ドキドキ 理沙、車椅子を繰りながら、
「はは。いっきも来たかったんだって~~。」

その声に和奏、
「はは、でしょうね~~。」

将輝、ふたりに、
「あの…、いっきって…???」

理沙、
「先生の事。」

「先生…???…あぁ~~。八倉先生…。」
「うん。」

和奏、
「な~~んだかね~~。八倉一樹。」
将輝を見て、
「名前が、漢字の一と、樹木の樹。俳優に、沢村一樹って人、いるでしょ。その人に似てるから、みんなにいっきって呼ばれてるらしい。」

理沙、
「あれ…???病院で将輝君にその事、言わなかったっけ…???」

その声に将輝、怪訝そうな顔で、右手で頭の後ろを撫でて、
「あれ…???…だったっけ…???」

「確か…、アズたちがいるとき、話したような…。」
理沙、頭を傾げて、
「ふん…。」

和奏、
「先生も、忙しいんじゃない~~。幾ら土曜日が休みって言っても~~。」

理沙、
「うん。土日も、部活…、ある時はあるからね~~。」

そして和奏、自動ドアの前に。右左に広がるドア。
「行きますか。」

和奏、受付に、
「すみません。おはようございます。連絡しておいた瑞樹ですけど…。」

事務員らしい女性が、
「は~~い。おはようございます~~。お待ちくださ~~い。」

凡そ10分。ランニングするようにひとりの男性。
そして、静かに3人の前に立ち止まり一礼。
「初めまして、センター長の、小野倉淳(おのくらじゅん)と、申します。弓狩監督からお話は。」

その男性を見て理沙、いきなり、
「うそ。三代目…。」

和奏も一礼。そしてそれにつれて将輝と理沙もお辞儀を…。

和奏、
「初めまして、瑞樹と申します。弓狩監督から紹介されまして。」

小野倉、車椅子の女子を見て、
「こんにちは、おはようございます。」

理沙、少し戸惑いながらも、
「こ、こんにちは、おはようございます。」
わずかに頬を赤らめて…。

「うん。ハキハキしてる、いいねぇ~~。」
そして小野倉、車椅子の女子の左側の男子を見て、
「君が…、菅田君。」

その声に将輝、
「あっ、はい。鴻上高校の…。バスケ部の菅田将輝です。よろしくお願いします。」

「鴻上バスケのポイントガード。うん…。」

和奏、その声にニッコリと。
理沙は将輝を見上げて…。

将輝、
「あっ、はぁ~~。」

小野倉、
「よし。さっきみんな、整列して、今、ゲームしてるから…。どうぞ。」

和奏、
「あっ、はい。」
コクリと。
「お願いします。理沙、将輝君。」

将輝、
「あっ、はい。」

理沙、思わず口に両手を…。そして小さな声で、
「わお。三代目の山下健二郎ばり~~。凄~~。」

和奏と将輝が2、3歩ほど前に。
理沙はまだ両手を口に。

瞬間、和奏、将輝、理沙に振り向いて、
「えっ…???」

動こうとしない理沙。その瞬間、理沙、いきなり口から両手を外して、
「あっ。」

和奏、
「どうしたの~~。顔…赤いけど…???」

将輝も両眉を吊り上げて、
「うん…???」

そんなふたりに理沙、
「ごめん、ごめん。」
いきなり車椅子を動かして、
「うん。行こっ。」
すぐさま和奏と将輝を追い越して…。

和奏、不思議な顔で頭を傾げる。そして将輝を見て…。
将輝も左に頭を傾げて…。

そんな将輝を見て和奏、思わず、
「ぷっ。」

将輝、
「ふん…。」

そして4人、教室へと…。目に入る車椅子に乗っている男女。
3人、目を真ん丸に。

和奏、
「わぁ~~。」

将輝、
「凄ぇ~~。写真では見た事、あるけど…。」

理沙、
「うんうん。凄~~。」

車椅子を自在に操りボールを追い駆ける男女。
中にはどうしても、中学生としか見えない女子もいる。
それだけではない、中学生にも見えない男子もいる。

和奏、
「あんな小さ…そう…。」
すぐさま自分たちの目の前にいる小野倉を見て、言葉を止める和奏。

「年齢関係なく、大人も子供も一緒です。」
小野倉。

将輝、
「凄い。車椅子だけであんなに動ける。」

すぐさま理沙、
「うん。」

将輝、理沙に顔を落として、
「出来る…???」

「ん~~。やってみないと~~…。」
そして理沙、
「えっ…???」
将輝を見上げて…。

将輝、
「腕と手だけで…、凄いパス回し。車椅子で…。」

理沙、
「うん。」

将輝、小野倉に、
「すみません。じっくり、見たいんですけど、いいですか…???」

小野倉、ニッコリと、
「えぇ~~。どうぞ、どうぞ。そのためにいらっしゃってくれた訳ですから。じっくりとどうぞ。」

将輝、お辞儀して、
「ありがとうございます。」

理沙、将輝を見上げて、
「……。」

信じて…良かった。   vol.104.   「年齢関係なく、大人も子供も一緒です。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋