「な~~んか、凄い話~~。」
励子。
「何々…。じゃあ。じゃあさ。…その…、カフェ匡子って、お店で、いつも葉子と輪湖と秀美ちゃん…???…それに…。」
励子、虎一郎を見て、
「佐賀美君と…???」
輪湖、少し済まなそうに、
「…って言うか、…今更ながらで…。」
輪湖、葉子と虎一郎を見て、
「8年に、なるけどね~~。」
虎一郎、
「まっ。たまたま入社当時から、すげえ女子がいるって噂で…。それ、探ってみたら、葉子で…。みんなして、財務企画って…。…で、ちょっと声掛けて…。」
輪湖、
「何、いきなり声掛けるかな~~と、その時は思った~~。けどね。葉子。」
葉子、その輪湖の声に、少しだけ顔を綻ばせて、
「うん。」
けれども励子達は、その葉子の顔には気付かない。
輪湖、
「しっかたないかな~~。まっ。同期だし~~、と、思って…。…で、入社式終わってから、私が葉子に、どっか美味しいの食べに行かないって…、話したの。そしたら、おかあさんが馴染のお店あるから…。元々、入社式終わったらお店行くねって連絡しておいたって。…そしたら、もぅ~~。素敵な店で。それからは思いっきり、常連。」
節、
「へぇ~~~。そうだったんだ~~。」
「…で、今は、シカゴ帰りの営業推進部の課長も、カフェ匡子に通ってるぅ~~と。叔母様の店だからね~~。…って、言うか、私たちだって、びっくりしたんだから~~。うそ――――――っ!!!って。」
その声に海江田も右手を振って、苦笑いで、
「いやいやいや。何々、僕だって、それ言わせてもらえば、え゛~~~ぇえ…???うそっ。…って…。」
「だ~~からか~~。なんだか…。葉子と輪湖。それに秀美ちゃんまで、海江田課長と親し気に話してるから…。何、この関係って…???」
佐智。
虎一郎、
「まぁ…。俺たち、週に3回は店、通ってるもんな~~。とにかく飯が旨い。しかも、安いと来てるから。仕事の帰りにさ、アパートひとり。そんなコンビニ飯で腹満するより絶~~対っ、マシ。」
そこまで言って虎一郎、
「まっ。けど…、俺、昼飯はコンビニか社食だけどね~~。…その点、課長は、昼も匡子さん。」
海江田、
「あん。まっね~~。近くにいるときは必ず。」
励子、口を尖らせて腕組みをして、2度頷いて、
「ふんふんふん。な~~るほどね~~。そうだったんだ~~。」
するといきなり励子、葉子の首を両手で、笑いながら、
「くぉ~~ら、葉子~~。最初っからそういう事、教えろ~~。」
そんな励子にいきなり葉子、ビックリして、
「いやいやいやいや。励子さん、励子さん、それなし、それなし~~。」
励子笑いながら今度は葉子を抱き締めて、
「かかかかか。こんにゃろ~~。」
抱き締めて、そして葉子を開放し…。
励子、葉子を見て、
「あは。」
途端に葉子も笑顔で、
「ごめんなさい。黙ってて。」
顔の前で両手を合わせて…。
いきなり節と佐智、
「えっ!!!」
顔を見合わせて…。
励子も、びっくりしたような顔で、
「うそっ。」
佐智、
「葉子、笑った――――――っ!!!」
節、
「わ~~お。」
励子も、
「び~~~っくり~~~。え~~~???」
そして、その声が店内に響いた。
他のゲストたちも、ステージの前の方に注目。
通に陣屋、そして蔵井氏に紫、
「えっ…???」
通、
「なんか…あったか…???」
陣屋、
「どぅ…したの…か…な…???」
蔵井氏も、顔を傾げて、
「はて…。」
全員がステージの方に顔を…。
すると、財務企画の面々が葉子を抱き締めている。
陣屋、
「えっ…???…ヨウちゃん、どしたの…???」
カウンターの中から匡子、
「おっと~~。はは。サブちゃん。」
通、そんな匡子に、
「えっ…???」
愛生も、顔を傾げて…。
佐武郎、匡子を見てニッコリと。
美知佳は陣屋の隣で、こちらもニッコリと、
「はいはいはい~~。はは。なんとかね~~。」
そんな美知佳に陣屋、
「えっ…???」
通、匡子を見て、
「匡ちゃん…???…どういう事…???」
紫、思わず椅子から立ち上がり、
「ん~~~???」
ステージの方に…。
…すると…、財務企画の面々が涙を零している。
紫、
「うそ。」
励子、
「紫~~~。」
いきなり自分の方に雪崩れ込む励子を紫、
「ど…、どうしたのよみんな~~。」
節や佐智、そして他の財務企画の面々も、
「主任~~~。」
励子、涙を零して、
「葉子が…。葉子が笑った~~。」
その声に紫、
「えっ…???…うそ…???」
その声に財務企画の面々、顔を左右に振る。
紫、輪湖と秀美を見て、
「輪湖…・秀美ちゃん…???」
すると、輪湖も秀美も、頭をコクリと…。
葉子、紫にニッコリと。
思わず紫、葉子の顔を、
「葉子…。ヨウちゃん…???」
海江田、
「どうやら…。選さん…。生まれて初めて…、感情が表に…。」
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,220. 途端に葉子も笑顔で、「ごめんなさい。黙ってて。」
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※ご本人の承認の下、紹介させて頂いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋