ドキドキ 「そしたら、いきなり蝶から金粉が…。」
葉子。

匡子、
「あら。…へぇ~~え~~。」

「ドアをすり抜けて~~。」

瞬間、匡子、
「へっ…???…ドアをすり抜けてって…???…出来んの…、そんな事…???」

葉子、いきなり、
「いやいやいや。生身の体じゃないし…。だから…幽体離脱。…しかも、相手には私の姿、見えてないし。声すら聞こえてないし。」

その声にまた瞬きして匡子、
「あ、あ…。そっか…。」

「そして…。次に向かった場所が~~。社長室。陣屋部長もいたし、私、ふたりに声掛けた…んだけど~~。」

輪湖、匡子も一緒に、
「聞こえない。」

「んだよね~~。」
葉子。

その時、いきなり店のドアが。そして…。
「いやいや…。先に、どうぞ、部長…。」
の声。

そして、
「…じゃあ~~。お先に。」

「どうぞ、どうぞ。」
「こんにちは~~。」

美知佳である。

匡子、カウンターから、
「はい。いらっしゃ~~。はは、おかえり~~。」

その後からは海江田、
「お疲れ~~。」

その声に思わずビクンと葉子。

美知佳、カウンターの3人を見て、
「あは。いました~~。」

輪湖、秀美、葉子、美知佳に、
「お疲れ様で~~す。」

けれども美知佳、必然的に葉子の隣の席からもうひとつ隣の椅子に。
海江田、僅かに躊躇しながらも空いている葉子の隣の椅子に。

葉子に輪湖、そして秀美も、海江田に、
「お疲れ様です。」

海江田、頭をコクリと、
「お疲れ様。まま、とにかく…。」

美知佳、
「うん。」

葉子も、
「ですね~~。」

「横領の件。」
海江田、
「一件落着。」

葉子、
「はい。」

美知佳、
「それにしても、選さん、凄いよね~~。アナグラム。」
そこまで言って美知佳、
「それに、海江田課長も~~。アナグラム。」

その瞬間、海江田、美知佳に、照れながら、
「あ。いえいえ…。そんな…。」

「へっ…???」
匡子に輪湖、そして秀美も、
「獏…、あんた…???」
「課長も…???」

葉子は、キョトンとして…。

輪湖、秀美、共に、
「課長もアナグラム…。」

葉子、両目だけチラチラと左右に…。そしてサワーを一口。

海江田、
「あ、あ~~。ん~~。…まっ。…昨日…、朝方…。気付きまして…。」

匡子、両眉を歪めて、
「気付きまして~~???…どんな風に~~???」
少し、意地悪そうな顔で匡子。

そんな匡子に海江田、
「えっ…???…どんな風にって…。」
海江田、匡子にしかめっ面をして…。口をモゴモゴさせて…。頭の中で、
「…匡姉ぇには、昨日、話したでしょ。…」
そして海江田、
「…まぁ~~。その~~。…なに…、かな~~。」

いきなり匡子、
「何、バツの悪い国会議員みたいな声。」

いきなり美知佳、
「ぷっ。ママ~~。やだ~~。」
左手を振っての美知佳。

瞬間、匡子、済まなそうな顔で、
「あっ。あは。ごめんなさい。」

輪湖、秀美に、
「何…???…今のリアクション…???」

秀美も、
「い…、いや…。私にも、分かんないし…。」

匡子、そんな輪湖や秀美に、
「いいの~~。若い子たちには、まだ~~。分かんなくって~~。」

葉子、ポツリと…。
「課長…。もしかして…、夢…???」

その声に一同、
「えっ…???」

海江田、いきなり鼓動が…。そして、致し方なく、
「あ、あ~~~。うん。」

匡子、獏を見て、
「うん…???…あんたも…、夢…???」
また匡子、意地悪そうな顔で…。

美知佳、海江田に、
「夢…???…って、どういう事…???」

その声に海江田、困った表情で…、
「あ。いや…。まっ。なんて言うか~~。」

葉子、
「課長。…もしかして…、夢に蝶が出てくる…とか…。」

美知佳、目を真ん丸に、
「蝶…???」
そして海江田を見て…。

海江田、唇を搾って、
「まっ。確かに。はい。選さんの言う通り。」

匡子、思わず下唇をビロンと。

美知佳、
「いやいやいや。何々…???…凄い、興味深いんですけど~~。海江田課長。」

葉子、また、
「その蝶に導かれて、答えに近づいた。」

途端に美知佳、
「うそ~~。そういう事…、あり…???」
そして美知佳、僅かに興奮しているかのように、
「えっ…???…何々…、どんな風に…。そんな…。夢で…???…蝶が…、教えてくれた…みたいに…???…なんで、なんで…???」

匡子、そんな美知佳を見て、
「はは。松樹さ~~ん。」

美知佳、匡子に、
「だって、だって、気になるでしょう~~。ねぇ~~。」

輪湖と秀美、そして葉子を見て。

輪湖も秀美も、笑顔で、
「あっ、はい。」

葉子、またポツリと…。
「夢と言えば…。もしかして…。シカゴの…夢…???」

いきなり海江田、ドキン。

匡子は頭の中で、
「…やだ、ヨウちゃん、なんでそこまで…???」
そして匡子、獏に、
「獏~~。もぅ~~。話しちゃったら~~。もぅ~~。隠し通せないよ~~。こぅなったら~~。」

その声に獏以外、
「えっ…???」
「はい…???」

そして葉子、
「隠し…、通せないって…???…匡子さん…???」

こんな私です。〜選葉子(すぐりようこ)〜   vol,206.   「そしたら、いきなり蝶から金粉が…。」

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Source: THMIS mama “お洒落の小部屋