土曜日から新たな新人さんが入った。
マネージャーから「新しい子はトランスジェンダー男子やから、そういう事で」と申し伝えを受けていた。
生まれた時は女で本人の認識する性別は男性という事になる。

今の職場に来てこの夏で7年になるが、その間にゲイの男の子も数人いたし、性同一性障害の女の子もいた。
日本は面接の時点でこれを打ち明ける人がどれくらいいるのだろうかと、イギリスで働き出してから考えるようになった。

同僚のHは髪が英語で言うところの「ジンジャー」で、高校卒業までこの髪の色で嫌がらせを受けたと語ってくれた事がある。
もう二度と学生に戻りたくない、大人になれて本当に良かったと言ったのが、とても印象に残っている。
そのHに以前、「今の日本ではどうか分からないけれど、少なくとも私がいた頃の日本だと、入社の時点で皆が自分はこういう人間ですよという事を正直に話せる環境にはなかったと思う。私と20年も歳の差のあるあなたが学生だった頃、ゲイやレズビアンの生徒達は嫌がらせを受けていたりした?それとも皆それを許容していた?」と質問した事がある。

Hは「それは無かった。それよりも、ジンジャーであるというだけで100%イジメを受けるのは当然だったし、ジンジャーヘアの子供に対するイジメは今もあると思う」と言った。
「隠す事も陰口も無かった」とHは話してくれた。

新人さんはショートカットで声もハスキーで、昭和人間しか分からないと思うが「ボヘミアン」を歌っていた葛城ユキさんを思わせる格好いい声で、レジで客に何かを言うたび、私はボヘミアンを歌いたくなってしまう。
最初マネージャーは「もしかして彼女の見た目や声に対し、物珍しい目で見る客がいるかもしれないから」と、新人さんが嫌な気持ちにならぬようにHを4時間ほど横に立たせていたが、誰一人としてチラっと見るお客様はおらず、配慮は不要だった。

私は「面接の時、いつもああしてトランスジェンダーである事は伝えるの?」と聞いた。
新人さんは「一応ね、それを不快に思う人がいるかも知れないから」との事だった。
夏に向け、新人さんは一応揃った。
後は挨拶しない子を自信に満ち溢れた子に育てるのみ・・であるが、育つかどうかは知らんとマネージャーと早くも諦めモードになりつつある。
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Source: イギリス毒舌日記