ドキドキ すると葉子、思わず輪湖に、
「あっ、輪湖、輪湖、輪湖、輪湖。あのね、私ね。」

そんな葉子に輪湖、ニッコリと、
「うん…???」

葉子、輪湖に、
「あのね。私ね。なんか…、凄い夢見てた。…それも、日本じゃない。周りがみんなアメリカ人。…公園…???…だと…、思う。うん。確かに公園。リリーとバクと一緒。リリーって知ってる…???私の愛犬。こ~~んなにおっきくって。」

輪湖、葉子の話を聞きながら、
「うん。うんうんうん。」

「もぅ~~。はしゃいでばっか~~。…で、もぅ~~。私の顔、舐めて舐めて。可愛いくって~~。…でね、傍には、バクが…。」
そして葉子、体を…、ふと右に…。すると、そこには海江田。その顔を見た瞬間に、
「バク――――――ッ!!!」
いきなり海江田に抱き付く葉子。顔は既に笑顔満面。

いきなり抱き付かれての海江田、
「おっと。」

僅か2秒ほど…。

海江田も葉子に抱き付かれながらもやさしく両手を葉子の腰の辺りに…。
そして、
「はは。ナンシー。」
そして、
「選さん。選…葉子さん。」

その名前を呼ばれて、いきなり葉子、
「はっ!!!」
すぐさま、海江田から体を放し。
「わっ!!!」
口に両手を…。
「私…。」

そんな葉子を輪湖、今度は椅子から立ち上がり、葉子を優しく抱く。僅かに目は虚ろなまま。
「葉子…。眠ったままで…、夢…見てたんだ…。」

その声に葉子、
「へっ…???あ。えっ…???…あ…、うんうん。」
そして目の前の海江田に、頭を下げて、
「私…。ごめんなさい。いきなり…、とんでもない事…。」

その声に海江田、顔を左右に。

輪湖、葉子を見ながら…、そして左目尻に左手中指で拭う。
「みんな…、心配…、してたの…。葉子、気を失って、寝ちゃってたから…。」

その声に葉子、ようやく周りを…。
秀美に虎一郎、そしてカウンターに、紫、蔵井氏。
そしてカウンターの中、愛生に通。その隣に匡子。
匡子の手前、椅子に座っての陣屋。そしてその隣に美知佳。
その美知佳の奥には佐武郎。

美知佳、
「選さん。夢、見てたか~~。シカゴの…。はは、海江田課長と犬と一緒の夢。」

葉子、その声に、顔をコクリと、
「え、え~~~。」

「ヨウちゃん。物凄い、笑顔だった。初めて見たよ、あんなヨウちゃんの笑顔。へへ。」
陣屋。

蔵井氏も口を搾って、
「うんうんうん。」

紫も、目を真っ赤にさせて、
「はは。うんうん。へへ。」
ハンカチを目に当てて。

通、腕組みして、
「ようやく…。感情…、表に出たか~~。」

匡子も匡子で、グシュリとさせて、目にハンカチを、
「うん。はは。」

輪湖、葉子に、
「葉子~~。あんた、愛生ちゃんたちの歌の途中でさ、いきなり椅子から立ち上がって、海江田課長と踊ってたの。覚えてる…???」

その話に葉子、目を真ん丸に、
「えっ…???…うそ…???…いや…。ただ…。体が何かに促されて…って言うか、体が自然に動いて…、いつの間にか…。目の前が、ここじゃなくて…。どこか…、遠い…。」

輪湖、話しを聞きながら、
「うんうん。うんうんうん。」

「凄い、体が軽いって言う感覚は…、確かに、あった。…で、何だか、体が自然に、流れているっていうのは…。…じゃ、あれって…。」

輪湖、葉子を見ながら、
「うん。それって、多分…、葉子が、自分では気づいていないかも…知れないけど。海江田課長と一緒に踊っていたんだよ。みんな…、それ、ず~~っと、見てたの。」

「えっ…???…うそ。」

「もぅ~~。踊り終わった後の、みんなの拍手喝采。凄かったんだから~~。その後に葉子、すぐに気を失って…。」
「私…。全然知らない場所にいた。今まで一度も行った事がない場所。…でも、凄い、懐かしい場所。私が仕事をしてたマンション。そして私の家。おとうさんとおかあさん。そしておにいさんとおねえさん。そして、リリー。」

輪湖、
「リリー…。」

海江田、
「ナンシーの愛犬。ほら、僕の夢にも出て来た、雌のグレート、ピレニーズ。大型犬。」

輪湖、その声に、
「あぁ~~。うんうんうん。」

葉子、そんな海江田を見て、思わず、
「バク…。」
すると、目から涙が…。

そんな葉子を見ていたそれぞれも、
「ヨウちゃん。」
「葉子…。」

もはや葉子の目には獏しか見えなかった。

そしてまた…、輪湖の体から離れて、海江田に体を…。
「バク~~~。会いたかった~~。」

そんな葉子を優しく抱き締める獏。

通、いきなり、
「ヨッ。ご両人。」

そんな通に匡子、しかめっ面で、右手で通の左二の腕を思いっきり抓る。
「バカ。」

途端に、通、
「痛って~~~。」

愛生が、
「かかかかか。」

陣屋、
「遂に。こぅなっちゃったか~~。はははは。」
目を真っ赤にさせて。

美知佳も、
「うんうんうん。OK、OK。」

紫、虎一郎、
「うんうんうん。」

「葉子先輩~~ぃ。」
秀美ももらい泣き。

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,226.   葉子、輪湖に、「あのね。私ね。なんか…、凄い夢見てた。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋