そんな千晶に茉祐子、口を尖らせて、
「ほんと…。」
エレベーターのドアが閉まる。
「あっ、勇吾と瑛輔…。」
慌ただしく時間は過ぎている。
迅のところに愛耶乃。迅、愛耶乃から資料を受け取り、
「おっと~~、待ってました~~。」
そして資料に目を通し…。
愛耶乃、
「ねっ。」
迅、
「や~~りましたね~~。うんうんうん。」
資料を見ると、どれもが右肩上がりの進捗状況。
愛耶乃、
「まさか…、ここまでとは…。」
迅、
「えぇ~~。」
実は、直近のナターシャとの取材で取り上げられた…、
茉祐子から始まってのクレンジングバーム、サラサ。
そして凛花と朱莉、そして和歌葉が加わっての美白美容液のクリア・ホワイトが、
順調な売り上げで推移していたのだった。
データによると、新規の購入に加えて、リピートも多いという。
そして篠田真理とのコラボでリリースしたアイリーンは、この夏、エクレールとしては、
今までのどの製品にも増してのセールスを記録している。
迅、その結果をスタッフたちに公表。スタッフ全員歓喜。
その頃、成宮料理教室。授業はいつも通り…。
けれども、講師である薫子を見る…、特に若い女性や新婚の女性…。
授業が終了した途端に、3、4人ほど、薫子の下に。
「先生。」
「先生。」
「薫子先生。」
「成宮先生。」
そんなレッスン生に薫子、目をパチクリ。
「えっ…???えっ…???どうした…。」
間髪入れずにひとりの女性、
「先生、何かありました…???」
他の女性も、
「うんうん。」
また別の、
「何だか、今日の先生、いつにも増して、物凄い奇麗なんだけど…。」
その声に薫子、また目をパチクリと…。そして顔を傾げて…、
「えっ…???はっ…???…はぃ…???」
そして薫子、咄嗟に右手を振って、
「いえいえいえいえ。な、なにも…。いやいやいや。そんな事はないでしょう。いつも通りです。はい。」
すると女性のひとり、なにやら確信のように、
「うっそだぁ~~~。絶対に、何かあった~~。かかかか。いつもと全然、雰囲気も違うも~~ん。」
すると、また別の女性、口を真一文字に、
「もっしかっして~~。誰か、好きな男性…、できた~~、とか…???」
「こ~~ら、大人をからかわない~~。」
けれども、その一言が逆に…。また別の女性、
「…っと~~、言う事は~~。わ~~、図星~~っ!!!」
その声に薫子、いきなり顔を赤く。
女性たち、思わずガッツポーズで、
「やった~~。」
薫子、
「ちょ~~っと、ちょっと、ちょっと~~。」
そして新婚の女性が、
「はい。はい。みんな…、シ~~~~。先生に…迷惑掛けちゃう。トップシークレット~~。」
そんな女性に薫子、顔を凹ませて、
「順子ちゃ~~ん。」
順子と言われた女性、
「はい。」
薫子に敬礼して、
「私たち、静かに先生…、応援してますから…。」
その声に薫子、凹ませた顔でその女性に頭をコクリと。
「ありがと。」
そんな薫子を見てまた別の女性、いきり口に左手を…。
「わっ、ほんとなんだ。わほ。」
順子、
「だから~~。シ~~クレット~~。うんうんうん。さ、行くよ~~。」
そして薫子に左手で、
「先生、また次回。」
薫子、
「うん。また…。」
そして誰もいなくなった教室で薫子。いきなり椅子に、ドカッ。
「はぁ…。」
「どうしたの~~。いきなり体から力が抜けたように椅子にドカッと~~。」
その声に薫子、
「わっ!!!」
恵津子である。
「何やら、今の女性たち、コソコソと帰ってったけど…???」
ドアの方を見ながら…。
薫子、いきなり立ち上がり、
「いやいやいやいや。うんうんうん。何も…。全然。」
そんな薫子に恵津子、
「ふん…。それならいいけど…。何…???霧島さんと…、何かその後、進展は…???」
いきなり薫子、またまた顔を凹ませて、
「はぁ~~~~あ~~???」
そんな薫子の声に恵津子、
「あっ。いやいや。なになに、良い感じに行ってるかなぁ~~って、思ってね~~。」
薫子、般若のような顔で、
「え…、恵津子…さん…???」
キョトンとして恵津子、
「ふん…???…だって、薫子さん、霧島さんの事、好きでしょうが~~。」
薫子、思わず、
「えっ…???え~~~ぇ゛…???」
薫子と茉祐子~その愛~ vol.236. 「先生、いつにも増して、物凄い奇麗なんだけど…。」
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庄司紗千 つつじヶ丘の坂道で…。
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋