ドキドキ 秀美、
「芸能人で言うと…???」

虎一郎、
「芸能人…。ん~~~。あぁいう感じの人…、いるかぁ~~。」
頭を掻いて…。
「まっ。特徴と言えば~~。あれ…何…???…髪を後ろで編み編みに長く結んで…。」

輪湖、
「あ~~。フィッシュボ~~ン。」

秀美も、
「うんうんうん。結構可愛く…。」

虎一郎、
「でもさ。」
おでこに両手を…。
「前髪から全~~部、後ろに。それで、その…。フィッシュ…。」

輪湖、目を丸く、
「うそ。」

海江田、
「うん。そんな感じ。」

「…で、眉毛が濃い。」

輪湖、
「わお。」

「…で、どちらかと言えば、鼻から口が…。中年の男性。」

輪湖、右眉を歪ませて、
「はっ…???」

そこまで話すと虎一郎、何とか顔を思い出して…。
「…で、で…。決定的なのが、これ…???」
虎一郎、両手を両顎に。
「ここが、殆ど…、四角形…。」

輪湖と秀美、同時に、
「エラ…張り…???」

秀美、
「殆ど…、四角形…って。…もしかして…。」
ササササとスマホで検索。
「コイチさん、この人みたいな…顎…???」

虎一郎、その画像を見て、
「そそそそそ。そんな感じの顎。」

秀美、すぐさま両眉を上下に。そして画像を輪湖にも、そして葉子にも…。

輪湖、瞬間、
「わお。」

葉子は、
「へぇ~~。こんな芸能人、いるんだ~~。」

秀美、海江田と美知佳に、スマホの画像を…。
「こういう人です。」

海江田、
「はいはいはい。うんうんうん。そんな感じ~~。」

美知佳も、
「へぇ~~ぇえ~。」

輪湖、
「…で…、体が…。課長も言ってたけど…。」
両手をお腹に…。
「こんな…感じ…。」

虎一郎、
「だから…。勘弁してくれって…。」

輪湖、困ったような笑いをしながら…、
「まぁ…。ねぇ…。うん~~。気持ちは…分かるけど…。」

その声に虎一郎、
「何が、気持ちは分かるけどだよ。誰も見ていないのを良い事に、いきなり近づいてきて、佐賀美さんみたいな人、好きです。付き合ってください。…それも、ダイレクトに。」

瞬間、秀美、
「す~~ご~~。」

虎一郎、
「…それにだよ。何か知んないけどさ。隙があれば、俺の事…、見てんじゃない…???…かと、思うんだけど…。その度、俺を見てニッコリと…。」

秀美、
「わお。」

虎一郎、また蹲るように、
「勘弁してくれ。これ、このまま…、続いたら、絶対に、バレる。…でもって、噂になる。」
そして、一呼吸置いて…。
「俺…。扶桑…、辞める。」

瞬間、輪湖と葉子。いきなり椅子から立ち上がり、虎一郎に、
「バカッ!!!何言ってんのよ。あんたが辞めたら私たち、どうすんのよっ!!!」
ふたり同時に。

他の面々、ビクンと。

匡子、ビックリ仰天に、
「うそ。」

獏も、
「えぇ…。」

美知佳、
「わ~~お。」

秀美、
「輪湖先輩。葉子先輩。」

佐武郎はニッコリと。

虎一郎、
「輪湖…。おま…。葉子…。」

輪湖、虎一郎に腕組みにして、
「私、絶対に許さないからね。あんたが扶桑、辞めんの。絶対によ。」
そして輪湖、顎をひょいと。
「そうよ。私は、絶対に許さない。あんたが扶桑、辞めんの。」

そして、
「…どうせ、ストーカーみたいに、あんたの事、誰も見てないから付きまとってんでしょ。あんたの事、浮気性って、知らない癖に。」

その声に美知佳、
「へっ…???佐賀美君、浮気性…???」

海江田、美知佳に、
「シ~~~。」

輪湖、
「そんなの、そんなのってね~~。治る訳ないでしょ、あんたなんか…。あんたなんか…。…でもさ。…でもさ。」
そう言い掛けて輪湖、口を噤んでぐにゅぐにゅとさせながら、
「いいわよ。言ってやんなさいよ。その人に。コイチには列記とした彼女がいますよって…。」

その声に匡子も秀美も葉子も、
「はっ…???」

輪湖、興奮したままで、
「言ってやんなさいよ、その人に、俺には列記とした彼女いるから。あんたとは付き合えないって。」

その声に虎一郎、輪湖に、
「…い、いや…、あの…、俺…。俺…???…誰か…、付き合ってる…人…???」

輪湖、形相を変えて、
「そ、そうよ。コイチには付き合っている彼女いるって。好きな女性いるって…。その女性が…。…私で…。…私で…、文句ある…???ねぇ、コイチ。」

瞬間、匡子、
「いよっ。輪湖、天晴。」

思わず佐武郎、目をパチクリと…。

秀美は真ん丸の目で、
「え…???え…と…。輪湖…センパ…。」

葉子も、目を真ん丸に、
「輪…湖…。」

海江田も…、目を…。
「あ。…え…。え…???」

美知佳は口を噤んで…。

数秒後、後ろのテーブル席から、パチパチと…。拍手が…。そして、
「お~~い、いいぞぉ~~。」
「素敵~~。頑張って~~。」
「はは。か~~っこいい~~。」
「いいね~~。」

そんな拍手と激励に匡子、困ったような笑みで、
「…ど、どうも…。」

虎一郎は輪湖を見る。

輪湖は、そんな虎一郎を見ながら、いきなり目を赤く…。

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,239.   「…で、で…。決定的なのが、これ…???」虎一郎…。

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庄司紗千「海をこえて」
※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋