ドキドキ 「その時、思わず部長、椅子から立ち上がって、その客たちのテーブルに。…一礼をして、お客様、申し訳ありませんが、このお店、お客様のような方々のいらっしゃるお店ではございませんので、どうぞお引き取りを…。」
蔵井氏。

ゆっくりと紫、蔵井氏を見ていた顔が今度は陣屋の方に…。そして通を見て…。

通はまだニタリと…。

蔵井氏、続ける。
「でね。そんな風に言われてそのチンピラかやくざみたいな客が、いきなり立ち上がって部長に、あんだと~~。姉ちゃん、なにさらしとんねん。なんか迷惑掛けたんかい、このスケがぁ~~。そして、隣の男も、おぃ、姉ちゃんよ~~。そして同じく立ち上がって、俺たち、舐めとんかい。と…。」

いきなり紫、目を真ん丸に。口を窄めて。

蔵井氏、
「そしたらさ、部長、両脇に両手を。そして、いきなり。ざけんじゃないわよ~~。客がやたらと帰っていく姿、その目に入ってんのかい。えぇ~~っ!!!あんたらいると、この店が、客が迷惑なんだってぇのが分かんねぇのかい。えぃ。何か言えるかっ!!!いやいやいや。髪振り乱して。物凄い…、形相…、だったのか…、部長…。」
そして蔵井氏、
「かかかか。…でも、その瞬間、通ちゃんが、いきなり、ヨッ、姉御っ!!!意気だね~~。さすがは検察庁からも一目置かれている九門(くもん)財閥の御令嬢~~。後が怖いかな~~。聞くところによると、次長検事、九門財閥の人なんでしょ。…って、僕にね。」

瞬間、紫、蔵井氏を見て、
「あは。」

「僕も、そんな風に振られちゃあ、あ…、あぁ。えぇ。…って応えるしか…。」
その時を思い出して蔵井氏、
「かかかかか。…で、通ちゃんのその声に、まだ男たちを睨んでいる部長に、男たちふたりと睨み合い。」

紫はまた目を真ん丸に。

「その時、その…、男たちの兄義分なのかな…。黙って座っていたけど…、いきなり…、座ったまま部長の方に腰を動かして、丁寧に頭を下げて…。申し訳ありません。ウチの若いもんが大変失礼な事を…。すると、その男が、いきなり、てめえら、こちらの方に、謝らねぇかぃ。その一言で、その若いふたりが、兄義分に頭を下げて…。目の前の部長にも…。そしてその兄貴分が…。ゆっくりと椅子から立ち上がり、姉御に一礼をして、カウンターに1万円札を4枚。通ちゃん、その男に、お客さん、困りますよ。幾ら何でも…。けれどもその男、済まなそうな顔で、取っておいてください。迷惑掛けました。…で、他の3人に、行くぞ。…ってね~~。」

紫、いきなり口を開けて、
「いやいやいやいやいや。」
そして陣屋にまた向き直って、
「部長~~~~。」

そんな陣屋、いきなりニヤニヤとしながらも右手を振って、
「いやいやいやいや。かかかか。」

通、
「さすがやね~~。」

陣屋、
「ま~~た~~。んんん。」
いきなり咽るように陣屋、
「いやいやいや。…だ~~ってさ。かかかか。私、酔いが回ってたのかもね~~。…いや、だって、あの男たち、ドアから出て行って、ものの数秒で、いきなり膝ガックンで床にへたりこんで、涙ボロボロ。今…、泣きながら私…、何言ってたって…。」
いきなり両手をパン。
「もぅ~~。心臓、破裂しそうだったわよ~~。」

通、笑いながら、
「…けど、その後、いきなり他の客から拍手喝采。お見事ってね~~。…まっ。あんな事があってから、あの時に居合わせた客たちからも、姉御って言われてたから…。かかかか。正に、極道の妻…。ならぬ、極道の姉御…。か。」

蔵井氏、
「それにしても、あの啖呵は凄かった。私もさすがにビビリましたから…。」

紫、
「えっ…???…えぇ…???…って言うか…。」
また紫、陣屋の顔を見て、
「いやいやいや。部長って…、何…???…その…、九門財閥…、御令嬢~~???」

陣屋、いきなり、
「まっさか~~~。…んな訳ないでしょ。思いもよらない、通ちゃんのハッタリ~~~。あぁでも言わなきゃ、あの人たち、店、出て行かないでしょ。まっ。またいつか、来るようなときがあっても、通ちゃん、何とかしてくれるって、分かってるから。」

通、
「…でも、まっ。あの、姉御の啖呵は、完璧に、効いてるね~~。かかかか。あれ以来、全く~~。」

紫、
「へぇ~~~。そぅだったんだ~~。」

「さて…。獏は、しっかりと、ヨウちゃんに、爆弾を落としたって。」

いきなり蔵井氏、飲んでたビールを、
「ブッ。」

陣屋、
「な~~に言ってんだか~~。」

紫、
「かかかか。海江田獏、だから…、爆弾ね。ほ~~、ほけきょ。」

瞬間、陣屋、
「かかかか。通ちゃんのダジャレより面白いやその、ほ~~、ほけきょ。」

蔵井氏、
「さ~~て、あのふたり、どうなりますか~~。…とにかく、感動しました。はは。」

陣屋も、
「うんうんうん。だよね~~。ヨウちゃん。」
そして陣屋、
「ふん。あれだけ言ったもん。海江田獏~~。そうならないと…。」
右手をピストルに、
「バ~~~ン。逮捕するぅ~~。」

通、笑いながら、
「だ~~ねぇ。」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,234.   「その時、思わず部長、椅子から立ち上がって…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋