ドキドキ 凛久、茉祐子の声に、
「へぇ~。調布…。いいところですよね~~。」

茉祐子、間髪入れずに、
「ありがとうございます。調布生まれの調布育ち。」

「そっか~~。」
「僕は…神奈川、川崎に生まれて、川崎育ち。…って、言いたいけれど~~。まっ、高校まではね。それからは…。」

その時、茉祐子のお腹が、
「グ~~。」

凛久、
「えっ…???」

一気に顔を赤くする茉祐子、
「うそ…。」

そしてそれに合わせてふたりが歩いている場所が、「クレープ屋。」
自然に茉祐子の鼻をくすぐるいい匂い。

凛久、
「かっかかかか。入る…???」

茉祐子、顰めっ面に、
「あっちゃ~~。なんで…。」

「かかかか。お腹は…正直だよ。うん。」

店のイートインコーナーで…。
「すみません。付き合わせてしまったようで…。」

そんな茉祐子に凛久、
「いやいやいや。とんでもない、光栄ですよ。こんな素敵な女性と一緒。」

その声に茉祐子、むっつりとして、
「素敵なんかじゃ…ないですよ~~。」

「いやいやいや。お世辞じゃなくって…。…と言うのも、僕の場合…、今までずっと、男性社会ばっかりだったから…。」
「あっ、そっか~~。霧島さんって…、ナターシャが最初じゃなかったんですよね~。」

「そっ、フリーでやってたから…。いい記事じゃないと…、売れない。」
「ふ~~ん。」

「…で、ある時、その当時、世間で話題のファッションデザイナーの記事を書いた。それが…何とタイミングもそうだったのか…。めちゃくちゃ雑誌が売れて…。その記事に目を留めた、ある人にスカウトされた…。それが、今の鳳出版社の社長、小暮美弥(こぐれみや)。僕の母親の姉貴だ。」

その声に茉祐子、
「えっ…???霧島さんの…お母さんのお姉さん…。…って…、霧島さんの…叔母さん…???」

唇を絞って凛久、
「ふん…。…って言うか、僕の叔母が…、出版会社の社長だなんて…。名前を聞いてびっくり。」
そして笑いながら…、
「かかか。当然、向こうも僕がフリーで雑誌の編集者やってるなんて…。記事の最後の名前を見てびっくりしたらしいですけど…。」

茉祐子、クレープを食べながら、
「うんうん。そうですよね~~。」

「でも…。」
凛久、体を少しずらしながら、
「スカウトされたなんて…言っても…。なんだかんだで、フリー、辞められなくって…。ある意味…、身体が慣れてたから…。」

「あっ、そうか…。うんうん。」
「でも…、さすがに、散々、声掛けられまくって…。」
コーヒーを飲みながら凛久。

「へぇ~~。そんなに声…掛けられるなんて…、霧島さん…、凄いんだ。…でも、相手は叔母様。」

その茉祐子の声に凛久、腕組みして、
「ま~~ねぇ~~。けど…。どうなんだか~~。」

「でも、結局は…鳳出版…、ナターシャに…。」

「まぁ…。そういうことに…。あれだけ声掛けられたら…、さすがに…。」
身体を前にずらしながら凛久。そして、茉祐子の顔を見て、
「ぷっ。」

茉祐子、
「へっ…???」

そして凛久、コーヒーを飲みながら、
「付いてる…。」
自分の左口角に左中指を当てて…。

茉祐子、その瞬間、
「わっ。」

すかさず右口角に指を…。思わず赤面になる茉祐子。低い声で、
「ご…めんな…さい。」

凛久、笑いながら、そして左手を振りながら、
「いやいや。謝んなくっていいし…。」

茉祐子、何故かしら小さくなって…。

「…で、成宮さん…。この前の…。」
凛久。

茉祐子、唇を尖らせて、目をパチクリさせて、
「ふん…???」

「いい人…、いた…???」

瞬間、茉祐子、唇を真一文字に…。頭の中で、
「…わっ。」
またまた赤面になって…。
「霧島…さん…。やっぱり…あの時…。」

凛久、
「あぁ…、うん。羽田さんと、仕事帰りの食事…。」

茉祐子、頭の中で、
「…やっぱり…、そうだったんだぁ~~。とほほほ…、しっかりと…見られちゃってたじゃん。」
けれども茉祐子、キチンとして、
「霧島さん…、それって…、レディに訊くのは…少し…、失礼かと…。」

凛久、その声に…、鼻の下を伸ばして、
「これは、これは…、失礼しました。」

茉祐子、そんな凛久ににっこりと…。

薫子と茉祐子~その愛~   vol.25.   「光栄ですよ。こんな素敵な女性と一緒。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋