も雅美も芙美も、
「うんうんうん。」
そして、やがて階段。
蒼介、
「どぅ…???」
将輝、馨を見て、
「おし。」
いきなり将輝と馨、右左、車椅子のタイヤをロックしてハンドリムを。
それと同時に理沙、いきなり浮いた車椅子に、
「わぁ。」
麻理絵たち、
「わ~~お。」
和奏、いきなり、
「かかかかか。」
蒼介、
「おっと~~。んじゃ。」
理沙の腰のあたりのフレームを両手で。
将輝、理沙に、
「行くよ。」
理沙、
「あ、えっ…???…う、うん。」
ゆっくりと階段を…。車椅子は持ち上げられながら…。
杏美と雅美、
「凄げぇ~~~。」
そして、車椅子は階段を上りきって床に。
理沙、
「び~~っくりだよ~~~。」
目を真ん丸に。
「わ~~~お。車椅子、揺れる。揺れる。」
和奏、両手を叩いて、
「かかかかか。」
蒼介、
「いやぁ~~~。さすが、若い。将輝君、馨君、ありがと。」
馨、
「いえいえ。とんでもない。こっちの方が、いつもお世話になってますから。」
芙美、
「へっ…???いつもお世話になってるって…???」
蒼介、
「あぁ、芙美ちゃん。うん。時々、将輝くん、それに馨君も、ウチにきてバスケ。…と言っても、土日の休みの時だけ、だけどね~~。お蔭で、おじさんも、バスケ…。」
その声に麻理絵たち…、顔を傾げ…。
瞬間、蒼介、周りを見て…。困った笑みを…。
「…な~~~、訳…ないよね~~。…そんな…簡単に…。」
杏美、いきなり、
「ぷっ。」
そして、
「おじさ~~~ん。」
そして、周囲が、
「かかかかか。」
蒼介、途端に小さくなって、
「しぃましぇ~~ん。」
何かしら廊下の賑やかさに、教室の入り口にいた一樹、廊下に、
「お~~~。来たか~~。」
和奏と蒼介、教室から出てきた一樹にお辞儀を…。
一樹、
「いらっしゃい。」
理沙、
「かかか。来ちゃった~~。」
一樹、
「いやいやいや。何と、良く2階まで。」
和奏、
「将輝君と馨君が…。」
一樹、目を丸く、おちょぼ口に、
「へぇ~~。さ~すが~~。うん。将輝君、にんちわ。」
将輝、
「こんにちは。」
一樹、
「君…が…。」
理沙、
「馨君。神野馨君。将輝君と同級生の。」
一樹、口を大きく、
「お~~~。はぁ~~。うんうん。聞いてる、聞いてる。さすが、身長~~、あるね~~。」
理沙、
「ひゃ~~。教室~~。久しぶり~~。」
杏美、
「2年A組は、フードショップ。どぞ~~。」
教室に入った途端に、またクラスの子たち、
「理沙~~~~っ。」
理沙、
「はは、みんな~~~。」
そして、体育館で開催されたコンテストにそれぞれが大笑いして、
外からの体育館ではブラスバンドの演奏。
麗亜、
「うんうんうん。私、好き~~。」
将輝、
「おまえは文学や芸術、音楽だもんな~~。…って言うか、おま、疲れねぇか。」
その声に麗亜、
「ううん、全然、全然。みんな優しいよ、すぐに椅子、出してくれるし。」
将輝、ニッコリと、
「うん。そっか。」
麗亜、理沙を見て、
「ねぇ~~。」
理沙も、
「うんうん。」
そして、やがて玄関。
出迎えた坂崎たち。
「良かった~~。教室まで行ったそうじゃな~~い。」
和奏、
「お蔭様で、男子たち。」
坂崎、ニッコリと、
「うんうん。ありがとう~~。」
室越、
「さすがに、若い。しかも、背が高い。羨ましい~~。」
坂崎、
「鴻上高校の…文化祭って…???」
馨、
「あぁ…。ん~~。」
少し、顔を凹ませて、
「実は、先週…、終わっちゃったんです。」
「そうでしたか~~。」
坂崎、そして、
「うんうん。とにかく、今後共に、瑞樹さん、お願いします。」
その声に馨、将輝の右肘を突っついて。
将輝、
「あ。あ~~、はい。」
坂崎、そんな男子にニコリと。
室越、
「ふん。」
蒼介、
「じゃ、じゃ~~。」
和奏、
「うん。」
理沙もみんなに、
「じゃ、みんな。」
一樹も、
「またな。オンラインで。」
理沙、
「はい。」
そして理沙、室越が用意したスロープを。
そして、それぞれが和奏と蒼介の車に。
理沙と麗亜は和奏の車。そして蒼介の車に将輝と馨。
和奏、
「麗亜ちゃん、疲れない~~???」
麗亜、その声に、
「ううん、ううん、全然。」
理沙、その声に、
「はは。楽しかったよね~~。」
「うん。」
蒼介、後部座席に、
「ふたりとも、ありがとうな~~。」
馨、
「いえいえ。こちらこそです。」
信じて…良かった。 vol.113. やがて階段。蒼介、「どぅ…???」
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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。