4年ほどうちの職場にいたアルバイトの女の子が辞めたいと言って来た。
真面目でとにかく信頼できる数少ないスタッフの1人だっただけに残念である。
理由は「自分の仕事が忙しくなって来たから」という理由を建前上は述べたが、本当の理由はずっと4年間感じていた距離感だったと言った。

彼女はエホバの証人を信仰しており、それは両親がそうだったから物心ついた時には既にそれを信仰するのが当然だった。
小学校の時にはそうでも無かったが、中学高校あたりから、はやりクリスマスを祝わない、ハロウィーンをしないという家庭環境を友人から異質なものとして見られ始めている事を決定的に感じ始める。
一方で布教活動が中心の生活の中、それだけではお金が十分に入らないのでうちの職場でバイトをしていた。

うちの職場でも、彼女がクリスマスパーティーに来ない事を本当の意味で理解している人はほとんどいなかったのではないかと思う。
「ただの食事会やと思えばエエだけやん」それが皆の意見であった。
私などキリスト教徒でもないのに、パーティーだけは行くという彼女から見れば異質そのものだったと思うが、私が「(パーティ代は会社が負担してくれるので)私の場合、タダ飯に行ってるようなもんで、皆が酔った時の様子が面白いから行ってる」と言った際、「誰が一番酒癖悪かったぁ~?」と聞いて来たりして、それで笑った事が何度かある。
そういう話で盛り上がったりしている様子を見て、同僚は「ならば来れば良いのに」と感じていたが、それは別である。

年末からのロックダウンで彼女の環境も変わり、自分が辞めたら職場が困るかとなかなか退職を申しる事が出来なかったが、大幅の人員削減の通達を知り「私を切って下さい」と言って来た。
若き店長は「自分も含めて理解出来なかった事が距離感を感じさせてしまった」と落ち込んだ。

私は、ただエホバの証人というものを私含め皆が知らなさ過ぎて、彼女を傷付けた言葉があったのかも知れないと思った。
ただそれを彼女も理解してと押し付けて来た事など一度もなく、私が仏教や無宗教の話をしても「へ~」と興味を持って感心していた場面が何度もある。
「イギリスに住んでいると、クリスマスやハロウィーンを苦痛だと思う事がある」と私が彼女に話した際、とても共感してくれた。

それに参加しないと異物とか異質に見られる感じがどうしてもある気がすると私が感じた事があるのだから、きっと彼女の場合は幼少期から色んな場面でそう感じて来たんじゃないかと想像する。
芯の強い非常に賢い女性だけに、去って行くのは惜しいのだけれども、私自身彼女から「互いの宗教理解」という事を学んだことには感謝である。
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Source: イギリス毒舌日記