ドキドキ スポーツセンターから出て車の中、和奏、
「かかか。凡そ1時間半。思いっきり見ちゃったね~~。」

その声に将輝、
「えぇ。」

後部座席の理沙、両手をシートに思いっきり突っ込んで真ん中の位置に。
そして前の座席に両手を。体を引き付けて。
「ねね、センター長、小野倉さん、三代目の山下健二郎に似てなかった~~???」

その声に和奏、顔を左後ろに、
「へっ…???三代目…???」

理沙、
「うんうんうん。三代目J Soul Brothersの…、山下健二郎~~。」

その声に和奏、少し、顔を濁して、
「ん~~~。」
そして理沙の目の前で両手を合わせて、
「ゴメン。おかあさん、分かんないや。…って言うか、おかあさん、そもそも、三代目J Soul Brothers…自体、知らないんだ~~。ごめん。ほん~~とに、ごめん。ドラマに出てくる人なら、知ってるんだけどね~~。」

その話に理沙、目を閉じて頭を上に、
「あ~~~ん。そっか~~~。」

その時、将輝、
「あっ、ほんとだ~~。似てる~~。」

理沙、途端に、
「でしょ、でしょ。」

将輝、すぐさま和奏に、
「おばさん、ほら、この人。」

和奏、将輝のスマホの画面を見て、両目をキョロキョロと…。
そして口をポカ~~ンと、
「あ~~~。うんうんうん。な~~るほど~~。似てる~~。うんうんうん。」
けれども和奏、
「へっ…???将輝君、知ってるの…???…その…、三代目の…???」

間髪入れずに将輝、
「いえ。全然。」
首を振って。

瞬間、理沙、
「え゛~~~~ぇ…???」

和奏は、
「ぷっ。」

理沙、思いっきり背中をシートに、
「な~~んで誰も知らないかな~~。超有名なのに~~。って、痛った~~。」

あまりにも勢いよくシートに背中をドンとして、頭を後ろにガクン。

和奏、後ろを振り向いて、
「ちょっと、ちょっと、理沙~~~。」

理沙、
「いやいやいや。大丈夫だから~~。」

和奏、
「さて。」
車のデジタルを…。11時55分。
「お昼だ~~~。」

「あっ、私、カレーでいいや。」
「将輝君、何食べる~~~???」

その声に将輝、
「えっ…、僕ですか…???」

和奏、一旦通りに出て、そして街道に出る。
右左見て、来た道の逆方向…。
「ヨシ。何でもいいよ~~。…とは言え…。何処を…、どう…、行けば…、良いのや…ら。」

後ろから、
「あっ、おかあさん、あるあるある。ファミレス~~。」
理沙、ニコニコと。

和奏、
「ん…???ファミレス…???」

すると将輝も、
「あっ、ほんとだ。ガスク。」

和奏、
「ガスク…???」

理沙、
「うんうんうん。」

ナビを見て和奏、
「ほっ、ほっ、ほ~~。そんなに…遠くもないねぇ~~。行っちゃおうか~~。」

その15分後。店のドアを開けて…。

「いらっしゃませ~~~。」
元気な店員の声。

和奏、
「あのぅ~~。3名なんですけど~~。」

お昼時、ほぼ席は埋まっている。

店員、あちらこちら見て、
「すみま…せん…。」

その時、
「あっ、車椅子だ~~。」
と、小さな女の子。

その声にいきなり隣の母親らしい人が、その女の子の口を塞ぐように、
「いけません、そんなこと言っちゃ~~。」

その声が響いたのだろう、周囲の客も一斉に車椅子を見る。
一瞬静まり返る店内。

店員が困って、
「あっ、えっ…???」

その時、近くのテーブルの男性が立ち上がり、
「あ~~、ここ、いいですよ~~。」
と、ニッコリ。
「ほら、おめぇら、待ってるお客さんもいるんだから、行くぞ。」

その男性の前のふたりの…、20代…前半だろうか…。

「あっ、はい。すみません。」
男性。

中堅の男性。椅子からバッグを持って。そして車椅子と店員を見て、
「ここ、車椅子は大丈夫だよね。確か、表にシールが…。」

店員、その客に、
「えぇ、大丈夫です。」
そしてきっぱり、
「もちろんです。」

すると男性、笑顔で、
「うん。良かった。」
そして母親らしい人と、車椅子の女子に、手を差し伸べて、
「ささ、どうぞ、どうぞ。」

和奏、その男性に、丁寧にお辞儀をして、
「ありがとうございます。」

男性、頭を下げて、右手を前に、大袈裟に左右に振り、
「い~~~んや。全然。うんうんうん。是非、ごゆっくりと。ここ、中々、旨いですよ。かかかか。」
そして男性、さっきの女の子に。頭を撫でて、
「車椅子のお姉ちゃん、頑張ってるね~~。」

すると女の子、笑顔で、元気な声で、
「うん。」

男性、
「うんうん。そっか、そっか。」
男性、店員に向かって、
「ご馳走様。」

和奏、椅子にバッグを…。

信じて…良かった。   vol.108.   「ゴメン。おかあさん、分かんないや。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋