私の両親は自営業で、とにかく朝から閉店まで忙しい店を経営していた。
小学校3,4年になった頃から、お友達の誕生日パーティーに呼ばれる事が何度かあり、私はその時だけは、おうちでパーティーをしてもらえるお友達をとても羨ましく思ったりした。
お友達の誕生日に招かれたら、自転車に乗りカワイイ色んな物が売っているお店アラジンに行くため、両親からお金を貰って買いに行った。
お店の人にプレゼント用に包んで貰い、このお店のものが私も欲しいなと思いながらも、いつもプレゼント用だけに買いに来るお店だった。

そんな中、私はたった一度だけ母に「どうして、うちには誕生日プレゼントが無いのか?!」と泣いて怒って訴えた事がある。
誕生日の日、夕食は必ず豪華な誕生日メニューにしてくれた母。
誕生日ケーキもあり、食べきれない程のご馳走を店がありながら必ず用意してくれ、皆で食べた。
しかし、うちにはプレゼントという習慣が無かった。
お友達の家に行くようになり、自分はどうして無いのだろうと思ったのだと思う。

私が母に泣き怒りながらプレゼントが欲しいと訴えた時、母は黙ってそれを聞いていた。
そうして何も言わず立ち上がり店に戻った母。
私は何も言わず立ち上がった母から残され、訴えは通じなかったのだと絶望感で更に泣いた。

翌日、私の誕生日だった。
学校から帰り、店を通って自宅に入った際、テーブルにあの、アラジンで買ったプレゼント用に包装された大きな包みが置いてあった。
ああ…買いに行ってくれたんや…
嬉しさのすぐ後に私は罪悪感でいっぱいになった。
母を困らせたんや…私はお母さんを困らせてしもたんや…お店が忙しいのに、わざわざアラジンまで行ってくれたんや…申し訳ない…
そこには数千円分の小学生の私にすれば大金のプレゼントが山ほど入っていた。
申し訳無さと勿体なさで気持ちが溢れ、使う事も出来なかった。
ワガママを言って貰うプレゼントがどれ程に罪悪感を伴うか、私は今でもハッキリと覚えている。

先日、数年前から娘に「誕生日パーティーを家でやりたい」と言われながらも、ずっと「アカン」と言い続けて来た私が、小学校の最後だけはと許可した気持ちの進まぬパーティーだっただけに、娘がパーティー中に何度も何度も私に「ありがとう、こんなにしてくれてありがとう」「唯一の休みやのにありがとう」と言ったのは、まさにあの時の私と同じ気持ちだったのでは無いかと思った。

娘が何故に何度も何度も言うのだろうか‥その時は分からなかった。
数日して、ハ!!あの時の私と同じ気持ちやったんかも知れん!!と気がついた。
不思議な繰り返しだなと思う。
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Source: イギリス毒舌日記