流美、
「はい。着いたよ〜〜。」
麗亜、
「あは、ここ、ここ。」
将輝、車の中で、遥か後ろを見て…。
麗亜、
「お兄ちゃん、降りよ〜〜。」
将輝、
「あっ、あ〜〜。」
そして3人、アプローチに入って…。
瞬間、庭に見えるバスケットコート、そしてバスケットリンクを見て将輝、目を真ん丸に、
「凄ぇ〜〜。」
その声に麗亜、
「ふふ。でっしょう〜〜。」
将輝、
「…で…、玄関まで、これ…。ねね、流美姉ぇ、これって、何だっけ…。」
流美、
「スロープよ。」
流美、玄関のチャイムを…。
すぐさま声、
「は〜〜い。いらっしゃ〜〜い。玄関、開いてますからどうぞ〜〜。」
流美、麗亜を見て、
「はい。お邪魔しま〜〜す。」
そして引き戸を開けて…。
将輝、
「へぇ〜〜。おっと、ここにも…。」
急ぎ足で和奏、
「いらっしゃ〜〜い。」
将輝、玄関に入った瞬間、
「広っ!!!」
麗亜、
「ふふ。」
流美、
「和奏さん、これ…。」
紙袋を和奏に。
和奏、
「わぁ。何、そんな〜〜。」
笑顔で、困ったように…。
「理沙〜〜〜。」
和奏に後ろに、ゆっくりと車椅子で理沙、お辞儀をして、
「こんにちは〜〜。」
流美、
「こんにちは〜〜。ごめんね、また来ちゃった。」
そんな流美の声に理沙、笑顔で、
「いやいやいや。嬉しいです。ありがとうございます。」
流美、
「今日は…。」
そして将輝の左腕を引っ張って、
「この愚図を…。」
瞬間、将輝、叔母を見て、眉を歪めて、
「愚図って…、そりゃ、ねぇだろ。」
その景色に理沙、
「ぷっ。」
和奏、ニッコリと笑顔で…。
「ささ、どうぞ、どうぞ。」
流美、麗亜、
「お邪魔、しま〜〜す。」
将輝、ボソリと、
「お邪魔…、します。」
理沙、反転して…。
将輝、家の中をグルリと見て、頭の中で、
「…すんげぇ〜〜。広ぇ〜〜。ウチなんかと、比べ付かねぇ。」
確かに菅田家は2階建ての一般住宅。庭は猫の額ほど…。
それに比べて瑞樹家は、敷地自体140坪ある。
つまりは、一般住宅の1階と2階を合わせた広さに、
車が3台程入れるガレージの広さが加わる。これが瑞樹家の敷地面積。
その敷地面積に建つ建築物。凡そ建築面積50坪に1階が40坪、2階が30坪である。
リビングのソファには蒼介と栞奈。
蒼介、
「おぅ〜〜、いらっしゃい。」
栞奈、
「こんにちは〜〜。」
流美、
「あ〜〜。瑞樹さん、しばらくです〜〜。」
蒼介、
「うん。しばらく。どぅ、クリニック、忙しい…???」
流美、
「はは、お蔭様で…。」
栞奈、
「こんにちは、麗亜ちゃん。」
麗亜、
「こんにちは〜〜。」
蒼介もニッコリと。そして、
「ヨッ、将輝君。」
将輝、目の前のふたりに、チョコンとお辞儀をしてボソリと、
「こんにちは。」
栞奈、
「あ〜〜。将輝君、バスケットボール…、もしかしたら…、持ってきた〜〜。」
蒼介、
「おっと〜〜、そうだ〜〜。将輝君、ありがとな〜〜。バスケットポール、理沙に。かかか、もぅしっかりと使ってるよ。」
将輝、
「えっ…???」
ゆっくりとソファーの傍に車椅子を寄せる理沙。
そして蒼介、庭を見て、
「どうかな…???…あんな感じにできたよ。」
将輝、その声に庭を見て、
「凄いや。うんうんうん。」
バッグを肩から外して。
「家に、バスケットコートとリンクがある。凄ぇ~~。」
蒼介、そんな将輝に左手拳に親指だけ出して、
「どぅ…???…使ってみる…???」
その声に将輝、笑顔満面な顔で、
「いいんですか~~???」
流美、
「あ、あの…、瑞樹さん。そんな…、お邪魔したばっかりで…。」
蒼介、
「かかかか。いいじゃないですか~~。あんまり、シュートが決まらなくって、リンクも寂しがってますよ。かかかか。」
そして蒼介、将輝に、
「どうぞ、どうぞ。思いっきり~~。」
栞奈も、
「うん。どうぞ~~。」
将輝、いきなり理沙を見て…。
そんな理沙、唇を尖らせて、目をキョトンとさせて。
将輝、
「じゃあ、お言葉に甘えて。」
蒼介、
「おぅ。是非。」
将輝、玄関に。そしてシューズを履いて庭に。
蒼介も、リビングからそのまま、サンダル履きで…。
栞奈、
「はは、私も行ってみよう~~っと。」
麗亜、
「じゃ、私も~~。」
松葉杖を突いて麗亜。
栞奈、
「うん。一緒に行こう~~。」
麗亜、
「はは。理沙お姉さん。」
麗亜も理沙に顔を…。
理沙、頭をチョコンと傾げながら、
「仕方…ないっか~~。」
流美、
「はは、ごめんね~~理沙さ~~ん。」
理沙、そんな流美に、笑顔で首を振って、
「いえいえ。」
信じて…良かった。 vol.078. 流美、「はい。着いたよ〜〜。」
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
《PR》
庄司紗千 きっと大丈夫
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋