その声を聞いて佐武郎、いきなり体を動かし、
カウンターから出てマガジンラックに。
海江田と美知佳、
「ふん…???」
そして佐武郎、一冊の雑誌を手に海江田に…。
海江田、
「おっと~~。」
美知佳、
「わお~~。」
匡子、
「あは~~、うんうんうん。それ…。いつも、書店の人が毎週、届けてくれてんの。…かかか。その中にあったか。さすがサブちゃんチェックしてるね~~。」
カウンターに戻ってきた佐武郎に匡子ニコニコと。
輪湖と秀美も佐武郎に笑みを…。
葉子、記事を読みながら、
「ふ~~~ん。そっか~~。」
匡子、獏に、
「どれどれ…。」
獏、
「おっ。」
輪湖はネットで…。
「あっ。ほんとだ~~。あるあるある~~。」
そして記事を読みながら、
「…この横領の件、その大きな手掛かりとなったのが、女性社員のひとりがもたらした情報が大きな突破口になり、解決に繋がった。警察関与なしでの捕物劇。…へぇ~~。」
匡子もそのベージを開いて前にバッと。輪湖と秀美、開かれたページを見て、
「わっ!!!凄いっ!!!」
ページは見開きの2ページ。百貨店扶桑の外観が見開きで…。
そして上には社長の天春廿楽。そして下の方には、目隠しの容疑者の画像。
海江田、葉子に、
「選さん、凄いよ。大したもんだ。」
その声に葉子、海江田に、
「あっ。いえ…。…でも、これは課長も同じように…。」
その声に海江田と美知佳、同時にニッコリと、顔を左右に、
「ううん。」
その顔に葉子、
「えっ…???」
美知佳、
「そもそも、アナグラムの事を社長に報告したのは陣屋部長。…でも、陣屋部長、最初から、あなた、選さんの名前を出したから…。私や海江田課長の名前ではなく。」
その声に葉子、
「えっ…???…でも、それは…。」
美知佳、葉子にニッコリと、
「ふふ。…それが、社会よ。そして…、それが…、百貨店扶桑の代表取締役社長の天春廿楽のやり方。素直に受け止めて…。」
葉子、
「部長…。」
そして海江田、葉子を見てニッコリと。そして僅かに顔を傾げて…。
輪湖、
「はは。」
匡子も、
「うんうん。」
秀美、
「葉子先輩。」
葉子、ポツリと…、
「ありがとうございます。」
瞬間、葉子、思わず目が…。
…そして、自分でも知らない感じに…、小鼻が…、赤く…。
匡子、瞬間、葉子を見て、
「えっ…???」
葉子、思わず目に涙。
匡子、いきなり、
「あは。」
その声に葉子、
「えっ…???」
思わず目をパチクリと。…すると、目に溜まった涙がスルリと頬を…。
「あっ。」
匡子、
「あは。ヨウちゃ~~ん。」
輪湖も秀美も、
「えっ…???」
匡子、
「ヨウちゃん、涙。目、真っ赤。」
いきなり葉子の左右、輪湖も秀美も海江田も美知佳も、
「え~~ぇえっ!!!」
葉子、思わず鼻をシュンと…。
輪湖、
「葉子っ!!!」
海江田、
「うそだろっ!!!」
秀美、
「葉子先輩っ。」
葉子、目をパチクリと。
「あは。…ごめんなさい。」
すぐさまバッグからハンカチを。
輪湖、葉子を愛おしく見るように、
「葉子~~~。」
海江田、
「選さん。」
葉子、
「ご…、ごめんなさい…、私…。なんだか…。嬉しくって…。」
匡子、
「かかかか。ヨウちゃ~~ん。泣けた~~。あは。あははははは。」
匡子の目も僅かに潤いながら…。
海江田、美知佳と顔を見合わせて、ニッコリと、
「うんうんうん。はは、奇跡。」
美知佳も何かしら小鼻が…。
「うんうんうん。…だよね~~。」
輪湖、
「葉子~~。」
秀美も目に涙、
「葉子…先輩~~い。」
葉子、顔を小さく左右に小刻みに振って、
「あ、あ~~~。」
匡子、
「感情~~。表に出た~~。」
海江田、葉子を見て、
「ははははは。」
匡子、
「うんうんうん。些細ではあるけどね…。まっ。うん…。でも…、ある意味、前から、兆しはあったけど…。」
葉子、その声に、
「えっ…???」
匡子、顔をチョコンと、
「あん。チョットだけね。アレ…???…って、思ったのはあった。けど…、ホンの瞬間だったから…。…でも…。うんうんうん。おめでとうだよ。」
そして、獏に、
「ありがとね、獏。」
そんな獏、右手を小刻みに振って、
「あ、いや…。俺なんか…、何もしてないよ。」
「な~~に言ってんのよ~~。海江田課長~~。これでまたひとつ、選さん、近づけた~~。」
海江田、いきなり美知佳に、
「部長~~~。」
美知佳、
「はははは。そんな、照れなさんなって。」
輪湖、
「かか。葉子~~~。」
匡子、
「うんうんうん。ヨウちゃん、ようやくだね~~~。」
葉子、生まれて初めて…。30歳になって、初めて涙を流した。
獏を除いて4人が店を後にして…。
匡子、獏の前で自分のスマホである履歴をポン。
獏、そんな匡子に、
「ん~~~???…誰に電話…???」
匡子、ニッコリと、
「ふふ~~ん。」
5回のコールで相手が出る。
「はい、匡子さん、お昼はどうも。」
由佳理である。
匡子、
「あっ。由佳理さん。今、ヨウちゃんたち、帰った~~。」
「あん。そう~~。うん。」
紅茶を飲みながら由佳理。
匡子、
「…でね。」
こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜 vol,217. 「選さん、凄いよ。大したもんだ。」
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庄司紗千 きっと大丈夫
※ご本人の承認の下、紹介させて戴いております。
Source: THMIS mama “お洒落の小部屋