ドキドキ 秀美、いきなり、カウンターの中の佐武郎に、
「佐武郎さん、これ…。」
硬めの紙袋を差し出して…。

そんな秀美のいきなりの行動に、佐武郎、当の本人が目をパチクリと…。
そして口を尖らせて、
「…???」

途端に匡子と獏も、目を真ん丸に、そして、
「えっ…???」

獏、秀美を茫然と…。
「秀美…。」

匡子は匡子で、秀美と佐武郎を交互に…。
「秀…、サブ…。」

何が何だか分からない佐武郎が…、頭を傾げて…。右、左に…。顔も…、右…、左に…。

すると匡子、思わずニッコリとさせて、
「サブちゃん。頂いちゃいなさい。折角だし…。」

その声に佐武郎、2度程頷いて、そして、その紙袋を…。

そして秀美にペコリと…。

獏、
「いやいやいや。」

秀美、まだ目は赤いままで…。けれども…、
「はは。良かった。」
鼓動はまだ高鳴っている。

匡子、笑顔で、
「サブちゃん、良かったじゃ~~ん。」

秀美、ニッコリと、
「いつも…、美味しい料理。」

匡子、
「うんうんうん。…そうだね~~。」
そして匡子、佐武郎に、
「サブちゃん、何…???その…、中身。」

そう言われて佐武郎、僅かに両眉の先端を吊り上げて、頭を傾げる。

秀美、笑顔で、
「開けてみてください。気に入るかどうか分かりませんけど…。ベルトなんです。ジーンズにもスーツにも似合う様なのを探して…。」

いきなり獏、
「わお。凄ぇ~~。」

匡子、
「へぇ~~。いいじゃん、いいじゃん。」
そして、
「はは、サブちゃん、うんうんうん。開けてみて。開けてみて。」

そんな匡子のリクエストに佐武郎、顔だけ前に突き出すように。そして秀美を見て…。

秀美、佐武郎を見て、笑顔で、
「はい。お願いします。」

佐武郎、紙袋の中から四角い箱を取り出し。そして。包装を剥がして…。箱を開けて…。
思わず、口を窄めて…。そのベルトを上に。

いきなり獏、
「おぅ~~~~。」

匡子も、
「へぇ~~~。」
そして、
「いや~~~。素敵~~。うんうん。これ…、いいんじゃない…???…まっ。確かに、カフェ匡子のユニホームは…黒だし。」

「しかも…、昼も夜も開いている。…そして…、断然、夜のお客が凄い。切れ目がない。」
獏。

「お褒め…、頂いたん…だよね~~。」
匡子、いきなり下唇をビロンと。

「当然でしょう~~。ほぼ毎日通っている甥に、何の文句があるの~~。」

その声に匡子、思わず、
「おほほほほほ。失礼いたしました。」

佐武郎、そのベルトをウエストに。

途端に匡子、
「あは。似合う、似合~~う。」

すかさず秀美も獏も立ち上がりカウンターの中を…。

獏、
「いやいやいや。なんともまぁ、や~~るね~~。」

秀美、ニッコリと、
「良かった~~。」

獏、秀美を見て、
「…って、言うか…。秀美ちゃん、このベルト…。」

秀美、
「もちろん、扶桑です。」

いきなり獏、秀美に体を向けて、丁寧にお辞儀を…、
「お買い上げ頂き、誠にありがとうございました。」

匡子、秀美にニッコリと、
「それにしても…、秀美ちゃん。」
匡子も秀美に頭を下げて、
「ありがとう~。」

秀美、ニッコリと、
「あはははは。いえいえ。」
けれども、
「…はい。」

匡子、そして佐武郎に、
「サブちゃん、良かったね。」
けれども匡子、秀美を見て、
「…でも…。…なんで…、こんな時間…、お昼に…???…秀美ちゃん…???」

その声に秀美。…少し…。口を搾って…。

獏も、匡子と秀美を見て、
「…うん…???」
コーヒーカップを持って。

秀美、観念したように…。恥ずかし気に…。
「本当は…。」
鼓動が高鳴っている。
「今日…、佐武郎さんの…。…誕生日。」

いきなり獏、飲み掛けのコーヒーに、
「ぶっ。」

瞬間、佐武郎、目をパチクリ。

匡子、
「へっ…???」
そして佐武郎を見て、秀美を見て。そしてまた佐武郎を…。
「サブちゃん、今日、誕生日…???」

獏、
「わ~~お。なんと…。」
そして、
「…と、言う事は…、サブちゃん、今年で26…???」

佐武郎、匡子、頭をコクリと…。

「へぇ~~~。そうだったんだ~~。今日、サブちゃん、誕生日。」
獏、
「ふふふふ。うんうんうん。誕生日おめでとう~~。」

匡子、
「いやいやいやいや。…でもさ。獏。」
獏を見て、秀美を見て、佐武郎を見て、
「当の店のオーナーの、この…、私も、サブちゃん、いつも傍にいてて、全く。」
そして佐武郎に頭を下げて、
「全~~然、知らなかった~~~。ほんと、ごめ~~ん。」

獏、いきなり匡子に、
「あ~~ぁあ。何てオーナーだよ~~。」

そんな3人に匡子、頭を下げて、
「ごめ~~~ん。…って、言う、秀美ちゃん、よくサブちゃんの誕生日、今日だって…。…へっ…???」

その声に佐武郎、口を窄めて、目を真ん丸に。

獏も獏で、
「おっと~~~。」

僅かに沈黙するその場。凡そ5秒ほど…。

4人が、それぞれ…、目を右左に…。

秀美、
「実は…。」

高村家。通、
「はい。お嬢ちゃんには、こっちね~~。」

4歳になる女の子だろう、通、プリンを…。

女の子、ニッコリと、
「ありがとう~~。」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,242.   「佐武郎さん、これ…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋